
[天皇杯2回戦、柏レイソル 0-2東洋大、11日、千葉・三協フロンテア柏スタジアム]
J1柏レイソルは全日本大学選手権(インカレ)優勝のアマチュアシード東洋大に0-2で敗れて、1995年大会以来となる30年ぶりの2回戦敗退となった。
今季公式戦2度目の先発出場となったGK松本健太は、積極的な飛び出しや鋭い反応を生かしたセービングでチームのピンチを救ったが、母校にアップセットを許した。
好プレー連発も「結果がすべて」
柏の同大会初戦となったきょうの相手は、松本が2019年まで4年間在籍した東洋大だった。
柏の守護神は「(母校は)4年間、自分をすごく成長させてくれた大学でもあるので、プロとアマチュアとはいえ、特別な対戦でした。本当に一生に一度あるかないかぐらいの対戦だったと思う。そういう意味では特別な気持ちでした」と想いを語った。
インカレ王者は、松本の予想に反して深い位置でブロックを構える守備的な戦い方で対抗した。
「今週の関東リーグの映像だったり、僕が在籍していたときの印象でも、(東洋大は)基本的にボールを握ってゲームを支配したい大学なので、そういう意味では向こうも勝ちにこだわって、多少やり方を変えてでも我慢強くきょうの戦い方に徹していたのかな」と、母校の戦い方を熟知する松本でも相手の戦い方が想定外だったと明かした。

試合は終始柏がボールを握る展開が続くも、相手の粘り強い守備とロングカウンターに苦しめられた。激闘は90分で決着がつかず延長戦へと突入すると、同後半にカウンターから2失点を喫した。
「思いきりブロックを敷いた相手に対して自分たちがどこにボールを動かして、どう相手を動かして前進していくのかという部分がピッチ内でうまく解決できなかった」と攻略法を見出せなかった。
結果的に0-2で敗れたが、攻撃に精彩を欠くチームの中で、松本は見事なセービングで何度もチームを窮地(きゅうち)から救い、最後尾で孤軍奮闘した。ゴール裏の柏サポーターからも「おー!」と歓声が度々上がった。
それでも松本は「自分たちがボールを持っている中で、なかなか決定機を生かせずに(いると)、ああいうところでピンチが来るというのは想定内。

今季は未だにリーグ戦で出場機会を得られていない松本。再び正守護神の座を奪うために、きょうの敗戦を糧にしたい。
柏の背番号46は「チームとしても、個人としてもプレー・内容の云々はありますけど、自分が出た試合で勝たないと評価につながらない。相手がどこであろうと勝ってこその世界だと思う。自分のいい対応などもありましたけど、結果負けているというところにフォーカスを当て、そこを真摯に受け止めて、いままで以上にやっていくしかないと思います」と決意を示した。
悔しい敗戦を胸に刻んだ男は、次なる戦いへと静かに闘志を燃やしている。
(取材・文・写真 縄手猟)