
3日、日本のプロ野球における歴史上最大のスターといえる長嶋茂雄氏が89歳で死去したと伝えられた。読売巨人軍で長くプレーし、「ミスター」と呼ばれた伝説的なレジェンドであった。
今回はその長嶋茂雄氏のように「クラブで象徴的な存在となったサッカー選手」を5名ピックアップした。
フランチェスコ・トッティ
国籍:イタリア
クラブ:ASローマ
永久欠番:10番
ローマで生まれ、ローマでキャリアの全てを過ごした「プリンチペ(王子)」フランチェスコ・トッティ。1989年に12歳で下部組織に加入して以来、実に28年間に渡って同クラブのユニフォームを着た。
圧倒的な技術とクリエイティビティに溢れ、イタリア・セリエA黄金期における代表的な「ファンタジスタ」に数えられ、ローマのみならず世界中のファンを虜にした。
2017年に現役を引退したあとはUEFA会長賞、グローブサッカーアワードの選手キャリア賞を受賞。21世紀最高の選手を選ぶ投票でも9位にランクインした。
アレッサンドロ・ルカレッリ

国籍:イタリア
クラブ:パルマ
永久欠番:6番
トッティとは違い、アレッサンドロ・ルカレッリはパルマの生え抜き選手ではない。しかし、クラブの歴史上最も厳しい時期を一人で支えた、まさに「ミスター・パルマ」である。
ピアチェンツァやパレルモ、フィオレンティーナなどでプレーした彼がパルマに来たのは2008年。兄のクリスティアーノが所属していたこともあり、当時セリエBに落ちていたクラブに加入した。
その後パルマはセリエAへと昇格。しかし財政破綻のためにセリエDへの降格処分を受け、天国から地獄へ。ルカレッリはその際、殆どの選手が退団する中で「キャリア最後の仕事」として残留を決意。
その後3年連続での昇格に貢献し、クラブの最多出場記録も更新。
フランツ・ベッケンバウアー

国籍:ドイツ
クラブ:バイエルン・ミュンヘン
永久欠番:5番
バイエルン・ミュンヘンと西ドイツ代表における「皇帝(デア・カイザー)」であるフランツ・ベッケンバウアー。彼自身はバイエルンでキャリアの全てを過ごしたわけではないが、選手として、監督として、そして会長としてクラブの歴史となった。
サッカー選手としてのあらゆる能力に長けていた彼は、掃除屋という意味を持つ「スイーパー」という最後方のポジションに攻撃的な役割を加え、「リベロ」という新たな用語を作り出した。
守備をするだけでなく、ときに最終ラインから前に上がってゲームを作り、エレガントなパスによって多くのチャンスを作り出した。そしてピッチ全体を動くプレーとリーダーシップで試合をコントロールした。
引退後は監督としても数々の栄光を手にし、ドイツサッカー協会の副会長も務めた。そして2024年に死去したあと、彼を象徴する「5」がバイエルンの永久欠番に指定された。
ハビエル・サネッティ

国籍:アルゼンチン
クラブ:インテル
永久欠番:4番
インテルには、スタジアムに名を残すジュゼッペ・メアッツァや、3番が永久欠番となっているジャチント・ファッケッティなど、数々のレジェンドが存在している。
ただ、生きている間に永久欠番となった選手は現副会長のハビエル・サネッティである。1995年にバンフィエルドからインテルに加入し、19年にわたってクラブに貢献し続けた功労者である。
サイドバック、センターバック、ミッドフィルダーなど様々なポジションをこなし、キャプテンとしてリーダーシップも発揮。溢れんばかりのインテル愛を見せ、ファンからも絶大な支持を受けた。
2014年に現役を引退した後、当時の会長エリック・トヒルから副会長に任命された。そして次年度にミラノで行われた万博博覧会でのチャリティマッチで、彼の背番号4が永久欠番になることが発表された。
パオロ・マルディーニ

国籍:イタリア
クラブ:ミラン
永久欠番:3番
数々のレジェンドを生んできたミランは2つの数字が永久欠番になっている。一つは、フランコ・バレージの「6」だ。そしてもう一つはパオロ・マルディーニの「3」である。
父親のチェーザレがプレーしたミランの下部組織で育ち、自身も1984年にトップチームへとデビュー。父から受け継いだ背番号3を着用し、若くして世界トップクラスのクラブで重要な選手になった。
1994年にはディフェンダーとしては珍しい年間最優秀選手賞を獲得し、守備でコンビを組んだバレージからも「自分が受賞したかのように嬉しい」との称賛を受けた。
長くキャプテンとしてもチームを支え、2009年に現役引退。クラブはその番号「3」を永久欠番としたが、同時に「パオロの息子がトップチームで定着した際に渡す番号」として遺すことを発表している。
なお、珍しい例ではリベリア代表がジョージ・ウェアの「14」を永久欠番としていたり、サガン鳥栖がクラブの設立に関わった坂田道隆氏の命日にちなんだ「17」を欠番にしていたりしている。