
現在はなかなか聞かれなくなった「リベロ」というポジション。最終ラインから攻撃に絡んでいくプレーが特徴で、あのフランツ・ベッケンバウアーが得意としたスタイルだ。
ただ、そのベッケンバウアーも「ディフェンダーの通算ゴール数」ではトップ10に入らないという。
今回は『Planet Football』から「歴史上最高のゴール数を誇っているディフェンダーのトップ10」をご紹介する。
10位:ロベルト・カルロス
国籍:ブラジル
ゴール数:113ゴール
1997年にブラジル代表の試合で決めた伝説的なフリーキックで知られる「左足の魔術師」ロベルト・カルロス。
セットプレーや爆発的なミドルシュートを武器とし、そのとてつもない太ももの筋肉で破壊力あるボールをゴールへと叩き込んだ。
9位:パウル・ブライトナー

国籍:ドイツ
ゴール数:113ゴール
キャリアの終盤にはミッドフィルダーにコンバートされた名サイドバック。EURO1972や1974年ワールドカップで優勝を果たした西ドイツ代表の選手であり、2大会のワールドカップ決勝でゴールを決めたことがある4名のうちの1名だ(ババ、ペレ、ジネディーヌ・ジダン)。
バイエルン・ミュンヘンやレアル・マドリー、アイントラハト・ブラウンシュヴァイクなどで活躍した彼は、縦横無尽のポジショニングを武器に、最終ラインから常にゴールを脅かした。
8位:スティーヴ・ブルース

国籍:イングランド
ゴール数:114ゴール
マンチェスター・ユナイテッドが26年ぶりの優勝を決めた1993年。そのタイトルを確定されたシェフィールド・ウェンズデイ戦で2つのヘディングを決めたスティーヴ・ブルース。
センターバックとしてプレーしながらもゴールを決める才能に恵まれ、ヘディングとPKを得意とした。引退後は監督として様々なクラブを率いている。
7位:グラハム・アレクサンダー

国籍:スコットランド
ゴール数:130ゴール
トップクラスのクラブでプレーしたことはないが、サッカーの歴史上最もPKを得意としたディフェンダーの一人だと言われているグラハム・アレクサンダー。
キャリアを通して85回のPKを任され、そのうち77回を成功させている。20-2030シーズンにはプレストン・ノースエンドで3部リーグを戦い、11ゴールを決めるキャリアハイの成績を残している。
6位:ジェームズ・タヴェルニエ

国籍:イングランド
ゴール数:139ゴール
グラスゴー・レンジャーズのキャプテンとして現役を続けているジェームズ・タヴェルニエ。クラブのレジェンドであるとともに、信頼できるペナルティキックのスペシャリストでもある。
2023-24シーズンにはなんと38試合で17ゴール、公式戦全体では58試合で24ゴールというとてつもない記録を残しており、サイドバックというポジションを感じさせないような数字になっている。
5位:セルヒオ・ラモス

国籍:スペイン
ゴール数:143ゴール
レアル・マドリーとスペイン代表で長くキャプテンを務めたセルヒオ・ラモス。彼はキャプテンシーと激しいプレーで知られたディフェンダーであったが、大事な時にゴールを決める男でもあった。
非常に決定力あるヘディングを持っており、その中でも有名なのは2014年のチャンピオンズリーグ決勝の終了間際の場面。アトレティコ・マドリー相手に試合終了間際のセットプレーからゴールを決め、延長戦に持ち込んだ。そしてチームに優勝をもたらした。
4位:ローラン・ブラン

国籍:フランス
ゴール数:153ゴール
フランス代表の名リベロとして知られるローラン・ブラン。モンペリエでプレーしていた時代に267試合で84ゴールを決めており、実は同クラブの最多得点者でもある。
もともとは攻撃的ミッドフィルダーとしてプレーしていたこともあり、そのゴールを決める能力はディフェンダーになってからも目立つものだった。1988年ワールドカップのパラグアイ戦で決めたゴールデンゴールは、大会史上最も記憶に残る得点の一つである。
3位:フェルナンド・イエロ

国籍:スペイン
ゴール数:163ゴール
イエロはレアル・マドリーのレジェンドとして知られている名ディフェンダーだ。守備的ミッドフィルダーとしてプレーしていた時期もあったとはいえ、セットプレーやオープンプレーで驚異的な攻撃力を発揮した。
1991-92シーズンにははんと公式戦53試合に出場して26ゴールを記録しており、守備力やリーダーシップだけでなく得点でも「試合に勝たせる」ことができる選手だった。
2位:ダニエル・パサレラ

国籍:アルゼンチン
ゴール数:175ゴール
ディエゴ・マラドーナかリオネル・メッシがアルゼンチンの歴史上最高の選手だとすれば、最高のディフェンダーはダニエル・パサレラであることに疑いはない。
代表を1978年のワールドカップで優勝に導いたキャプテンであり、173cmとそれほど身長に恵まれていないにもかかわらず見事なヘディングスキルを備えていた。さらにリベロとしてゴール前にも顔を出せる選手でもあった。
1位:ロナルト・クーマン

国籍:オランダ
ゴール数:253ゴール
クーマンがプロとして出場した763試合で決めたゴールは253。まるでストライカーのようなスタッツになっているが、彼は最終ラインからそれを成し遂げたのだ。
スイーパーでありながら前線に上がる自由を与えられており、キャノン砲のような強烈なシュートでゴールを狙うほか、セットプレーやペナルティキックのスペシャリストでもあった。