お笑いコンビ・ピースの又吉直樹氏が5月28日、公式YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』を更新。

人気企画「百の三」シリーズの「悩める30代に伝えておきたいこと」というテーマについて、自身の経験をもとに語った。

高校時代、サッカー部に所属しインターハイにも出場した経歴を持つ又吉氏。この日の動画では、「これだけは伝えとかなあかんな」と前置きした上で、「サッカーをした方がいいです」と断言した。

同氏がサッカーを勧める理由は、単なる運動ではなく、人生や仕事に通じる「思考」を鍛える手段になるからだという。

サッカーについて、「本当に多くの視点、思考を与えてくれる」と語る又吉氏は、サッカーと仕事の共通点をこう説明した。

「自分がボールを持っていない時、どうやったらボールをもらえるのか。相手がマークついてたら、味方はボールを出せない。まずはマークを外して、フリーの状態になる」

このプレーの考え方が、仕事においても活きるという。

「例えば仕事なら、『あいつ大変そうやな』『あいつに今頼んでも無理そうやな』となったらパスは来ない。『行けますよ』『いい攻撃の起点になりますよ』という顔、姿勢を見せることで仕事が舞い込んでくる」

このように又吉氏は、サッカーで培った考え方が、仕事における立ち回りやチャンスの掴み方にも通じると考えているようだ。

また、同氏はサッカーにおける難しさや緊張感も、社会での生き方と重なると説く。

「誰もいないところでプレーするのは簡単。敵がいたら難しさが10倍に膨れ上がる。

仕事でもそうで、何もストレスや負荷がない状態だったらできるけど、ちょっとでも要素が加わると本来のパフォーマンスが発揮できない人はいっぱいいる。そういう人は、工夫しないといけない。プレーゾーンを見極めるとか、普段どうトレーニングしたらいいのか、みたいにサッカーに置き換えれる」

サッカーの難しさが現実の重なるからこそ、その中に成長のヒントが隠されているのだという。

こうした「サッカーに置き換える」という発想には、どのような効果があるのかと問われた又吉氏。同氏は「置き換えることで、整理できる」と答えた。

「例えば、現実で『みんな自分に気づいてないな、注目してないな』と思った時、どうすればいいかあまりわからないじゃないですか。目立ちたいけど、どう目立てばいいのかを考えるのはなかなか難しい。サッカーをやっていると、『ここはスペースがないからパスが来ないんだ。じゃあ一回大外まで開いてみよう』という思考になる。そこで『あいつはこういうプレーができるんだ』とみんなにわかってもらえる」

最後に、又吉氏はサッカーがいかに“現実に似ている”かを熱を込めて語った。

「この社会で生きていくということ。敵もいるし、味方もいる。

味方がいても孤立することもある。サッカーは現実世界で起こることのシミュレーションになっている。めちゃくちゃ現実に似ているから、無意識のうちに共通点を見出して、サッカーに夢中になる」

自身の経験と哲学を交えながら語られた、又吉氏ならではの人生論。

「サッカーをした方がいいです」という言葉の裏には、単なるスポーツの勧めを超えた深い意味が込められていた。

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