ジェフユナイテッド千葉に移籍決断のMF津久井匠海「後悔だけはしたくなかった」引退の危機からはい上がった男がJ1で二桁得点へ

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J1ジェフユナイテッド千葉は9日、千葉市内のユナイテッドパークで明治安田J1百年構想リーグに向けた始動日を迎えた。



J1昇格プレーオフ(PO)を戦い抜き、17季ぶりのJ1復帰を決めた千葉は、J2のRB大宮アルディージャからMF津久井匠海を完全移籍で獲得。



POの準決勝でも対戦し、4-3で逆転勝利したライバルからの加入となった同選手は、RB大宮への想いと、千葉加入を決めた経緯を明かした。



ジェフユナイテッド千葉に移籍決断のMF津久井匠海「後悔だけはしたくなかった」引退の危機からはい上がった男がJ1で二桁得点へ
画像: RB大宮から千葉に移籍した津久井(写真:浅野凜太郎)

RB大宮から千葉に移籍した津久井(写真:浅野凜太郎)



RB大宮への感謝と人一倍の向上心



津久井は言葉を詰まらせた。古巣への感謝は一言では言い表せない。



「本当に色々と悩みました…。でも自分のこれからを考えたときに、どうすることが一番の成長につながるのかという部分が、大事な指標でした。RB大宮では半年間で本当に大きく成長させてもらいましたし、貴重な経験をさせてもらえました。本当に感謝しかない半年間だったんですけど…」と23歳はうつむきながら、RB大宮への想いを口にした。



J1横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2020年に同クラブでプロ契約を締結。世代別代表にも選ばれていた逸材のキャリアは順調に思われたが、壁にぶつかった。



横浜FMではリーグ戦の出場がないまま、2021年からJFLラインメール青森に2年連続で期限付き移籍。横浜へ帰還するために死に物狂いで戦ったが、2023年に当時J3のアスルクラロ沼津に期限付き移籍し、同シーズン限りで横浜の名門を去った。



「サッカーをやめないといけなくなるかもしれない」



エリートはキャリアの危機を感じていた。



ジェフユナイテッド千葉に移籍決断のMF津久井匠海「後悔だけはしたくなかった」引退の危機からはい上がった男がJ1で二桁得点へ
画像: 昨季のJ1昇格POで千葉と対戦した津久井(写真:縄手猟)

昨季のJ1昇格POで千葉と対戦した津久井(写真:縄手猟)



「JFLにいたときは、J1からの移籍だったのでギャップもあった。

自分の理想と現実が違って、本当に苦しかったシーズンでした」と振り返るほど困難な時期を過ごしたが、自身の力で下位カテゴリーからはい上がった。



沼津では加入初年度にリーグ戦29試合2得点を記録すると、2年目に大きく飛躍。38試合9得点の活躍を披露し、翌シーズンに当時J2水戸ホーリーホックへの加入をつかみ取った。



どん底を味わったからこそ、人一倍強い向上心を持っている。



昨季途中に水戸からRB大宮に移籍したときも、クラブやサポーターへの想いがあったからこそ迷ったが、自分の成長を第一に考えた。もちろん今回の移籍でも同じような葛藤があった。



シーズン終了後には他クラブからもオファーがあったものの、「最初は本当にRB大宮で『もう1年半やろう』と思っていた」とJ2で戦うつもりだった。



それでも「ジェフさんがオファーを出してくれた。やっぱり目の前にチャレンジできる場所があるときは、チャレンジをしろということだと思っている。その気持ちが強かったので、信じてここに来ました」と、津久井は悩んだ末に移籍を決めた。



23歳には、どうしてもかなえたい目標がある。



目指すは二桁得点



この日は自分からチームメイトたちに話しかけて、積極的にコミュニケーションをとっていた津久井。

また、全体トレーニング終了後も居残り練習に励むなど、やる気に満ちあふれていた。



「サッカー選手に終わりはないと思っている。ずっとチャレンジをしないといけない職業ですし、それがなくなったらサッカー選手としてダメなとき。また一からのスタートになりますし、ジェフもまたJ1でチャレンジャーだと思うので、自分もチャレンジャー精神でぶつかっていきたい」



ジェフユナイテッド千葉に移籍決断のMF津久井匠海「後悔だけはしたくなかった」引退の危機からはい上がった男がJ1で二桁得点へ
画像: 居残り練習に励む津久井(中央奥、写真:浅野凜太郎)

居残り練習に励む津久井(中央奥、写真:浅野凜太郎)



両サイドはもちろん、ワントップやツートップの一角でもプレーできる。またJFL時代にはサイドバックも経験しており、守備にも自信を持つオールラウンダーだ。



津久井自身も「特徴は推進力やどこでもプレーできるところ、あとは得点能力の部分だと思う。そこは全面的に出していきたいですし、どこのポジションを想像しても(千葉に)合っていると思う。ワクワクしています」と、期待がかかる。



目指すは自身初となるJリーグでの二桁得点だ。はい上がってきたキャリアの集大成を披露したい。



ジェフユナイテッド千葉に移籍決断のMF津久井匠海「後悔だけはしたくなかった」引退の危機からはい上がった男がJ1で二桁得点へ
画像: 期待がかかる津久井(中央、写真:浅野凜太郎)

期待がかかる津久井(中央、写真:浅野凜太郎)



ジェフとともにJ1の舞台に戻る津久井は「目指す場所」への想いを日に日に強くしている。



「一番は海外に行って日本代表になりたいという気持ちが強くある。

だから本当に、ここからスタートだという気持ちが強いです。自分は他の高卒プロより何年も出遅れている。だから年齢的に焦りもありましたし、若いうちに海外にチャレンジできるのも、あともう少しくらいだと思うんですよ。サッカー選手としての人生は短いです。いつケガをしてサッカーができなくなったり、引退するかどうかも分からない職業だと、身をもって感じている。



この短いサッカー人生でどう生きるかをずっと考えてきていて、目の前で選択を迫られたときにチャレンジをしない後悔だけはしたくなかった。チャレンジをし続けるのが自分だと思いますし、そういうサッカー人生を歩んでいきたい」



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覚悟の移籍をした津久井が、自身の目標に向かって再出発した。ジェフの背番号8は無限の可能性を秘めている。



(取材・文:浅野凜太郎)

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