独特な世界観が広がる歌詞と楽曲に、音楽関係者も絶賛!
今回はそんな崎山くんに、自身の生い立ちや、音楽との出合いについて聞いてみた!
【プロフィール】
崎山蒼志(さきやま・そうし)
2002年8月31日生まれ。
2018年5月、Abema TV『バラエティ開拓バラエティ 日村がゆく』の「高校生フォークソングGP」で第3回グランプリを獲得し、ブレイク。
その後も「SUMMER SONIC 2018」や「FUJI ROCK FESTIVAL'19」など、数多くの有名フェスに出演。
2020年5月9日に、地元・浜松で二度目のホールワンマンライブ「崎山蒼志 LIVE 2020 とおとうみの国」、5月30、31日に大阪・東京で「崎山蒼志 LIVE 2020 とおとうみの国から」を開催予定。
ギターを始めたのは4歳のとき!高校1年生で初のCDをリリースし、これまでにアルバム2枚を発表してきた崎山くん。もともと、小さいころから音楽が好きだったの?「そうですね。お父さんも昔、バンドを組んでギターをやっていたり、お母さんはビジュアル系バンドが好きだったりして、もともと両親が音楽好きだったんです。
ぼくもお母さんの影響で、小さいころはガイコツが描かれたTシャツを着て(笑)、BUCK-TICKさんやthe GazettEさんといったビジュアル系バンドの歌を歌ってました」物心がつくころから音楽に自然と触れ合っていた崎山くん。そんな彼がギターの道に進んだのは、あるチラシがきっかけだったという。

その教室には、“先生”というより“友達”みたいに接してくれる男の先生がいたんですよ。

そこで初めて『詞も書いてみよう』ってなりました。
そのときは先生から“お母さんへの感謝”ってテーマを課せられていたので、今はもう恥ずかしくて聴き直せないんですけど…(笑)」さらに、オリジナル曲の制作だけでなく、小学6年生からギター教室の仲間とバンド活動をしていたというからすごい!「先生がぼくら同世代を集めて作ったバンドで、ぼくはギターボーカルを担当していました。そのころ、静岡県の『K-mix』というラジオ局が主催するバンドオーディションに出たんですけど、浜松予選を勝ち抜いて、最終審査直前のライブ審査まで行くことができました。
ライブ審査では、初めて何百人の目の前で歌うことになって…。もちろんすごく緊張したんですけど、『こんなに多くの人がぼくの曲を聴いてくれるのか。エグいな!』って驚きもありました。もともと、心のどこかに『音楽をやり続けられたらいいな』って気持ちはあったんですけど、そのときに初めて、『こんなに楽しいなら、ずっと音楽をやっていきたい』って決意が固まりました」心の揺れを作曲にぶつけた中学時代地元ラジオ局のオーディションのあとも、さまざまなイベントに出演していった崎山くん。
学校に通いながらバンド活動をする崎山くんを、家族はずっと応援してくれたのだとか。

でも、このころから一緒にバンドをやっていたメンバーが部活に入って、練習や試合が増えてきて…。都合が合わないから、ぼくひとりでイベントに出て弾き語りをしたり、路上ライブをしたりする機会も増えてきたんです。
路上ライブはやっぱり、誰も立ち止まってくれないことのほうが多くて…。ぼくのおばあちゃんだけが見に来ている、なんてときもありました(苦笑)」ひとりで路上ライブを続けるには、かなり強いメンタルがないとやっていけなさそう…。心が折れたりはしなかったの?

ずっと音楽をやっていたいけど、プロになれるような自信はまったくなかったですし…。
でも、音楽をやめたいとは一度も思わなかったです。
それは多分、家族が毎日ぼくを肯定してくれたり、アドバイスをくれたりしたからだと思います。夜ご飯を食べながら家族と話すだけで、スッキリできていました」家族に支えられながら音楽を続けた崎山くん。
また、悩みや心の揺れ動きは、音楽を生み出す原動力にもなったという。

ひとことで言えば“思春期の悩み”というか…友達との会話のなかで『人って意外と身勝手だな』とか『何で言いたいことがうまく伝えられないんだろう』とかって思うことがあったんです。
あとは、テレビのニュースで見た事件に感情移入して悲しくなっちゃったりすることもありました。
あるとき、そういう気持ちを『全部バーッと昇華させたい!』と思ったことがあって。
学校から帰って一晩で、殴り書きで曲を作ったんです。そうして完成したのが『五月雨』という曲でした」
※※崎山蒼志「五月雨」(MV)
のちに崎山くんの代表曲にもなった『五月雨』は、そうして生まれた曲だったんだ!

