
今季限りでリヴァプールを退任するユルゲン・クロップ監督。この9年間でチャンピオンズリーグやプレミアリーグを制覇するなど大きな結果を残した。
彼が就任したのは2015年10月。ブレンダン・ロジャーズ前監督が解任されたあと、シーズン途中での招聘であった。そして初めて指揮をとったトッテナム・ホットスパー戦では0-0のスコアレスドローとなっている。
今回は『Planet Football』から「ユルゲン・クロップ監督が初めて指揮したリヴァプールのスタメン11名」をご紹介する。
GK:シモン・ミニョレ
ユルゲン・クロップ監督が就任したときには誰もが認めるナンバーワンGKだったが、スーパーセーブが多い一方で安定感を欠いているタイプだったこともあり、その後ロリス・カリウスとアリソンにポジションを明け渡した。
2019年の夏に彼はリヴァプールを退団し、母国ベルギーの名門クルブ・ブルッヘへと移籍。現在も36歳でポジションを守り、リーグ3連覇に貢献している。
右SB:ナサニエル・クライン

国籍:イングランド
クラインは2015年夏にリヴァプールへと加入したばかりで、イングランド・プレミアリーグで屈指のサイドバックと評価されていた選手だった。代表にも選出され、これから2年間はユルゲン・クロップ監督にも信頼される存在だった。
ただその後大きな怪我をしてしまったこととアレクサンダー=アーノルドの台頭によってポジションを失い、2020年に退団。現在はユース時代を過ごしたクリスタル・パレスに戻ってプレーしている。
CB:マルティン・シュクルテル

国籍:スロバキア
ユルゲン・クロップ監督のリヴァプールでの始まりは、ある意味シュクルテルの終わりでもあった。彼は2008年に加入して長く主力を務めてきたが、年齢もあってこのシーズンがアンフィールドでの最後となった。
2016年夏にはフェネルバフチェへと移籍し、それからアタランタ、イスタンブールBB、そして母国に戻ってスパルタク・トルナヴァ、ハイスカラ・ラズトクノでプレーした。2022年限りで現役引退。
CB:ママドゥ・サコ

国籍:フランス
クロップ監督が就任したとき、ママドゥ・サコはフランス代表の主力の1人であり、1年前にはワールドカップでも全試合に出場していた。ただ2016年夏のアメリカツアーで規律違反をし、トップチームから追放されてしまった。
それからクリスタル・パレスへとローンで放出され、そのまま完全移籍。2021年までプレーした後、フランスに帰国してモンペリエに加入した。昨年10月に監督への暴行事件を起こして退団している。
左SB:アルベルト・モレノ

国籍:スペイン
このチームの中でリヴァプールサポーターからあまり人気がない選手の1人といえるかもしれない。将来有望な攻撃的サイドバックであったが、その一方で守備面の問題が全く改善されなかった。
2019年にビジャレアルへと移籍した後は怪我にも苦しめられたが、2021年のヨーロッパリーグ決勝ではマンチェスター・ユナイテッドを相手に活躍し、リヴァプールファンを喜ばせた。
MF:ジェームズ・ミルナー

国籍:イングランド
2015年のジェームズ・ミルナーは信頼性が高く、多才かつ安定感があり、ペナルティキックも得意であった。そしてあれから10年が経った今、彼はブライトンでプレーしている。
38歳になった今季は怪我もあって15試合の出場に留まったが、ギャレス・バリーが持つプレミアリーグ最多出場記録の653試合まであと20まで迫っている。来季この記録を更新できるだろうか。
MF:ルーカス・レイヴァ

国籍:ブラジル
アンフィールドではまさにカルトヒーローであり、地味ながらもその守備面での貢献は大きかったルーカス・レイヴァ。時にはセンターバックもこなすなど、チームで求められる役割を黙って果たした。
2017年にはラツィオへと移籍し、セリエAで5年間を過ごす。それからブラジルに戻ってグレミオに所属したが、不運なことに心臓病の影響により引退を余儀なくされた。
MF:エムレ・ジャン

国籍:ドイツ
様々なポジションをこなすユーティリティプレーヤーであったエムレ・ジャン。ユルゲン・クロップ監督就任から2018年まで、リヴァプールにとって最も重要な選手の1人であった。
ただフリーでユヴェントスに移籍してからはポジションを確保することに苦しみ、2020年1月にマンチェスター・ユナイテッドからのオファーを断ってボルシア・ドルトムントへ移籍した。それは彼にとって慧眼の選択であった。
右WG:アダム・ララーナ

国籍:イングランド
アダム・ララーナはユルゲン・クロップ監督就任からしばらくは重要な選手として起用されたものの、その後負傷が続いたことによって立場を悪化させてしまった不運な選手だ。
2019-20シーズンの終わりとともにリヴァプールを去り、それからブライトンへと移籍。36歳になった今季も継続的にプレーし、レギュラーとサブの両面で貢献している。
左WG:フィリペ・コウチーニョ

国籍:ブラジル
2015年当時、リヴァプールで最も大きなスター選手であったフィリペ・コウチーニョ。プレミアリーグで数々のファンタジーを見せつけ、攻撃の中心として活躍した。
2018年に1億5000万ポンドという強烈な移籍金でバルセロナへと移籍したときには「ネイマールの後継者」として期待されたが、それは全くうまくいかなかった。バイエルン、アストン・ヴィラを経てカタールのアル・ドゥハイルにローン移籍している。
FW:ディヴォック・オリギ

国籍:ベルギー
オリギのリヴァプールでの時代は波乱万丈だった。クロップ監督の下ではヴォルフスブルクへのローン移籍を経験するなど、信頼性の低さが目立っていた。しかしながら、チャンピオンズリーグ優勝に貢献する大活躍やマージーサイドダービーでの鮮烈なプレーにより、「意外性の男」としてカルトな人気を誇った。
2022年にACミランへと移籍したあとはセリエAでわずか2ゴールしか決められないシーズンを過ごし、今季はノッティンガム・フォレストへとローン移籍している。