近年、世界中のスポーツファンを悩ませる「試合中継のサブスク代」問題。
日本でもJリーグ等の放映権を有する『DAZN』の相次ぐ値上げなどに対し、Jリーグファンからの不満の声が増えてきているほか、野球の世界大会WBCの放映権を『Netflix』が独占したことがメディア界を巻き込む社会問題になっている。
隣国・韓国でもこの問題は深刻なようだ。韓国紙『スポーツコリア』は「“無料”スポーツはもはや存在しない」という見出しと共にこの問題の現状を報道した。
日本と同様、野球とサッカーが共に人気の同国では、両競技の国内リーグだけでなく、イ・ジョンフやキム・ハソンらが活躍するメジャーリーグ(MLB・野球)やファン・ヒチャン(ウルヴァーハンプトン所属)が活躍するプレミアリーグ、今季からロサンゼルスFCに移籍したソン・フンミンが活躍するMLSなど、世界中のリーグの試合を観たいと考えるスポーツファンも多い。
しかしながら同紙によると、これらの試合を韓国国内で視聴する場合、最低でも月額3万ウォン(約3000円)、最大で8万ウォン(約8000円)程度の支払いが必要だという。
欧米諸国とは異なり、日本同様地上波での無料でのスポーツ視聴文化が強かった韓国。こうしたスポーツ中継のサブスクリプションサービスが本格化した時期は、ソンフンミンがトッテナムで活躍し始めた2010年代後半から2020年代前半だ。そして現在では、多くの競技において、サブスクリプションサービスでの試合観戦が一般的になっている。
また、近年Kリーグではサッカー系YouTuberに対して中継映像の販売を許可する動きが始まっているという。
しかしながら、オリンピックやW杯といったイベントで、サブスクリプションへの加入が必須になることはないと同紙は論じている。
韓国の放送法においては「普遍的視聴権」が保障されている。これは国民からの関心度が高いオリンピック、W杯といった国際大会に関する中継を国民が視聴できる権利である。
スポーツファンを悩ませる中継問題、円満解決の日は来るのだろうか。