「中村俊輔さんは自分で決め切る」レジェンド酷似の左足見せた流通経済大柏DF増田大空、ジュビロ磐田内定でも慢心なし「甘い環境ではない」

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[第104回全国高等学校サッカー選手権大会2回戦、流通経済大学付属柏高等学校(千葉県代表) 3-0 米子北高等学校(鳥取県代表)、 31日、千葉・フクダ電子アリーナ]



2回戦が31日に関東圏各地で行われ、この日が初戦の流通経済大柏高が3-0で米子北高を下した。



流通経済大柏のDF増田大空(そら、3年、鹿島アントラーズつくばジュニアユース、J2ジュビロ磐田内定)は、高精度の左足キックからチャンスを演出した。



ダブルキャプテンの一角としてチームを引っ張った背番号6は、尊敬する元日本代表のレジェンドのような活躍を誓った。



「中村俊輔さんは自分で決め切る」レジェンド酷似の左足見せた流通経済大柏DF増田大空、ジュビロ磐田内定でも慢心なし「甘い環境ではない」
画像: 左サイドバックで出場した増田(写真:浅野凜太郎)

左サイドバックで出場した増田(写真:浅野凜太郎)



興味本位で始めた中村俊輔氏のようなキックモーション



独特なキックモーションから放たれる左足は、選手権の舞台でも存在感を発揮した。



磐田への加入が内定している増田は、同クラブでもプレーした元日本代表MF中村俊輔氏へのリスペクトを口にした。



「中村俊輔さんはスーパーな左足を持っている。真似じゃないですけど、最初は興味本位で蹴り方を寄せてみました。そのときにとてもいい手ごたえを感じた。それを重ねていく中で、いまの蹴り方になりました」



ボールの下をこすり上げるように振りぬき、そのまま蹴り足で着地する。高円宮杯JFA U-18プレミアリーグ2025からこの蹴り方を始めて、数々のチャンスを演出してきた。



「中村俊輔さんは自分で決め切る」レジェンド酷似の左足見せた流通経済大柏DF増田大空、ジュビロ磐田内定でも慢心なし「甘い環境ではない」
画像: 左足で蹴って、そのまま左足で着地するキックモーションの増田(写真:浅野凜太郎)

左足で蹴って、そのまま左足で着地するキックモーションの増田(写真:浅野凜太郎)



自慢の左足を武器にピッチ内で躍動する増田は、今年からMF島谷義進(きしん、3年、FCフェルボール愛知、水戸ホーリーホック内定)とともにダブルキャプテンに就任。この日も、「ついに来たよ、この舞台!」と仲間たちを鼓舞していたが、もともとは主将を任されるようなタイプではなかったという。



「いままでは前に立ってまとめるキャラじゃなかった。でも去年の3年生が引退したときに、より自覚や責任感が芽生えて、誰よりもやらなければいけないという気持ちが出てきました。



それと同時に必然的に声も出て、まとめることも増えた。

そこでキャプテンに任命してもらいました。島谷とずっとダブルキャプテンとしてやってきて、どんなにチームが苦しい状況でも二人で前に立ってやり続ける。それはプレーでも声でも、日ごろから心がけている部分です」



「中村俊輔さんは自分で決め切る」レジェンド酷似の左足見せた流通経済大柏DF増田大空、ジュビロ磐田内定でも慢心なし「甘い環境ではない」
画像: Wキャプテンを務める島谷(写真:浅野凜太郎)

Wキャプテンを務める島谷(写真:浅野凜太郎)



昨年の選手準優勝校をプレーと声で引っ張る増田は、自身初となる選手権に臨んだ。



磐田内定でも慢心はない



流通経済大柏は高体連で最多となる4人のJリーグ内定選手を擁しながらも、増田と島谷のみが先発メンバーに名を連ねた。



左サイドバックでフル出場した増田は「プロ内定者だからといって、必然的にスタメンで出られる甘い環境ではない。それぞれがいい緊張感でやる気を持っています」と、満員のスタジアムで実力を披露した。



サイドを駆け上がってボールを受ければ、左足で高精度のパスやクロスボールを供給。守備でも決してサボらずに、上下動を繰り返した。



「米子北さんは背後に落としてくるボールが得意なので、そこは警戒していました。細かいところですが、ラインを1メートル上げる、もしくは下げる部分を意識していました。そこはぬかりなく、甘えずにきびしい目を持ってやれました」



「中村俊輔さんは自分で決め切る」レジェンド酷似の左足見せた流通経済大柏DF増田大空、ジュビロ磐田内定でも慢心なし「甘い環境ではない」
画像: サイドを駆け上がる増田(右、写真:浅野凜太郎)

サイドを駆け上がる増田(右、写真:浅野凜太郎)



少ないタッチでボールを動かし、相手の背後を狙い続ける“スモールフィールド”を掲げた流通経済大柏は、MF古川蒼真(そうま、2年、FC多摩ジュニアユース)の2得点と、FW大藤颯太(そうた、3年、成田SC、東京ヴェルディ内定)のペナルティキック弾を守り切って、3-0で勝利した。



「まずは1試合で終わらなかった安心があります」とうなずいた増田だが、すぐさま悔しさをにじませた。



「個人的にはもっとやりたかった。本当なら自分がもっとボールを引き出して、攻撃の起点にならないといけない。だけどそのプレーを多くは出せなかったので、悔しさも残る試合でした。きょうは納得できるボールもあまり蹴れていませんし、毎回イメージ通りにできないと意味がない」



「中村俊輔さんは自分で決め切る」レジェンド酷似の左足見せた流通経済大柏DF増田大空、ジュビロ磐田内定でも慢心なし「甘い環境ではない」
画像: パスコースを探す増田(写真:浅野凜太郎)

パスコースを探す増田(写真:浅野凜太郎)



1月2日の午後12時5分に同会場でキックオフする3回戦は、大分県立大分鶴崎高(大分県代表)と対戦する。



ダブルキャプテンの一角として流通経済大柏を助けたいと意気込んだ増田は、アシストだけではなくて得点も狙う。



得意の左足で所属チームのピンチを救ってきた中村俊輔氏のように。



「磐田時代のプレーも含めて、中村俊輔さんはあの左足でゲームを決められるのが本当にすごい。いまの自分はいいボールを上げるチャンスメイクが多いけど、中村俊輔さんは自分で決め切る力を持っている。尊敬していますし、目標にしています」



「中村俊輔さんは自分で決め切る」レジェンド酷似の左足見せた流通経済大柏DF増田大空、ジュビロ磐田内定でも慢心なし「甘い環境ではない」
画像: プレースキッカーを任された増田(写真:浅野凜太郎)

プレースキッカーを任された増田(写真:浅野凜太郎)



流通経済大学サッカー部出身の「最強ベストイレブン」はこれ



増田の選手権が幕を開けた。レフティーのキックが流通経済大柏を2007年以来18年ぶりの優勝に導く。



(取材・文・写真:浅野凜太郎)

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