
[J2第21節モンテディオ山形 1-2 V・ファーレン長崎、6月28日、NDソフトスタジアム山形]
山形は長崎に1点差で敗れ、今季2度目のリーグ戦2連勝を逃した。
前半はシュートがペナルティキック1本に終わり、後半はシュート7本を放つも結果に結びつかず。
新体制黒星発進も
横内監督の初陣はほろ苦いものとなってしまった。
この日初めて山形の指揮を執った横内監督後方から正確なビルドアップで攻撃を組み立てながら、サイドアタックで長崎ゴールを脅かしたが、相手の堅いブロックを中々突破できなかった。
前半39分に先制を許すも、同48分にFW藤本佳希(よしき)がペナルティキックを沈めて同点に。だが後半17分に決勝点を沈められて惜敗した。
横内監督は「PKで追いついて、後半ギアを上げたかったのですが、私が思うほど上がらず。相手を脅かすシュートシーンや決定機を作ることができませんでした」と落胆した。
この日先発した山形MF氣田亮真も鋭いドリブルからのカットインやクロスで相手DFを翻ろうしたが、惜しくも堅守に阻まれてしまった。

「悔しいし、勝てるチャンスがあるゲームだったと思います。前半の立ち上がりは僕の右サイドから、何本かクロスを上げてチャンスになりかけたシーンがありましたし、あと一歩かなというところでしたけど、チームとしてもう少し整理していかないといけないと思います」と視線を下げた。
1勝を届けたい、その思いが一層強くなりました
25日に就任したばかりの新指揮官は、わずかな時間でチームの立て直しを求められる状況だった。
守備面の見直し、攻撃面の改善など現在16位と低迷する山形を浮上させるには多くの課題が山積している状況だ。
それでも新指揮官はこのチームに根付かせたいコンセプトは明確にある。

「これまでいろいろな監督さんが積み上げたものを壊すつもりもないですし、僕のサッカー観と共感する部分も非常に多い。そこは継続しながら、どうやって最終ラインを突破してゴールを奪うかをもう少しフォーカスしていきたい。
きょうはまだデータを見ていないですし、映像もあまり観ていないので分からないですけど、シュートシーンはそんなに多くなかったと思います。ボールは握れているけれど、そこまで行けていないことが、これまでも多かったのか。きょうはそこを感じました。そういう部分で『フィニッシュで終わる、ゴールで終わる』シーンをもう少し多く作りたい。
あとは失点数。7試合連続で失点しているところ。ここを減らさない限り、我々が順位を上げていくのは難しいと感じています。そこは僕以上に選手たちも感じているので、そこに目を向けて取り組んでいきたいと思っています」と改善したいポイントを口にした。
ジュビロ磐田監督時代にNDソフトスタジアム山形で山形と対戦した際に、サポーターの熱い応援を嫌がっていたと明かした横内監督はこの日の声援に胸を打たれていた。

それだけに「(サポーターの声援は)心強いという一言です。
船出の始まりは苦しいものとなってしまったが、2023年シーズンにJ2へ降格した磐田をJ1復帰へと導いた指揮官に、ファンから多くの期待が集まっている。来月6日午後7時に開催される次節アウェイ愛媛FC戦で白星を挙げて、反撃の狼煙をあげる。