
サッカーではゴールこそが花形であるが、それを導くためには必ずパスが必要だ。チャンスを生み出すパスも競技を形作るうえで欠かせないものである。
今回は『GMS』から「サッカーの歴史上最も素晴らしかったパサー11名」をご紹介する。
アンドレア・ピルロ
国籍:イタリア
クラブ:インテル、ミラン、ユヴェントスなど
独特のフォームで繰り出す右足からのとてつもないミドルパスで一時代を築いた「レジスタ」。深い位置から一発で展開を変える鋭いボール、そして正確な無回転キックでゴールを狙うセットプレー。そのスタイルは今も唯一無二の存在。
トニ・クロース

国籍:ドイツ
クラブ:バイエルン・ミュンヘン、レアル・マドリー
冷静沈着なスタイル、そして並外れた成功率を持っているパスで中盤の王者となったトニ・クロース。どんなときでも常に安定したパフォーマンスを発揮できる選手であり、レアル・マドリーに数多くのタイトルをもたらした。
セルヒオ・ブスケツ

国籍:スペイン
クラブ:バルセロナ、インテル・マイアミ
ジョゼップ・グアルディオラが抜擢したバルセロナの心臓。流れるようなパスワークをアンカーの位置から作り上げ、チームの攻撃面を影からコントロールした。また守備においても相手のチャンスを潰す狡猾なプレーで存在感を示した。
ジネディーヌ・ジダン

国籍:フランス
クラブ:ボルドー、ユヴェントス、レアル・マドリーなど
まるで足に吸い付くような華麗なトラップ、そして芸術品のようなテクニックで知られたフランス代表の「将軍」。その繊細なキープで相手を引き付け、味方にスペースを与え、決定的なパスで多くのチャンスを作り出した。
メスト・エジル

国籍:ドイツ
クラブ:ブレーメン、レアル・マドリー、アーセナルなど
フィジカル優勢の現代サッカーに現れた異質のプレーメーカー。左足から繰り出される繊細なキックで数多くのアシストを量産した。また「エジルキック」と呼ばれる地面に叩きつけて落とす技もあまりに有名。
ミカエル・ラウドルップ

国籍:デンマーク
クラブ:ユヴェントス、バルセロナ、レアル・マドリー、アヤックスなど
「魔術師」とも呼ばれたデンマーク代表の名アタッカー。パスだけが取り柄の選手ではなかったが、そのスペースを見つける目は素晴らしいものがあった。かつてプラティニは「彼はすべてを備えていた選手だったが、ただ少し利己的だった」と論評している。
ポール・スコールズ

国籍:イングランド
クラブ:マンチェスター・ユナイテッド
プレミアリーグで11回の優勝を誇るスコールズ。彼ほど玄人に好まれた選手はいない。数多くの仲間や同業者から「過小評価されている」と称賛された。中盤からゴールを狙うプレーも一級品だったが、そのパスも地味ながら完璧なものだった。
ケヴィン・デ・ブライネ

国籍:ベルギー
クラブ:チェルシー、ヴォルフスブルク、マンチェスター・シティなど
プレミアリーグで100回以上のアシストを記録した5人のうちの一人であり、しかもそれを最速(237試合)で達成した。特に両足から繰り出せる低弾道のクロスは代名詞のような必殺技であった。
チャビ・エルナンデス

国籍:スペイン
クラブ:バルセロナ、アル・サッド
チャビ・エルナンデスはバルセロナの黄金期で繰り出されたパスサッカー「ティキ・タカ」の指揮者だった。卓越したターンの技術、そして2手3手先を考えながら前、横、後ろをすべて使った時間とスペースのコントロール。まさにピッチを真上から見ているような選手だった。
ペレ

国籍:ブラジル
クラブ:サントスなど
史上最高のゴールスコアラーであったペレであるが、サッカーの神様はパスも素晴らしいものだった。1970年のワールドカップでは6回のアシストを記録し、決勝戦ではカルロス・アウベルトのゴールをお膳立てしている。
リオネル・メッシ

国籍:スペイン
クラブ:バルセロナ、PSG、インテル・マイアミ
2012年にゲルト・ミュラーが持っていた年間得点記録を破ったメッシ。91ゴールを記録した一方、アシストも26を数えていた。まさに「二刀流」のプレーヤーであり、ヨーロッパで過ごした最後の15シーズンで12回もの2桁アシストを記録している。