2018年12月、Tumblrがついにウェブサイトからアダルト・コンテンツを締め出そうと動き出した。ポルノはTumblrの長期的な成功を牽引する重要なコンテンツだった。
ソーシャルメディア・ネットワークのTumblrは、アダルト・コンテンツを完全に締め出そうとしている。2018年11月中旬、同サイトへ違法アップロードされた児童ポルノが発覚した事件を受け、AppleはApp StoreからTumblrのプラットフォームを排除した。The Vergeが伝えたところによると、2018年12月17日よりTumblrユーザーは、露骨な性的表現やヌードを含むポルノ写真や動画、GIF等のコンテンツの投稿が完全に禁じられるという。ただし、古典芸術の彫像や、性行為の描写を含まないイラスト、文字による官能表現などは例外として許される。
Tumblrによる新たなポリシーは、ユーザーのアップロードするコンテンツに対する無干渉主義を貫いてきた方針を、大きく変えることとなる。The Vergeによると、Tumblrが正式にVerizonグループのOath傘下へ入った2017年6月中旬以降、Tumblrはコンテンツ規制を積極的に行うようになり、より厳格な規制も検討し始めたという。2018年2月、Tumblrは全てのユーザーの既定値を”セーフモード”に設定し、ユーザー側が自発的に設定を変えない限り、プラットフォーム上のアダルト・コンテンツを閲覧できないようにした。同年8月、Tumblrは新たなコミュニティ・ガイドラインを発表し、リベンジポルノ、ヘイトスピーチ、銃による暴力を称賛するようなコンテンツを禁じた。
2018年11月、Tumblrへの投稿に対する”定期監査”により、児童に対する性的虐待等をフィルタリングすべきデータベースをすり抜けたコンテンツの存在が発覚した。不快な同コンテンツは即刻削除されたものの、この事件とAppleのApp StoreからTumblrが排除された事を受け、Tumblrは急遽ポリシーを洗い直すことになった。
(本稿執筆現在)Tumblrのアルゴリズムによりアダルト・コンテンツを含む既存の投稿にはフラグが付いて非公開とされ、共有できないようになる。同時にユーザーに対しては、2018年12月17日以降フラグ付きの投稿は削除される旨の警告が伝えられる。
「コミュニティを前進させるために我々がどうなるべきかを、真剣に考えた」とTumblrのCEOジェフ・ドノフリオは、ブログで述べている。「我々が役割を果たしカルチャーに根付き続けるために、特にTumblrが進化するためには、変化が必要だということに気づいた」
しかし新たなポリシーに批判的な人間が指摘するように、アダルト・コンテンツはTumblrが発展するために不可欠なものだった。2007年の立ち上げ以降Tumblrは、性的表現を含むブログ、セックス産業のウェブサイト、さらに安全かつ無制限な自分だけのスペースを楽しみたい人々の集まるポルノ中心のコミュニティのホストとして人気が高まった。
「ネット上にはアダルト・コンテンツを含むウェブサイトで溢れている」とドノフリオは、コンテンツの規制に反対する声を念頭に述べている。「アダルト・コンテンツに関しては別のサイトに任せる。Tumblrは、我々のコミュニティにとって可能な限り最も理想的な環境の構築に務める」
とはいえアダルト・コンテンツは、Tumblr立ち上げ時の成功をもたらしただけではない。無数の高度なソーシャルメディア・ネットワークやアプリが市場に溢れ、Tumblrのシェアを徐々に削っていく状況の中、アダルト・コンテンツはTumblrが生き延びるために欠かせないものだった。Tumblrが今存続しているのは、アダルト・コンテンツのクリエイターに依るところが少なくない。そして今、Tumblrのコンテンツの大部分を占めるそれらクリエイターの投稿がもはや歓迎されるものではない、と宣告されようとしている。
「Tumblrによるアダルト・コンテンツの規制は、LGBTQコミュニティにとって大きな打撃となる。特に社会的排除を受けている者にとってはなおさらだ」と、同性愛者のポルノ・パフォーマーで活動家のキティ・ストライカーはMotherboardに語っている。「多くの人にとってTumblrは、私たちを表現するポルノが存在できるひとつの場所。独立系のパフォーマーが、人種差別主義者やトランスジェンダー差別主義者、太っていることを嫌う業界とは関係のないところで独自にコンテンツを製作してきた。Tumblrは、女性を蔑視する男性中心の業界の制限に縛られることなく、独自に製作された私たちのコンテンツが生き残れる場所だった」
