横浜F・マリノスは2日、元日本代表MF山村和也がウロンゴン・ウルブスFC(オーストラリア)へ完全移籍をすることが決定したと発表した。
35歳の山村は、国見高校から流通経済大学を経て、2012年に鹿島アントラーズでプロ入り。
188cmと長身でマルチな才能を持っていたが、適性ポジションに苦労。2016年に移籍したセレッソ大阪でユン・ジョンファン監督のもと、トップ下としてようやくブレイクを果たしている。
その後は2019年に川崎フロンターレ、2023年に横浜F・マリノスへ移籍。主にバックアッパーの役割を担ったが、8月25日に海外移籍を前提とした手続きと準備のため、チームを離脱することが発表されていた。
35歳にして初の海外挑戦となる山村のコメントはこちら。
「オーストラリアのウロンゴン・ウルブスFCに移籍することになりました。
1年8ヶ月という期間、横浜F・マリノスの一員として皆さんと共に過ごした日々は忘れません。なかなかピッチで共に戦う事ができなかったこと、本当に申し訳なく思っています。
オーストラリアの地で力をつけてきますので、また何かのかたちで貢献できれば幸いです。約2年間、本当にありがとうございました。今後の横浜F・マリノスの飛躍を心より願っています」
移籍したウロンゴン・ウルブスも山村の獲得を発表。
ウロンゴン・ウルブスは、オーストラリア2部相当のナショナル・プレミアリーグス(NPL)に所属。NPLは、オーストラリア各州連盟における最高峰の州リーグだ(※Aリーグとの昇降格は無し)。
NPLは、オーストラリア首都特別地域、ニューサウスウェールズ、ノーザンニューサウスウェールズ、クイーンズランド、サウスオーストラリア、タスマニア、ビクトリア、ウェスタンオーストラリアの8つのディビジョンに分かれている。
ウロンゴン・ウルブスが入っているニューサウスウェールズは、シドニーを中心に計16チームが在籍。過去に山村と同じ元鹿島アントラーズの田代有三や野沢拓也が在籍していたことでも知られるクラブだ。
先日終了した2025シーズンの成績はリーグ8位。なお、今年8月に元オーストラリア代表でクラブOBのルーク・ウィルクシャーが監督に就任している。
ウィルクシャー監督は新戦力の山村について、「(山村)和也はJ1リーグで数々のタイトルを獲得してきた勝者であり、アジア最高レベルでの豊富な経験をもたらしてくれる。彼のリーダーシップと技術的なクオリティは、我々の選手権において極めて重要であり、2026シーズンに向けて大きな後押しとなるだろう」とコメント。
多彩な能力を持つ山村がオーストラリアの地でどのように起用されるのか注目される。