今年10月に決定した欧州の一部リーグ戦の海外での実施。
スペイン・リーガエスパニョーラではビジャレアル対バルセロナの試合がアメリカ・マイアミで、イタリア・セリエAではACミラン対コモの試合がオーストラリア西部の都市、パースで実施予定だった。
この背景には、今冬に実施予定の2026ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの会場として、ACミランの本拠地であるサン・シーロが一部使われるという事情のほか、財政的にも大きな利益が見込まれていることもあった。
イギリス国営メディア『BBC』によると、UEFAによって“しぶしぶ”承認されたこの計画はAFCとの条件面での困難こそあったものの、今週まで実施の方向で進んでいた。
しかしながら22日、セリエAのエツィオ・シモネッリ会長はオーストラリアでの試合実施の中止を発表した。
「ここ数時間でオーストラリアサッカー連盟、ひいては西オーストラリア州政府とセリエAフットボールリーグに対し、AFCからさらなる容認できない要求がエスカレートしたため、2月8日にパースで予定されていたミラン対コモ戦の開催は不可能になりました。このプロジェクトの結果を残念に思う一方で、この結論はイタリアサッカーの国際的な発展にとって機会損失であり、また海外の多くのセリエAファンからお気に入りのチームの試合を生で観戦するという夢を奪うものであると確信しています」
海外でのリーグ戦に関しては、選手やサポーター団体から反対の声が多数報じられていたほか、上述したビジャレアル対バルセロナの試合も今年10月には中止が発表されていた。
UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長は「リーグ戦はホームで行われるべきだ。我々の約束は明確です。それは、各国リーグの完全性を守り、サッカーがその自国環境に根ざし続けるようにすることです」と語り、クラブが地域に根差すことの重要性を語っている。
近年ではシーズン開幕前のアジアツアー、アメリカツアーも珍しくなくなったが、リーグ戦は多くの関係者にとって「聖域」であるということだろう。

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