近年、政府系ファンドによる破格の投資で世界的スターをかき集めているサウジアラビアの国内リーグが今シーズンの戦いを終えた。
クリスティアーノ・ロナウドら所属するアル・ナスルは3位に終わったが、勝点をめぐる裁定が物議を醸している。
アル・ナスルは2月28日に行われたアル・オルバ戦に1-2で敗れたが、相手選手の出場資格に違反があったと訴えていた。
『Kooora』などによれば、アル・ナスルは、アル・オルバの34歳GKは、別の仕事もしているため、プロ規定違反だと抗議していたという。
当初、サウジリーグは「プロ選手登録は合法」として訴えを却下していたが、その後、アル・ナスルがサウジスポーツ仲裁センター(SSAC)に控訴。
このほど、サウジにおけるスポーツ紛争の最高司法機関であるSSACは、アル・ナスルの訴えを支持して、アル・オルバGKの出場はプロ規定違反にあたるとの判断を下したそう(政府職員、公務員だという話も)。
そして、勝点3の剥奪(当該試合はアル・ナスルが3-0で勝利と判定)と罰金5万リヤル(190万円)の処分を科したとのこと。
アル・ナスルは勝点3が追加されたものの、ACLE出場圏内となる2位には届かず。一方、勝利を取り消されたアル・オルバは、2部降格となっている(勝点剥奪がなくても降格していた)。
そのアル・オルバは、SSACの決定に異議を唱えている。
「スポーツシステムの安定性を脅かし、仲裁の公正性の原則に疑問を投げかけるもの」であり、「この決定はFIFAが承認した解釈を無視している。その解釈では、選手が契約を履行し、スポーツ活動に対する報酬を得ている限り、他の職業に従事していても、プロとしての地位を否定するものではない」などと主張。
34歳のGKは今季3試合にしか出場しなかったが、アル・ナスル戦ではチームを勝利に導く活躍を見せていたそう。