浦和レッズも参戦しているFIFAクラブワールドカップ。

賞金総額1500億円の世界大会はアメリカで開催されているが、暑さが問題になっている。

21日の正午にシンシナティでキックオフされたドルトムント対マメロディ・サンダウンズ戦は、気温35度と酷暑だったため、ドルトムントの控え選手たちはピッチ脇のベンチではなく、ロッカールームで試合を見つめた。

『BBC』によれば、ドルトムントのニコ・コヴァチ監督は「サウナから出てきたように汗だくだった」と語っていたそう。

また、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督も「すべてのチーム、選手、監督がベンチで暑さと湿度に不満を漏らしている。次のワールドカップはここで行われる。選手たちはすでにそのことを知っており、厳しい状況になるだろう。楽なコンディションではない」とコメント。

さらに、レアル・マドリーのシャビ・アロンソ監督も22日のパチューカ戦後に「気温が下がって助かった。私が不満を言っても何も変わらない。涼しい気温の方がプレーがよくなることは、エンジニアでなくても分かる」とコメントしていた(試合は午後3時キックオフ)。

アメリカは、来年のFIFAワールドカップをカナダ・メキシコとともに共催する。

英ローハンプトン大学の環境生理学者で、トップスポーツにおける熱中症の権威でもあるクリス・タイラー博士はこう危惧している。

「テレビ視聴者を最大化するために多くの試合が午後5時前に予定されており、このような状況は日常茶飯事となるだろう。

猛烈な暑さは、大会最大の敵になりえる」

また、『Fossil Free Football 』は「特に懸念されるのが、屋根がないシャーロットのスタジアム。体感温度は38度(レアル対パチューカ)と41度(ベンフィカ対バイエルン)と予測されている。これは今大会および2026年W杯において選手とファンが直面する危険性を浮き彫りにしている。FIFAは安全面の懸念を和らげるための措置をほとんど講じていない」と指摘。

なお、シャーロットのスタジアムで2026年ワールドカップの試合は行われないが、屋根のないスタジアムでの試合開催は予定されている。

一方、FIFAは「最優先事項はサッカーに関わるすべての人々の健康であり、FIFAの医療専門家は参加クラブと定期的に連絡を取り合い、暑さ対策と環境への順応に取り組んでいる」としている。

試合では必要に応じて、30分と75分にクールダウンタイムを設け、観戦するファンは水分補給のためにスタジアム内に1リットルまでの空の透明なボトルを持ち込むことが許可されているとのこと。

編集部おすすめ