ソーシャルメディア・ネットワークのTumblrは、アダルト・コンテンツを完全に締め出そうとしている。2018年11月中旬、同サイトへ違法アップロードされた児童ポルノが発覚した事件を受け、AppleはApp StoreからTumblrのプラットフォームを排除した。The Vergeが伝えたところによると、2018年12月17日よりTumblrユーザーは、露骨な性的表現やヌードを含むポルノ写真や動画、GIF等のコンテンツの投稿が完全に禁じられるという。ただし、古典芸術の彫像や、性行為の描写を含まないイラスト、文字による官能表現などは例外として許される。
Tumblrによる新たなポリシーは、ユーザーのアップロードするコンテンツに対する無干渉主義を貫いてきた方針を、大きく変えることとなる。The Vergeによると、Tumblrが正式にVerizonグループのOath傘下へ入った2017年6月中旬以降、Tumblrはコンテンツ規制を積極的に行うようになり、より厳格な規制も検討し始めたという。2018年2月、Tumblrは全てのユーザーの既定値を”セーフモード”に設定し、ユーザー側が自発的に設定を変えない限り、プラットフォーム上のアダルト・コンテンツを閲覧できないようにした。同年8月、Tumblrは新たなコミュニティ・ガイドラインを発表し、リベンジポルノ、ヘイトスピーチ、銃による暴力を称賛するようなコンテンツを禁じた。
2018年11月、Tumblrへの投稿に対する”定期監査”により、児童に対する性的虐待等をフィルタリングすべきデータベースをすり抜けたコンテンツの存在が発覚した。不快な同コンテンツは即刻削除されたものの、この事件とAppleのApp StoreからTumblrが排除された事を受け、Tumblrは急遽ポリシーを洗い直すことになった。
(本稿執筆現在)Tumblrのアルゴリズムによりアダルト・コンテンツを含む既存の投稿にはフラグが付いて非公開とされ、共有できないようになる。同時にユーザーに対しては、2018年12月17日以降フラグ付きの投稿は削除される旨の警告が伝えられる。
削除されるまでの間にユーザーは、フラグが誤って付加されたものであると判断した場合には抗議することができる。またユーザーは、アダルト・コンテンツとしてフラグ付けされたブログ内のコンテンツを、削除される前にエクスポートできる。Tumblrは、新たなルールを遵守する限りブログの継続利用を許可する。
「コミュニティを前進させるために我々がどうなるべきかを、真剣に考えた」とTumblrのCEOジェフ・ドノフリオは、ブログで述べている。「我々が役割を果たしカルチャーに根付き続けるために、特にTumblrが進化するためには、変化が必要だということに気づいた」
しかし新たなポリシーに批判的な人間が指摘するように、アダルト・コンテンツはTumblrが発展するために不可欠なものだった。2007年の立ち上げ以降Tumblrは、性的表現を含むブログ、セックス産業のウェブサイト、さらに安全かつ無制限な自分だけのスペースを楽しみたい人々の集まるポルノ中心のコミュニティのホストとして人気が高まった。
「ネット上にはアダルト・コンテンツを含むウェブサイトで溢れている」とドノフリオは、コンテンツの規制に反対する声を念頭に述べている。「アダルト・コンテンツに関しては別のサイトに任せる。Tumblrは、我々のコミュニティにとって可能な限り最も理想的な環境の構築に務める」
とはいえアダルト・コンテンツは、Tumblr立ち上げ時の成功をもたらしただけではない。無数の高度なソーシャルメディア・ネットワークやアプリが市場に溢れ、Tumblrのシェアを徐々に削っていく状況の中、アダルト・コンテンツはTumblrが生き延びるために欠かせないものだった。Tumblrが今存続しているのは、アダルト・コンテンツのクリエイターに依るところが少なくない。そして今、Tumblrのコンテンツの大部分を占めるそれらクリエイターの投稿がもはや歓迎されるものではない、と宣告されようとしている。
特に2018年4月、米国で性的人身取引防止法案(FOSTA)が承認されて以降、多くのウェブサイトが予防策としてアダルト・コンテンツに対する規制を強化したため、CEOのドノフリオの思いとは裏腹にインターネット上には、職場で見るには好ましくないようなコンテンツを共有するための安全なスペースは多いとは言えなくなっている。
「Tumblrによるアダルト・コンテンツの規制は、LGBTQコミュニティにとって大きな打撃となる。特に社会的排除を受けている者にとってはなおさらだ」と、同性愛者のポルノ・パフォーマーで活動家のキティ・ストライカーはMotherboardに語っている。「多くの人にとってTumblrは、私たちを表現するポルノが存在できるひとつの場所。独立系のパフォーマーが、人種差別主義者やトランスジェンダー差別主義者、太っていることを嫌う業界とは関係のないところで独自にコンテンツを製作してきた。Tumblrは、女性を蔑視する男性中心の業界の制限に縛られることなく、独自に製作された私たちのコンテンツが生き残れる場所だった」
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