逆転負けに頭を抱えたJ1浦和レッズMF長沼洋一「どうしたら良かったんですかね」と加入後初得点もチームの問題を指摘
逆転負けに頭を抱えたJ1浦和レッズMF長沼洋一「どうしたら良かったんですかね」と加入後初得点もチームの問題を指摘

[J1第27節、浦和レッズ 2-4柏レイソル、8月22日、千葉・三協フロンテア柏スタジアム]

7位浦和は3位柏と対戦。勝点3差で肉薄していたホームチームを破りたかったが、2得点差をひっくり返された。

MF長沼洋一は左サイドバックの位置で先発出場。加入後初得点となる先制弾でチームを勢いづけたが、試合後に笑顔はなかった。

頭を抱える敗戦を糧にできるか

「どうしたら良かったんですかね。難しいですけど」

うだるような暑さの中で行われた上位対決の後、長沼は頭を抱えていた。

前半5分にMFマテウス・サヴィオが放った左コーナーキックに対して、体勢を崩しながら長沼がヘディングで合わせて先制。「早い段階で得点を取れたので良かった」と浦和加入後初得点を仲間たちと祝福したが、後半は悪夢のような時間が続いた。

2得点をリードして迎えたセカンドハーフ、浦和は防戦一方となった。13本の被シュートを浴び、支配率は40パーセントを下回るサンドバッグ状態。敵陣にほとんど侵入させてもらえず、柏のポゼッションに圧倒された。

「直近数試合の中では一番暑かったと思いますし、自分たちの時間が短すぎた。柏はボールを持つのが上手いし、支配されるとは思っていましたが、支配されすぎた」と、イレブンは湿度64パーセントの中で守備に翻ろうされ続けた。

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守備に奔走した長沼

狙いのハイプレスは機能せず、セカンドボールも拾わせてもらえなかった。

黄色の波状攻撃は浦和イレブンの体力を削り取っていき、最終的には2点リードをひっくり返す4ゴールを奪われた。

後半途中に右サイドバックへポジションを移した長沼だったが、相手の攻撃を食い止められなかった。額に大粒の汗をかいた背番号88は「チームでは(ボールを)蹴って、セカンドボールを拾うという共通認識を持っていましたが、相手にその反応でも上回られたのがすべてです」と、きびしい表情で語った。

「柏みたいにというか。誰が出てもボールを握って、押し込んで時間を作るみたいなことができれば、違った展開になったかもしれません」

試合はそのまま2-4で終了。浦和DFダニーロ・ボザはレ―ガ―スを地面に叩きつけ、一部選手はゴール裏と衝突。DF石原広教はビブスで顔を覆い、マチェイ・スコルジャ監督は「フィジカル的にここまで状態が悪い試合はあまり記憶にありません」と吐露した。

次戦は27日午後7時から埼玉スタジアム2002で、FC東京(J1)と天皇杯準々決勝を戦う。

「ボールを握って、(試合を)コントロールできなきゃダメだと思います。選手だけでできる問題ではないと思うし、構造が大事だと思う。難しいですが、チームの戦術として落とし込んでいけば、改善できると思う」と、何としてもこの敗戦を糧にし、チーム一丸となって勝利をつかみ取りたい。

(取材・文 浅野凜太郎)

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