
2028年に行われるロス五輪世代の中で、A代表デビューを果たした選手がついに現れ始めた。
佐藤龍之介が北中米W杯アジア最終予選で史上4番目の若さ(18歳237日)で出場を果たすと、E-1選手権ではピサノアレックス幸冬堀尾、そして大関友翔も次いで代表デビューを果たしている。
現時点でA代表に選出されたロス世代はこの3人だけだが、彼らの活躍は“次世代の日本代表”の到来を予感させるには十分だ。
だが、注目すべきロス世代の才能は他にも多く存在する。本記事では、E-1代表に名を連ねなかったものの、今後の飛躍が期待されるロス五輪世代の若手たちに焦点を当てていく。
市原吏音(RB大宮アルディージャ)
生年月日:2005年7月7日(20歳)
ポジション:センターバック
ロス五輪世代のキャプテンを務める市原吏音は、空中戦での強さやビルドアップが特徴的なクレバーなセンターバックだ。
いわゆる読みが鋭い選手であり、出足の良さや空いたスペースを相手より先に埋めるというプレーも多々見られる。
2023年7月12日の天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会3回戦セレッソ大阪戦にクラブ史上最年少となる18歳と5日でのトップチームデビュー。
そのままチームのスタメンに定着し、同年は高校生ながらJ2リーグ17試合に出場した。
中島洋太朗(サンフレッチェ広島)

生年月日:2006年4月22日(19歳)
ポジション:セントラルMF
中島はクラブ史上最速となる17歳4ヶ月でサンフレッチェ広島トップチームとのプロ契約を締結した逸材だ。
ポジションは攻撃的MFと守備的MF。状況判断に優れ、独特のターンやタッチで中盤を制圧、一本のパスで展開を大きく変えるプレーを得意とする。
2024シーズンには頭角を表し、J1リーグ12試合に出場。2025シーズン直前のFUJI XEROX SUPER CUPでは先発フル出場で圧巻のプレーを披露。チームの優勝に貢献した。
4月2日の鹿島戦で負傷し長期離脱を強いられるも6月22日の横浜FC戦で復帰を果たし再起を図る。
神田奏真(川崎フロンターレ)

生年月日:2005年12月29日(19歳)
ポジション:FW
静岡学園出身のストライカーは身体能力やシュート精度が特徴のボックスで仕事ができるFWだ。
タイミングの良い抜け出しやクロスに対するポジショニングに秀でており、そのゴールへの貪欲さから良い意味で静学らしくないとの声も。
先日トッテナムへの移籍が発表された高井幸大も神田の動き出しやゴール前の嗅覚を高く評価しており、これからの得点量産に期待がかかる。
髙橋仁胡(セレッソ大阪)

生年月日:2005年8月16日(19歳)
ポジション:左サイドバック
名門FCバルセロナの下部組織出身の髙橋は2024シーズンにセレッソ大阪に加入した。
初年度は出場機会に恵まれなかったものの、2025シーズンにセレッソ大阪での定位置を掴むと、日本人離れした推進力でサイドを駆け上がり、チャンスを量産。
6月1日の清水エスパルス戦ではJ1初ゴールを記録した。カンテラ育ちのサイドバックが日本代表まで駆け上がるのもそう遠くないのかもしれない。
残念ながら先月、右第5中足骨骨折で離脱してしまったが早期の復帰を期待したい。
神代慶人(ロアッソ熊本)

生年月日:2007年10月25日(17歳)
ポジション:FW
17歳にしてすでにJリーグで9ゴールを上げてるストライカーは、両足からパンチのあるシュートを放てることが最大の特徴だ。
高校生離れしたキック力に加え、左右どちらからも様々な球種を蹴り分ける技術、エリア外からでも迷わずシュートを放てる大胆さも彼の魅力だ。
同じユースに所属した1歳年上のFW道脇豊はすでにヨーロッパでプレーしている。
“熊本の至宝”と呼ばれる神代もすぐに後に続くだろうが、その前に電撃的な日本代表入りもあるかもしれない。
A代表デビューを果たしたロス世代はまだ一握り。だが、代表入りへの扉は確かに開かれ始めている。