事件後、インタビューを受けたKAIは「ガン! ガン! ガン! ヤツはしぶとかった。今までで一番の大仕事だったぜ」と語り、そのボサボサ頭の独特な風貌も相まって注目を集めた。当然ながら、インタビュー映像は瞬く間に拡散し、閲覧回数は何百万にも跳ね上がった。そしてKAIは『ジミー・キンメル・ライブ』からも取材を受けることとなり、一躍時の人となった。
だが、それからほどなくしてKAIは、73歳の弁護士ジョセフ・ギャルフィー殺害容疑で逮捕および起訴された。あれから6年が経過した現在、KAIことケイラブ・ローレンス・マクギリヴァリー被告はついにニュージャージーの裁判所で殺人容疑の公判を迎えた。
ワシントンポスト紙の独占記事によれば、ギャルフィーと出会った時、KAIは国から国へ放浪の旅をしていた。ギャルフィーはKAIに、ニュージャージーの自宅で一泊していくよう申し出たが、のちに自宅で撲殺されているのが発見された。警察当局はその後フィラデルフィアのスターバックスでKAIを逮捕した。
昨年KAIは裁判で無罪を主張。殺人の前日にギャルフィーが彼に薬を飲ませ、性的暴行をしたため、正当防衛だったと訴えた。彼はまた、警察がギャルフィーの自宅から性的暴行を示す証拠を破棄および見逃したため、正当な裁判手続きを受ける自らの権利が侵されたとして、拘留中にたびたび訴えを起こしている。
KAIの裁判が始まるまで、これほど時間を要した理由は定かでない。地元のニュースサイトNJ.comとのインタビューでユニオン郡検察局は、まだ裁判がおこなわれないのはなぜかとという質問に対してコメントを控えた。だが、被告の母シェリルは、息子があまりにも長期間拘留されていることに驚きを隠せないようだ。「無実の人間をあんな風に扱うなんて。たとえどんな人間であろうとも、ありえません」
当時YouTubeにアップされたKAIの動画を見た大勢のファンは、彼を支持するデモを起こし、オンライン署名サイトChange.orgでの署名活動や、クラウドファンディング・サイトGoFundMeで彼の弁護士費用の募金活動を行った。NJ.comによれば、こうした支援活動も動画の拡散から時を経るにつれ、既に消滅したようだ。