18節を終えた2025シーズンの明治安田J2リーグ。
ジェフユナイテッド千葉とRB大宮アルディージャが首位争いを繰り広げるなか、クラブ新記録の6連勝で首位と勝点2差の3位に浮上してきたのが水戸ホーリーホックだ。
水戸はシーズンオフに樹森大介コーチがアルビレックス新潟の監督に就任するためチームを去ったものの、2年目の森直樹監督のもとで準備を整えてきた。
迎えた今季、8節のアウェイ千葉戦で1-2の敗戦を喫した時点では15位だったが、そこから10戦無敗(8勝2分)。大分トリニータから加入したFW渡邉新太の大活躍などで一気に順位を上げてきた。
その中で、中心的な役割を担ってきたのが23歳のMF津久井匠海。今季アスルクラロ沼津から加入すると、ここまで18試合2ゴールとチームをけん引し、J1へのステップアップもささやかれていた。
ところが、6月10日の特別登録期間最終日に移籍が発表されたのは、同じJ2で水戸と同勝点の2位につけるRB大宮。昇格を争うライバルへ電撃移籍することになった。
津久井の退団コメントで以下のように語っている。
「この度、RB大宮アルディージャへ移籍することを決断しました。
この選択は全ての方に応援していただけるものではないかもしれません。しかし、自分が目指すべき目標と幼い頃からの夢に向かって新たなチャレンジをすることを決めました。
現在、僕はプロ5年目に差しかかり今年で23歳になります。
その中で今回このようなオファーをいただき、自分がより成長し目指すべき場所に到達するためにはどうすれば良いか悩み、今回この決断をいたしました。
JFLとJ3で4年間プレーしていた自分をJ2の舞台に引き上げ、ホームであるケーズデンキスタジアム水戸に立たせてくれた水戸ホーリーホックには感謝しかありません。
初めてピッチに立ったプレシーズンマッチの鹿島アントラーズ戦のあの日、サポーター達の熱い応援を聞いて、自分はもう一度這い上がっていけるんだと強く思いました。あのこみ上げてくる感情は鮮明に覚えています。
また、暑い日も雨の日も変わらず僕たちの背中を押してもらい本当にありがとうございました。
水戸ホーリーホックではon the pitch の追求とoff the pitch の発信、これらを常に求められ成長させていただきました。また、経験豊富な先輩方、常に高め合える同期、親しい関係ながら時には頼ってくれる後輩達のおかげでより成長出来たと強く感じています。
この自分で選んだ道をどう皆様に応援してもらえるかは今後の自分の成長次第だと思っています。常に自分と向き合い闘い、強い覚悟を持って新たなチャレンジに進んでいきます。
最後に、西村GM、森監督をはじめ多くのスタッフの方々、いつも応援してくれるサポーターの方々、そして水戸ホーリーホックに関わる全ての皆様に感謝を申し上げます。
半年間ありがとうございました!」
チームに激震が走る戦力流出となったが、水戸はその直後、立て続けに3選手の補強を発表している。
J2のモンテディオ山形からMF加藤千尋、JFLのFCティアモ枚方からDFフォファナ・マリック、そしてJ1のFC東京からMF塚川孝輝を獲得(※塚川のみ期限付き移籍)。いずれも実力者であり、津久井の移籍金を活用して戦力を整えた格好となる。
各選手の加入コメントはこちら。
「モンテディオ山形から移籍してきました、加藤千尋です。
今一番勢いのあるチームの一員になれることを嬉しく思います。チームの勝利に貢献出来るように頑張ります!よろしくお願いします」
「FC ティアモ枚方から来ましたフォファナ マリックです。この素晴らしいクラブの一員になれたこと、非常に誇らしく思っています。
大学時代に練習参加をさせていただき、当時はオファーには至りませんでしたが、アツマーレの素晴らしい環境、素晴らしい雰囲気は今でも鮮明に覚えています。いつか必ず水戸でプレーしたいとずっと思っていました。そして今回、水戸ホーリーホックの一員になることが実現でき非常に嬉しく思っています。
必ずJ1昇格の力になりますので応援よろしくお願いします」
「FC東京から来ました塚川孝輝です!
人生かけます!この半年間で自分のサッカー人生すべてをかけて、水戸ホーリーホックのために戦います!
ともにJ1に昇格しましょう!よろしくお願いします!」
津久井の移籍は痛恨だったが、頼もしい3選手を加え、悲願のJ1初昇格に挑む水戸ホーリーホック。
今週末は14日(土)、ホームのケーズデンキスタジアム水戸に7位のサガン鳥栖を迎える。