Jリーグは1日、海外指導者招聘プロジェクトを立ち上げ、グローバルフットボールアドバイザーとしてサッカー指導者のロジャー・シュミット氏と契約することに合意したと発表した。
このプロジェクトは、ヨーロッパ強豪クラブで長年にわたり監督経験を積んだシュミット氏が、アカデミー世代の現場指導や指導者(監督、コーチ)・スポーティングダイレクター向けのセミナー、JリーグやJクラブへの知見の共有などを通じ、世界トップのフットボール水準の考え方や指導方法等を浸透させることを目的としたもの。
以下が「海外指導者招聘プロジェクト」の概要となる。
①Jリーグアカデミー選抜チーム指導とメソッドの共有
Jリーグ選抜チームの今後の活動における指導をシュミット氏が行い、そのフットボール哲学とトレーニングメソッドを国内の指導者やJクラブ等に展開
②指導者・SD向けスペシャルプログラム
Jクラブ等の指導者向けに世界基準のフットボールを浸透させるためのセッションプログラムを実施
③リーグやJクラブへの試合視察を通じたフィードバック
明治安田Jリーグおよび各大会の視察を通じシュミット氏の知見をリーグ・クラブへフィードバック
シュミット氏はドイツ出身の58歳。37歳でドイツ5部のクラブにて選手兼監督すると、翌シーズンからは監督業に専念。2011-12シーズンには当時ドイツ2部のパーダーボルンを指揮した。
2012年にレッドブル・グループの統括スポーティングダイレクターで戦術家として知られたラルフ・ラングニック氏に招かれザルツブルクへ。就任2年目にはオーストリア国内2冠を達成し、2014年からはレヴァークーゼンの監督を務めた。
その後、北京国安での挑戦、当時堂安律が所属していたPSVアイントホーフェンでの指揮を経て、2022年夏から監督を務めたベンフィカではUEFAチャンピオンズリーグのベスト8進出に大きく貢献。
最近では2025年6月、国際サッカー連盟(FIFA)より戦術的・実践的トレーニングの方法論がシリーズ化され全世界に公開されていた。
以下は関係者のコメント。
Jリーグチェアマン 野々村芳和氏
「この10月より、Jリーグの海外指導者招聘プロジェクトがスタートします。Jリーグがアジアで勝ち、さらには世界トップを目指すためには、選手だけでなく指導者やスポーティングダイレクターの水準向上も極めて重要なテーマととらえています。
ヨーロッパ強豪クラブの監督を歴任し、実績・経験ともにトップレベルの監督であるシュミット氏がJリーグの成長戦略に共感してくれたことは、Jリーグにとって大きなチャンスであると考えています。
本プロジェクトを通じ、指導者の側のグローバル視点をより向上させることにより、Jリーグ、Jクラブが世界に近づくさらなる一歩となることを期待しています」
ロジャー・シュミット氏
「この度、Jリーググローバルフットボールアドバイザーに就任したことを大変光栄に思います。
今年7月に野々村チェアマンとデュッセルドルフで実際にお会いし、Jリーグが目指す姿やこの先の成長戦略に共感する部分が多かったことから、この野心的なプロジェクトに参加することを決めました。
Jリーグの将来を担う各Jクラブのスポーティングダイレクターや指導者とのセッション・交流や、未来あるユース世代の指導などを通じてJリーグ、そして日本サッカーの強化・発展にこの期間中全力で貢献したいと思っています。
“世界で戦うJリーグ”の実現に私が持つアイディアや経験、フットボール哲学を活かせることを楽しみにしています」
シュミット氏の招聘期間は2025年10月から2026年6月までの9ヶ月間。まずは今月、第1回の指導者・SD向けスペシャルプログラムが実施されるという。