
ヨーロッパのサッカーにおいて特別な価値を持つ「UEFAチャンピオンズリーグ」。国内のコンペティションを勝ち抜いたクラブや、さらに予選をくぐり抜けてきた猛者が戦う最大のトーナメントである。
しかしながら、そんな欧州の頂点を争う戦いに出場した経験を持ちながら、現在は下部リーグに沈んでいるチームも。
今回はそんな「チャンピオンズリーグに出場したのに下部リーグに沈んでしまったクラブ」をご紹介する。
デポルティーボ・ラ・コルーニャ
現在のリーグ:スペイン3部
CL出場:2000–01, 2001–02, 2002–03, 2003–04, 2004–05
伝説の名将ハビエル・イルレタの下に名選手が集まり、「スーペル・デポル」の異名をとったデポルティーボ・ラ・コルーニャ。フアン・カルロス・バレロンやディエゴ・トリスタン、フラン、ビクトル、ロイ・マカーイ、ジャウミーニャなど、個性豊かなチームだった。
今でも語り草となるのは2004年のACミラン戦。ファーストレグを敵地で1-4と落としながら、なんとホームで4-0と大勝。信じられないような逆転劇で前年度の王者を叩き落とした。
2011年に2部降格してからは低迷が続き、現在はスペイン3部を戦う。しかし今季は35試合を終えて首位に立っており、2部昇格が目前に迫っている。
シャルケ04

現在のリーグ:ドイツ2部
CL出場:2001–02, 2005–06, 2007–08, 2010–11, 2012–13, 2013–14, 2014–15, 2018–19
内田篤人が長くプレーしていた名門シャルケ04。ボルシア・ドルトムントと並び、炭鉱都市ゲルゼンキルヒェンを代表する人気クラブだが、この数年間は経営状況が芳しくない状況が続き、サッカーにも大きな影響を与えている。
新型コロナウイルスのパンデミックによる収入ダウン、そしてロシアのウクライナ侵攻によるメインスポンサー「ガスプロム」との契約解除。一時は破産寸前まで追い込まれたと言われる。
現在はドイツ2部で下位に低迷しており、18チーム中12位。
ドイツでは他にもハンブルガーSV、カイザースラウテルン、ヘルタ・ベルリンが2部を戦っている状況だ。
ボルドー

現在のリーグ:フランス2部
CL出場:1999–2000, 2006–07, 2008–09, 2009–10
フランスではオナイウ阿道が所属しているオセールが2部の首位をひた走っており、来季は1部を戦う可能性が高くなっている。今週末勝点1以上を獲得すれば昇格が決定だ。
しかしながら、その一方でチャンピオンズリーグ4回に出場したボルドーは、今季2部でも12位と非常に苦しいシーズンを送ることになった。
2022年にリーグアンで最下位となり、財政問題のために3部降格処分を受けたものの、その後控訴によって2部でのプレーを認められた。ただ経営状況は現在も大きな改善を見せておらず、苦しいやりくりを余儀なくされている。
ブラックバーン・ローヴァーズ

現在のリーグ:イングランド2部
CL出場:1995–96
レスター・シティはプレミアリーグ昇格が決定。リーズ・ユナイテッドは昇格プレーオフへの出場が決定。イングランド2部を抜け出せる可能性は高くなっている。
その一方で、かつてアラン・シアラーを擁してプレミアリーグ優勝を果たしたブラックバーン・ローヴァーズは今季も2部で残留争いを強いられてしまった。
2017年には一度3部へと降格したこともあり、この数年はオーナーであるインド企業「ベンキーズ」に対しての批判が高まっている。
ブルサスポル

現在のリーグ:トルコ3部
CL出場:2010–11
2009-10シーズンにトルコリーグを制覇したブルサスポル。その結果初のチャンピオンズリーグ出場権を獲得し、大きな話題になった。
その後も何度かヨーロッパリーグに出場するなどトルコの強豪として知られるようになったが、それと同時に多額の負債を抱えてしまい、2019年には2部へと降格してしまう。
さらに借金のために選手の獲得を禁止され、今季はトルコ3部で19チーム中18位となり、すでに4部への降格が決定している。
FCトゥーン

現在のリーグ:スイス2部
CL出場:2005–06
2004-05シーズンのスイス・スーパーリーグを2位で終え、歴史上初のチャンピオンズリーグ出場を果たしたFCトゥーン。そのユニークな名前も相まって大きな話題を集めた。
ただその数年後にはスイス2部に降格してしまい、それからは浮き沈みの激しいチームに。2019-20シーズンにも再び残留プレーオフで敗れて降格を喫してしまった。
ただ、今季はこれまでスイス・チャレンジリーグ(2部)で10チーム中2位と功績席を残しており、昇格プレーオフ圏内である2位以上に入ることは確定している。