今は作曲するとき、ポッと浮かんできたメロディやフレーズを形にするようになりました」一晩で世界が変わった高校1年生の春
路上ライブを行いつつ作詞作曲を繰り返して、ひたすら技術を磨いていった崎山くん。
そんなある日、大きな転機となるできごとが!「中3のときに突然、Twitterに『Abema TVの◯◯と申します。YouTubeで弾き語りを見て…』っていうメッセージが届いたんです。
『本当か?』って思いながら返信したら、『日村がゆく』っていう番組に出ることになって…」崎山くんに届いたのは、『バラエティ開拓バラエティ 日村がゆく』(Abema TV)という番組の中で、高校生シンガーソングライターが次々に登場する企画「高校生フォークソングGP」への出演オファー。
お母さんがアップしていた崎山くんの動画を見た番組のスタッフが連絡をくれたのだとか。「出演を決めた理由は、単純に『日村さん(勇紀/バナナマン)に会ってみたい』と思ったからなんですけど(笑)、いざスタジオに行ってみたら、日村さんの隣にぼくがすごく好きだった澤部さん(ソロプロジェクト「スカート」を手がけるミュージシャン)もいて…。
澤部さんがいらっしゃることはまったく知らなかったので、お二人の前で弾き語りをするのはすごく緊張して。
※※中学3年生で「オリジナル300曲」の怪物"崎山蒼志"が登場!さらに“中1で作った楽曲"にスタジオ騒然…!|~第3回高校生フォークソングGP!!~
あこがれの人の前で、緊張しながら『五月雨』を歌った崎山くん。
おふたりは「本当に君が作ったのか!?」(日村)、「マジですげー!」(澤部)と絶賛!

それまで、家族以外の人から曲について褒められたこともあまりなかったのに、大好きなお二人から詞と演奏をあんなに肯定してもらって…世界がパッと開けた感覚でした」放送後、番組の中で崎山くんが出演している部分の映像がTwitterで拡散され、Twitterのフォロワー数は一晩で378人から5000人(!)に増加。
川谷絵音(ゲスの極み乙女。)をはじめ、数々のアーティストからも絶賛され、“崎山蒼志”という名前はものすごいスピードで世間に認知されることに!「動画が拡散されていたときは、ちょうどテスト期間でTwitterを見ていなかったので、全然知らなかったんです。
テストが終わって、友達と一緒に公園でコンビニのうどんを食べていたら、別の友達から『崎山くんがバズってるよ』って連絡が来て。
そこで初めて気づきました。
ぼくはもともと無口なほうで、友達が少ない高校に進学していたこともあって、よりしゃべらない人間になっていたんですけど…。
拡散された直後は、しゃべったことがないクラスの人や上級生から『すごいじゃん』って声をかけられることも増えて。
しばらくは実感がわかないまま、ふわふわした気持ちで過ごしていました。
でも、数週間後に音楽イベントに出演したとき、『崎山くんを見に来ました』って言ってくれる人がたくさんいて。
今までだったら、お客さんは10人とか…一人二人しかいないことも多かったので、そのときにやっと『番組に出たことで、ぼくの曲を聴いてくれた人がこんなに増えたんだ』と実感できました。
あの日はすごくうれしかったですね」そんな反響の大きさも後押しとなり、その後の崎山くんの活動は、本格的なものに!

でも、そういう会場では、あこがれのスガシカオさんやきのこ帝国さん、向井秀徳さんといった方々にもお会いしたりして…。
自分ではまだまだ、“ミュージシャン”といえるほどの表現を身につけている自信はないんですけど、ぼくの音楽を肯定してくださる方がいたり、わざわざライブを観に来てくださる方がいたりして、すごくありがたいです。
今、『音楽をやっていていいんだ!』という気持ちでいられるのが、すごくうれしいですね」高校生ミュージシャンから同世代へのエール!現在は地元・浜松の高校に通いながら、全国で音楽活動を行っている崎山くん。
学校生活との両立は大変なのでは?

でも、追い込まれたときには、移動中の時間を使ったりして、学校の課題を頑張っています」忙しい日々のなかで勉強の時間も確保しなきゃいけないなんて大変…! 春からは高校3年生だけど、進学は考えているの?「大学に行くことにも興味はあります。
進学したら、音楽以外のこともたくさん学べて、いろんなことに目覚められそうな気がしていて。
もしも自分が入学するなら、『文学部で詞の研究をする』みたいな、自分の制作に生かせることをやってみたいですね」
崎山くんのように、進路に悩むことも多い高校3年生。最後に、そんな人のために、同世代の崎山くんからエールをもらった!

でも、一時中断するのはともかく、完全にやめてしまうかどうかはもう一度考えたほうがいいというか…。
本当に好きなことは、ずっと続けていたほうがいいと思います。何かひとつ続けていれば、まず自分が楽しいから、つらいことがあっても乗り越えられるんじゃないかなって。
あと、好きなものが同じ人同士でつながっていくこともできると思うんです。
ぼくも、去年出したアルバムの中で、あこがれの長谷川白紙さんと共作することができました。
受験のときは両立は難しいかもしれないけど、好きなことを続けていくといろんな人との接点も生まれるので、楽しいと思います」自分の好きなことを続けていくことで、自分を肯定してくれる人を増やしてきた崎山くん。
「楽しい」と思えることをみつけたら、まずは自分で否定せえず、チャレンジし続けることが大切なのかも!
撮影/武田敏将
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