アルゼンチンメディア『infobae』は27日に、現役時代は同国1部のエストゥディアンテスなどで活躍したフアン・ラモン・ベロン氏が、ブエノスアイレス市内の病院で息を引き取ったと伝えた。81歳だった。

晩年は健康状態が悪化し、腎臓の合併症と進行性の病状悪化に苦しみ、入院していたという。

ベロンは現役時代、エストゥディアンテスのサポーターから『ラ・ブルッハ(魔法使い)』と称されたアタッカーで、1968年、1969年、1970年には中心選手としてクラブのコパ・リベルタトーレス3連覇に貢献。同クラブの黄金期を象徴するスター選手だった。

エストゥディアンテスでは公式戦324試合に出場して90得点を挙げた。

また、1966年に期限付き移籍でプレーしたエルサルバドル1部アリアンサFC時代には、ペレ率いるブラジル1部の強豪サントス相手に得点を挙げて2-1で勝利を収める大金星の立役者となった。

2002年にアルゼンチン代表として日韓ワールドカップに出場したフアン・セバスティアン・ベロン氏は、ラモン・ベロン氏の息子であり、現在は親子二代で活躍したエストゥディアンテスの会長を務めている。

エストゥディアンテスは同氏の訃報を受け、公式ホームページで以下のコメントを発表した。

「フアン・ラモン・ベロンの遺産は、いまも息づいている。

彼はエストゥディアンテスというクラブの本質そのものだった。質素で思いやりがあり、礼儀正しく、そして深く献身的。謙虚さを美徳とし、クラブへの誇りと帰属意識を旗印として生きてきた真の模範だった。

ありがとうブルッハ。

声高らかに語ることなく、本当のリーダーシップとは『行動で示すこと』だと教えてくれたあなたに感謝しています。そして、エストゥディアンテスは『見返りを求めずに、すべてを捧げる場所』だということも」

『ラ・ブルッハ』の魂は、これからもエストゥディアンテスの歴史とともに生き続けることだろう。

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