
[キリンチャレンジカップ2025、男子日本代表 2-2男子パラグアイ代表、10月10日、大阪・パナソニックスタジアム吹田]
日本代表は2-2でパラグアイ代表に引き分け、3戦未勝利となった。
1-2でリードされていた後半44分に投入されたFW上田綺世(あやせ)は、自身の好調を結果で証明。
絶好調のストライカーが家族に恩返し弾
まさに絶好調のストライカーだ。
フェイエノールト(エールディビジ)で今季リーグ戦8戦8発中の上田は、日本代表の舞台でも結果を残した。
「短い時間だったので、こぼれ球とかチャンスに見えないものを仕留めないと結果を残せないと思っていたので、ああいう流れ球を狙っていました」
パラグアイ代表に先制点を許した日本代表。前半26分にはFW小川航基がボックス外から放った無回転ミドルシュートで同点にしたが、後半19分に再びリードされた。
パラグアイ代表の堅守を崩せないまま試合終了に近づいた。何とかして逆転したいサムライブルーは、1-2でリードされた後半44分に上田を投入。
「噛み合っている」と自身の好調を表現するストライカーは、クラブでの勢いそのままにワンチャンスで決め切った。
右サイドでフリーキックからのこぼれ球を拾ったMF伊東純也のクロスは放物線を描きながら大外で待っていた上田につながった。ストライカーは“待っていました”と言わんばかりにダイビングヘッドを突き刺し、日本代表の窮地(きゅうち)を救った。
同点弾を決めた上田(右)「仮に準備をしていても、そういう場面がこない試合もある。僕の今シーズンのリーグ戦もですが、こぼれ球がこぼれてきたり、狙っているところにクロスがきたりと、俗に言う“うまくいっている状態”です」
試合はそのまま2-2で終了。
試合後、上田はこの日のゴールが特別なものだったと明かした。なぜなら尊敬する両親が観戦していたからだ。
「普段から支えてくれる母や僕の憧れている父親も来ていました。短い時間でしたが、得点を取って恩返しを少しできたのは、達成感があります。いままでで一番うれしいですね」
「積み重ねたことが結果になっている」と、ついに覚醒したストライカーは強豪ブラジル戦でも両親にゴールを届ける。
(取材・文 浅野凜太郎)