
イングランド・プレミアリーグは世界最高峰のサッカーコンペティションとして知られているが、財政基盤のみならず、その育成組織の充実ぶりも大きな要素である。
今回は『GMS』がランク付けした「プレミアリーグ史上最高のアカデミーランキング」を特集する。
5位:マンチェスター・シティ
輩出した主な選手:フィル・フォーデン、ショーン・ライト=フィリップス、コール・パーマー、カスパー・シュマイケル、ダニエル・スタリッジなど
現在の責任者:トーマス・クリュッケン
ジョゼップ・グアルディオラ監督に率いられているマンチェスター・シティは、長くその戦術的なサッカーを基盤として圧倒的な強さを誇っている。その優位性を保つためにアカデミーの強化も進んでいる。
2014年には最新設備のクラブハウスも完成しており、その中でフィル・フォーデンやコール・パーマーも育成された。彼らは現在プレミアリーグでもトップクラスのタレントだ。
ただ、UAE資本が入る前からシティのアカデミーは有力なタレントを輩出しており、ダニエル・スタリッジやカスパー・シュマイケル、キーラン・トリッピアらもプレミアリーグで活躍した選手たちだ。
4位:アーセナル

輩出した主な選手:ブカヨ・サカ、セスク・ファブレガス、アシュリー・コール、ジャック・ウィルシャーなど
現在の責任者:ペア・メルテザッカー
アーセナルの「ヘイル・エンド・アカデミー」は長い歴史を誇るが、特に近年では技術重視の美しいサッカーができるタレントを育てるという哲学で知られている。
最も大きな至宝は現在トップチームの主力になっているブカヨ・サカ。8歳で加入し、2018年にデビュー。左利きのウイングながら、最終ラインなど様々なポジションで経験を積み、若くして成熟したプレーを見せるタレントになった。
トニー・アダムス、アシュリー・コール、ジャック・ウィルシャーなど、多くの名選手を輩出してきた。セスク・ファブレガスのように、若くしてトップチームで活躍し、後に世界的な選手に成長したケースもかなり多い。
3位:リヴァプール

輩出した主な選手:トレント・アレクサンダー=アーノルド、スティーヴン・ジェラード、ジェイミー・キャラガー、スティーブ・マクマナマン、マイケル・オーウェン
現在の責任者:アレックス・イングルソープ
リヴァプールのアカデミーは地元マージーサイドの伝統を重視しながらも、近年は現代的なタレントを数多く輩出している。象徴的なのはスティーヴン・ジェラードの存在だ。
ただ、他にもスティーヴ・マクマナマンやマイケル・オーウェンなど数多くの名選手が育っており、コンスタントにスターを生み出してきた歴史がある。
さらに近年はトレント・アレクサンダー=アーノルドが右サイドバックとして世界有数の存在になっており、カーティス・ジョーンズも昨季ついにブレイクを果たした。
2位:チェルシー

輩出した主な選手:リース・ジェームズ、ジョン・テリー、デクラン・ライス、ルーベン・ロフタス・チーク、ジャマル・ムシアラなど
現在の責任者: グレン・ファン・デル・クラーン
マンチェスター・シティのアカデミーでヘッドコーチを務めていたグレン・ファン・デル・クラーン。彼が昨年ディレクターに就任したのがチェルシーのアカデミーだ。
ロマン・アブラモヴィッチ体制になった2000年代初頭から育成に力を注ぎ、下部組織専用の練習設備を完備したほか、若手を伸ばすためのシステムも構築した。
最大の成功例はジョン・テリーであると言えるが、それ以外にもメイソン・マウントやリース・ジェームズ、トレヴォー・チャロバーら数多くの若手がイングランド代表に昇り詰めている。
1位:マンチェスター・ユナイテッド

輩出した主な選手:ポール・スコールズ、ライアン・ギグス、マーカス・ラッシュフォード、デイビッド・ベッカム、ギャリー・ネヴィル
現在の責任者:ニック・コックス
マンチェスター・ユナイテッドは、1937年から4000試合連続でアカデミー出身選手をメンバーとして帯同させているという驚異的な記録を持っている。
その象徴と言えるのは「クラス92」。ギグスやベッカム、ネヴィル兄弟、バットなどのアカデミー出身選手がクラブの黄金期を支え、ファーガソン監督の下で伝説的なチームを作り上げた。
近年はやや他のチームに押されてはいるものの、マーカス・ラッシュフォードやスコット・マクトミネイ、コビー・メイヌーらを輩出している。
※選出基準は、各選手の実績に基づきながら筆者またはメディアの主観的判断も含んでおります。