数年前から巨額の投資を繰り返し、世界のサッカーにおいて大きな存在感を示しているサウジアラビア。
国がバックに付いている公共投資基金(PIF)がアル・ヒラル、アル・ナスル、アル・イティハド、アル・アハリの4クラブの経営に関与し、数多くのスター選手を獲得してきた。
『Guardian』によれば、次なるビッグクラブとなる可能性が高いのが「ネオムSC」。
昨季2部リーグを制覇して初めての1部昇格を成し遂げたばかりであるが、このクラブもPIFによって支援されているチーム。
すでにサイード・ベンラハマやエンバイ・ディアーニュ、アハマド・ヘガジー、ロマリーニョら有名な外国人が所属し、ムハンマド・アル・ブレイクやサルマン・アル・ファラージなどのサウジアラビア代表選手も加入している。率いているのはかつて大分トリニータやジュビロ磐田を指揮したペリクレス・シャムスカだ。
そして、このクラブの面白いところは「まだ存在しない街のチーム」であることだ。
「ネオム」というのはサウジアラビアが現在タブーク州に建設している人工都市計画で、国の年間予算の25倍にあたる8.8兆ドル(およそ1400兆円)を費やす予定となっている。
このプロジェクトは2017年に発表され、2039年までの完成が予定されているもので、したがって実際にはまだ都市という形では存在していない。
ネオムSCはもともとアル・スコールという名前だったが、2023年にこのネオムプロジェクトが買収し、「まだ存在しない街のクラブ」という珍しい存在となった。現在はネオムSCの拠点もネオムプロジェクトの場所から東に209kmほど離れたタブークとなっている。
なお、今夏のマーケットではジョルジーニョ(アーセナル)、アンドレ・オナナ(マンチェスター・ユナイテッド)、ケヴィン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)などの獲得を狙っているとか。
まだ存在しない街のクラブが、サッカー界で存在感を示すようになるのか。新たなビッグクラブ、ネオムSCの動向は目が離せないものになりそうだ。