【対談】堀江貴文×チームラボ代表・猪子寿之が語る「アートが変える未来」

アーティストは、なぜ世界の歴史に名を残せるのか。


【対談】堀江貴文×チームラボ代表・猪子寿之が語る「アートが変える未来」


堀江:アートって、ぶっちゃけよくわかんないんだよね。

この前、バスキアの絵が、123億円で落札されたじゃない。その価値がわかんなくて。みんなだって、美術の教科書みて、「これは綺麗な絵だな」ってのはもちろんあるけど、「何これ」ってのもぶっちゃけあると思うんだよね。

【INFO】バスキア…ジャンミシェル・バスキア。アメリカ・ニューヨーク生まれの画家。その生涯は映画化もされている。


猪子:大前提として、歴史に名前が残っている人って、サイエンティストか、革命的な大規模な国家を作った人か、アーティストじゃないですか。革命家はわかりやすいですよね。サイエンティストもわかるでしょ。でもアーティストはなんで歴史に名が残っているんだろうって思ってるんじゃないですか

堀江:そうだね。なんでだろうって思うね。

【対談】堀江貴文×チームラボ代表・猪子寿之が語る「アートが変える未来」


猪子:アーティストって、サイエンティストと似ているんですよ。

サイエンティストのおかげで、人類の見えている世界は広がってきたと思うんです。例えば、人間の目。肉眼なんてフォーカス範囲が浅くて狭い。

目の前に指を出されると、僕の顔が隠れて見えなくなってしまうくらい。でも、今、スーパーボールを思いっきり投げても、みんな見えると思うんです。

それって全員が物理の法則をなんとなく共有財産として持っているから、予測がついて見えているんです。

その知識を持つ以前は具体的に見える範囲が狭かったのに、サイエンティストのおかげで見える範囲が広がった。

サイエンティストは、人類の見える範囲を広げてきたと思うんです。対して、アーティストは、「人類の世界の見え方を変えてきた」と思うんです。

例えば、「雨を描いてください」と言われたら描けますよね。

堀江:雨 うん、描けるだろうね。

猪子:それって、人類がそう見えていると思い込んでいるから描けるわけなんですよ。1877年に描かれた有名な絵があります。タイトルは『パリの通り、雨」。

明らかに雨の日のパリを描いているわけです。

【対談】堀江貴文×チームラボ代表・猪子寿之が語る「アートが変える未来」


堀江:雨が見えない。

猪子:これ、雨が描かれてないですよ。ぼんやりとしか。描かれているのは傘を差す人と雨で濡れた石畳の路面。この時代は、こういう風に雨が見えていたわけです。実は同じ頃に浮世絵が世界ではじめて雨を線で描いているんです。

堀江:なるほどね。

猪子:正確に言うと、いきなりではなく、100年くらい前から無名の浮世絵師が描きはじめていて、そしてみんなが知っている歌川広重の『大はしあたけの夕立」が描かれるわけです。

堀江:浮世絵は版画だから、こういう表現になったんでしょ。

猪子:いやいやいやいや笑 説明すると長くなりますが、違います

堀江:違うの

猪子:ちょっと難しい話になりますが、僕らは自分の目のフォーカス範囲がそんなに狭くて浅いとは思っていない。

だから過去まで遡って、目を縦横無尽に動かしたりして見た映像を脳で再構築してると思うんです。

現代人はそれをパースペクティブ遠近法みたいな論理構造で再構築していますが、近代以前の日本は再構築に使う時間が西洋より長かったと思うんですよ。僕の仮説ですけど。だから、線になった。

堀江:時間軸が長いから、雨の点が軌跡になって線になったわけだ。

猪子:そう そして結果的に、この絵は世界的にものすごい影響を与えました。

堀江:ゴッホが模写したりとかしてるみたいだしね。

猪子:アートとサイエンスの違いを考えると、絶対的に正しいか正しくないかを証明できるかどうか。

堀江:サイエンスは、証明できるよね。

猪子:はい。アートはどうか。例えば時間がある空間は、四次元情報ですよね。絵は脳が処理しやすいように、その四次元情報を二次元化する。

その解答の一つとしてパリの絵の雨はぼんやりしていたわけです。四次元情報を二次元化するって、無限に解答があるわけですよ。

その時に、人間が気持ち良かったり、美しいと思ってしまったり、衝撃を受けてしまったものが、結果的に広がっていくんだと思うんです。

【対談】堀江貴文×チームラボ代表・猪子寿之が語る「アートが変える未来」


堀江:なるほどね。

猪子:四次元を二次元化するっていうのは、答えは無限にある。2次元化された答えとしては真実だけれどもそれは非常に偏った見方ですよね。

堀江:偏ったというか、無限のパターンの中の一つだよね。その過程で、試行錯誤があったわけだから。

猪子:そうですね。で、広重が雨をこう描いて、それが世界に広がっていくと、みんなもなんとなく無意識に「雨はこう見えている」と思い込むんですね。

堀江:雨って線だよね、と。

猪子:そうです、そうです。つまり広重の絵によって、世界の見え方が変わったとも言えるわけなんですよ。だから、アートというのは、人類の世界の見え方を変えてきたというわけなんです。

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