サッカー界でおなじみになったVAR(ビデオアシスタントレフェリー)。
世界的に導入がされて数年が経った現在も、VAR判定についてたびたび議論になることがある。
そのような中、イギリスメディア『BBC』の取材を受けたハワード・ウェブ元審判員は、「(VAR適応範囲の)延長の可能性について議論が必ずあるだろう」と語った。
ウェブ氏は、2003年から2014年まで主にプレミアリーグの試合を裁いた名審判だ。
国際大会では、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)2009-10決勝のバイエルン対インテルの試合のほか、2010FIFAワールドカップ(W杯)決勝オランダ対スペインの試合などを担当。CL決勝とW杯決勝の両方で主審を務めた史上初めての人物となった。
現在は、イングランドのプロ審判協会(PGMOL)の最高審判責任者を任されている。
ウェブ氏によると、国際サッカー協会理事会はVARの運営方法を見直しており、VAR適応範囲の延長について「議論にオープン」であるという。
同氏は「特定のシチュエーションでVARをより広範囲に使用するべきと考える人もいますが、そうするべきではないと考える人もいます」と前置きし、議論に前向きな姿勢を示しながらも、慎重に考える必要性もあると主張した。
「(観客が)試合に影響を与える可能性がある誤って提示されたイエローカードについて話しているなら、誤って提示されたイエローカードについても考えなければなりません。明らかに間違って与えられたコーナーキックの影響と、誤って提示されたイエローカードの影響は理解しています。しかし、同様に大きな状況で明らかなエラーを修正するためにVARが存在しているという感覚もあります」
2025-26シーズンのプレミアリーグでは、主審によるVAR判定の場内アナウンスや、GKのボール保持時間が8秒になるなど、新しいルールが適応される。
現代サッカーの進歩として革新的な技術であるVARシステムだが、それでも万人が納得のいく運用の仕方についてはまだまだ議論の余地がありそうだ。