今季、ウクライナ1部のルフ・リヴィウから鹿島アントラーズへ期限付き移籍で加入しているブラジル人MFターレス・ブレーネル。

今月12日に母国メディア『Globo Esporte』が掲載したインタビュー記事で、戦時下のウクライナ時代の生活について語った。

ターレスは2021年2月に、ブラジル2部のヴィラ・ノヴァから当時ウクライナ2部に所属していたオリンピック・ドネツクへ移籍した。

だが、ウクライナ移籍から間もなく、ロシアによる軍事侵攻がサッカーにも影響し始めた。

「ウクライナ独立記念日の試合では、サイレンが何度も鳴りました。試合を止めては防空壕へ行き、再開してはまた止まり、防空壕へ行くという繰り返しでした。本当に狂気のような状況でした」と、戦時下で行われた試合を振り返った。

同選手は2022年にウクライナ1部のルフ・リヴィウへステップアップし、通算13ゴール8アシストを記録した。

東欧の地でブレイクを果たしたブラジル人MFだったが、戦争が激しさを増し、一時ウクライナを離れることを決断。ターレスは妻とともに歩いて国境を渡ったという。

その後、1カ月をハンガリーで、さらに3カ月をフィンランドで過ごした。

現在もルフ・リヴィウの選手たちと連絡を取り合い、ニュースなどでかかさずウクライナの状況をチェックしているというターレスは、今後の去就についてこのようにコメントした。

「戦争の問題は複雑です。なぜなら、すべてについて考えるからです。

私には小さな息子と妻がいて、できるだけ安全に暮らすことを考えています。

もし戦争が終われば、(ウクライナへ)戻る選択も素晴らしいことですが、戦争が終わっていないので、他の可能性についてよく考えます。ただ契約があるので、それを履行するかどうか、戻るかどうかはそれに大きく左右されます。クラブ(ルフ・リヴィウ)はとてもいい環境で、いつも歓迎してくれましたし、街もいつも温かく迎えてくれました」

ウクライナへ復帰する意思はあるものの、妻子を持つターレスは家族の安全を第一に考えており、鹿島への期限付き移籍が終了して以降の去就は不透明だ。だが、現在のウクライナ情勢や家族の安全を考えると、来季も日本でプレーする可能性は十分ありそうだ。

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