
サッカー選手としてのキャリアは短いものだと言われており、非常に長くプレーを続けた人物でさえほとんどは30代なかばでピッチを去らなければならなくなるものだ。
しかしながら、そのような運命に逆らいながら、カテゴリやリーグのレベルを落としてでも現役を続けている鉄人のような名選手たちもいる。
今回は『GMS』から「今も現役でプレーし続けている忘れられた名選手たち」をご紹介する。
ルーカス・ポドルスキ
国籍:ドイツ
クラブ:グルニク・ザブジェ
年齢:40歳
ルーカス・ポドルスキは、全盛期には「世界で最も素晴らしい左足のキックを持つ人物」であったと言っても過言ではない、ドイツ代表のスーパースターであった。
彼が左足でシュートを放つと、相手のゴールキーパーは何もすることができず、その場に立ち尽くし、ボールがネットに突き刺さるのをただ見守らなければならなかった。
ポドルスキはキャリアの大部分を愛する1FCケルンで過ごし、バイエルン・ミュンヘンやアーセナル、インテル、ガラタサライでプレーしたあと、日本とトルコを経てポーランドへ移った。
自身がルーツを持っている国のグルニク・ザブジェで40歳になってもプレーし続けており、2026年夏まではクラブに所属することを約束している。
香川真司

国籍:日本
クラブ:セレッソ大阪
年齢:36歳
香川真司はまさに「ユルゲン・クロップの申し子」であった。ドイツ・ブンデスリーガのボルシア・ドルトムントで電撃的な活躍を見せ、リーグ優勝に大きな貢献を見せた。
まさに「シルキー」な攻撃的ミッドフィルダーであった彼は、2012年のDFBポカール決勝でバイエルンを相手にゴールとアシストを記録し、その数カ月後にはマンチェスター・ユナイテッドにステップアップした。
オールド・トラッフォードではハットトリックを決めた経験もあるが、全体的には苦しみ、2年後にはボルシア・ドルトムントへ復帰。2度目のスティントでは以前のようなプレーは見せられず、サラゴサやPAOKなどを経てヨーロッパを去った。
34歳で日本に戻った彼は、プロとしてのキャリアを歩み始めたセレッソ大阪に所属。かつてのような「主役」ではないが、チームの重要なベテランとして潤滑油となっている。
ロケ・サンタ・クルス

国籍:パラグアイ
クラブ:リベルター
年齢:43歳
2002年のワールドカップにも出場したパラグアイ代表のスーパースター、ロケ・サンタ・クルス。ストライカーとしてブラックバーンやマンチェスター・シティ、バイエルン・ミュンヘンなどでプレーした長身のイケメンFWだった。
2016年にマラガでプレーしたのを最後にヨーロッパを去ったが、彼はそれからも衰えることのない情熱を持ち続け、母国パラグアイで現役選手としてのサッカーライフを満喫している。
自身の古巣でもあるオリンピアでエースとして活躍した後、2022年にはそのライバルチームであるリベルターへと移籍。43歳の今もスーパーサブ的な役割をこなしている。
同じ40代のオスカル・カルドーソともチームメイトであり、ときには二人合わせて85歳のツートップを組むことも。
ヴァギネル・ラヴ

国籍:ブラジル
クラブ:アヴァイー
年齢:40歳
ヴァギネル・ラヴはまさに「ストリートサッカーが生んだレジェンド」である。CSKAモスクワ時代には本田圭佑とともにプレーしたブラジル人ストライカーは、奇抜なヘアスタイルや魔法のようなスキルでゴールを量産した。
様々な人々に愛された彼は、キャリアの大部分をロシアリーグで過ごしたが、中国やフランス、トルコ、カザフスタン、デンマークなど様々な国でもプレーした「旅人」である。
そして、その旅は40歳になってもまだまだ終わらない。2022年に帰国してスポルチ・レシフェでプレーしたあと、彼はその実力をさらに発揮できると考えたようだ。
2024年にアトレチコ・ゴイアニエンセへと加入して21試合7ゴールを決めたあと、その後アヴァイーへと移籍。現在もブラジル全国選手権2部でプレーし続けている。
アルトゥロ・ビダル

国籍:チリ
クラブ:コロコロ
年齢:38歳
「戦士」「狂犬」など様々な異名をとったチリ代表のファイター、アルトゥロ・ビダル。近年のサッカー史において最もクレイジーな選手の一人であり、戦いを愛した人物であった。
絶頂期にはレヴァークーゼンやユヴェントス、バイエルン・ミュンヘン、バルセロナ、インテルと数々のビッグクラブでプレーし、攻守にわたって活躍。
ところが彼はブラジルにわたり、フラメンゴとアトレチコ・パラナエンセで変わらぬ情熱を見せ、南米の地で健在であることを見せつけた。
そして2024年には38歳で母国チリの名門クラブであるコロコロへと移籍。自身がデビューを飾った古巣へと17年ぶりに復帰し、ファンから大きな歓声で迎え入れられた。