圧巻の日本代表MF久保建英、「おのずと僕が巻くことになる」と腕章を身に付けた背番号10が1G2Aでインドネシア代表撃破
圧巻の日本代表MF久保建英、「おのずと僕が巻くことになる」と腕章を身に付けた背番号10が1G2Aでインドネシア代表撃破

[FIFAワールドカップ2026アジア最終予選(3次予選)第10節、男子日本代表 6-0 男子インドネシア代表、6月10日、大阪・市立吹田サッカースタジアム]

既に8大会連続8度目のW杯出場を決めている日本代表は、4位のインドネシア代表に6-0で大勝し、最終予選のグループCを7勝2分1敗の首位で突破した。

この試合で、キャプテンマークを巻いたMF久保建英(スペイン1部レアル・ソシエダ)は攻守で躍動。

1得点2アシストを記録し、背番号10の重みをピッチ上で表現した。

キャプテンマークを巻いた背番号10が躍動

まさに日本のエースと呼べる活躍だ。

この日、日本代表で自身初のキャプテンマークと、背番号10をまとった久保は「ちょっと緊張した」と笑みを浮かべた。

「(森保一監督から)『ゲームキャプテンを任せてもいいか』と言われて、『はい』という感じでした。まずは信頼に応えたかったですし、これで負けたらやばいなと思っていました」

5日に行われたオーストラリア代表戦は試合終了間際に決勝点を許し、0-1で敗北。今回のアジア最終予選における初黒星を喫したサムライブルーは、先発組を9人入れ替えて試合に臨んだ。

アジア最終予選で3試合ぶりに先発復帰した久保はここまで8試合に出場し、2得点4アシストを記録していたが、第5節のインドネシア代表戦(4○0)は出番がなく、背番号10を背負って挑んだオーストラリア代表戦は途中出場となっていた。

久保は「(試合に)出させてもらっているからこそ、期待に答えて当たり前」と気迫のこもったプレーを披露した。

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チャンスメイクをし続けた久保

試合は立ち上がりから、ホームチームが攻勢を強めた。

前半15分に左サイドでボールを受けたMF三戸舜介(オランダ1部スパルタ・ロッテルダム)がクロスを供給。ボックス内に飛び込んだMF鎌田大地(イングランド1部クリスタル・パレス)が頭で合わせて、決勝点となる先制弾を決めた。

勢いに乗ったサムライブルーは前半19分にゲームキャプテンが追加点を奪取。

左サイドのショートコーナーからボックス内に侵入した久保は角度のないエリアから左足でシュートを放った。

これは惜しくも相手ゴールキーパーに止められたが、背番号10はこぼれ球を素早く回収。混戦の中で右足を力強く振り抜き、ゴールに突き刺した。

圧巻の日本代表MF久保建英、「おのずと僕が巻くことになる」と腕章を身に付けた背番号10が1G2Aでインドネシア代表撃破
圧巻の日本代表MF久保建英、「おのずと僕が巻くことになる」と腕章を身に付けた背番号10が1G2Aでインドネシア代表撃破

久保はW杯出場を決めたバーレーン代表戦(2○0)以来となるゴールに「10番を背負った試合で結果を残すことができて、すごくホっとしています」と安堵(あんど)した。

「あれはデザインされたやつです。こぼれ球がこぼれてきたので、そこからは『もう入った』と思って、冷静に押し込みました」

ナイスキャプテンであり続けた24歳が見据えるW杯優勝

自身の価値をゴールで証明した背番号10はアシストでも見せた。

2-0で迎えた前半終了間際の51分に、ピッチ中央でボールを受けた久保は『ここだ』と言わんばかりの見事なパスを鎌田に供給し、鎌田の2得点目をアシストした。

日本のエースは後半も躍動。さらに1得点を追加して4-0で迎えた後半13分には、ボックス内中央でふわりとした浮き球パスを相手ゴールキーパーと相手ディフェンダーの間に落とし、最後はFW町野修斗(ドイツ2部ホルシュタイン・キール)が左足で押し込んだ。

その後もサムライブルーの背番号10は、極上のチャンスメイクで攻撃をけん引。守備では「帰陣の部分で、僕が悪い意味で目立たないようにしようと心がけていました」と身体を張り続け、日本の新しい背番号10として君臨し続けた。

圧巻の日本代表MF久保建英、「おのずと僕が巻くことになる」と腕章を身に付けた背番号10が1G2Aでインドネシア代表撃破
圧巻の日本代表MF久保建英、「おのずと僕が巻くことになる」と腕章を身に付けた背番号10が1G2Aでインドネシア代表撃破
攻守に奮闘した久保

圧巻のパフォーマンスを披露した久保は後半24分にMF佐藤龍之介(J1ファジアーノ岡山)と途中交代でピッチを去り、会場からは大きな拍手が送られた。

試合は6-0で日本代表が大勝。

1得点2アシストを記録したエースは「楽な相手はいないと思うので、どんな相手でもきょうみたいに違いを見せることで、ワールドカップでも日本を助けられる」とさらなる成長を誓った。

今月4日に24歳の誕生日を迎えたばかりの男が見据える先はW杯優勝だ。試合後には森保監督から「ナイスキャプテン」と背中を叩かれたというが、しばらく腕章を巻くつもりはないと話した。

圧巻の日本代表MF久保建英、「おのずと僕が巻くことになる」と腕章を身に付けた背番号10が1G2Aでインドネシア代表撃破
圧巻の日本代表MF久保建英、「おのずと僕が巻くことになる」と腕章を身に付けた背番号10が1G2Aでインドネシア代表撃破
背番号10とキャプテンマークをまとった久保

「これから4年くらいは(キャプテンマークを)巻かないと思います。ここからはそんな余裕もないので、ひとまずきょうの思い出として(心に)しまっておきます。

そのうち(代表歴が)長くなってきたら、おのずと僕が(キャプテンマークを)巻くことになると思います。だけどいまは別にキャプテンをやりたいわけではないので、みんなから『(キャプテンを)やれ』と言われれば、やるという感じです」

アジア最終予選を有終の美で終えた日本代表は、来年に控えたW杯に向けて動き出す。久保は「最終予選で勝ったからといって、世界との距離が縮まったかどうかは分からない。これからのシリーズで、また(日本代表の強さを)推しはかっていきたい」と、強敵たちの対戦を心待ちにしている。

(取材・文 浅野凜太郎)

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