筋肉少女帯が2019年6月30日、東京・中野サンプラザホールにて「メジャーデビュー 30th Anniversary FINAL LIVE 『ザ・サン』 突入 31th!」を開催した。会場を熱狂の渦に巻き込んだライブのレポートを掲載する。
なお、本公演の模様は音楽チャンネル『MUSIC ON TV(エムオン!)』にて生中継された。

開場前、中野サンプラザホールの前にはライブを今か今かと首を長くして待つ長蛇の列が。筋肉少女帯の30周年記念、しかも大槻と内田の出身地である中野での開催ということもあり、ファンの期待も高まっている。中野ブロードウェイにある「墓場の画廊」では「筋肉少女帯展」も開催され、多くのファンが押し寄せたという。

会場に入ってみると、30th Anniversaryのロゴが描かれた垂れ幕とともに、ステージ上手にはマーシャルアンプの壁がそびえ立つ。

18時10分、SEが流れると、煌々と光る照明と大歓声の中、大槻ケンヂ、橘高文彦、本城聡章、内田雄一郎とサポートメンバーの三柴理と長谷川浩二が登場。高らかにシンセサイザーが打ち鳴らされ、1stアルバム『仏陀L』収録の「サンフランシスコ」へ。興奮が爆発した中野サンプラザホールが大きく揺れる。橘高の超絶ギターソロが会場に響き渡ると、1曲目から熱気は最高潮。続いて、最新アルバム『ザ・シサ』より、大槻ケンヂ出演の映画『緊急検証! THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ ゲラー』の主題歌ともなった「オカルト」へ。30年間で生み出されてきた珠玉の名曲達が披露されていく。

筋肉少女帯、中野サンプラザホールで魅せた最高の通過点

Photo by コザイリサ

大槻が、ステージ中央に用意されたソファに座り「楽だなぁ、楽でいいわぁ」と喋り始めると、爆笑のMCパートへ。
「スタッフから、31年目で大槻さんがやりたいことやっていいですよって言われたので、ライブ中にソファに寝転びたいって言ったんですよ(笑)」とソファに寝転ぶと、「これ、いいわぁ。なんで31年気がつかなかったんだろうなぁ…… あ、みんな来てるんだ! ありがとう!」といつもの大槻節を見せる。大槻は「ロックバンドってのはよう、常に現在進行形じゃなきゃいけないのよ! 筋肉少女帯も31年やったってさ、今日のライブは特別なライブさ、そりゃ特別なライブさ、でもね今日のライブもただの通過点に過ぎないのさ!!」と叫ぶ。ライブ前に、『ナニコレ珍百景』と『モヤモヤさまぁ~ず2』をダブル予約したにも関わらず、『MUSIC ON TV』の予約を忘れてしまったという大槻。「だからよう、どうすればいいかって問うならば! 今、今、今よ! この脳髄の中の海馬に、メモリーできるくらい! オーディエンスが盛り上がってくれれば、俺は帰って穏やかな気持ちでモヤさまを見れるってわけよ!」という言葉に会場は爆笑。そして「とにかく、ありがとう! こういうことはライブの後半で言うべきことなんだけど、もうみんなが来てくれたから言っちゃうよ」という前振りの後、新アルバムの制作をしていることを発表、観客からは歓喜の叫び声があがった。

そして大人気曲「日本印度化計画」へ。「日本を印度に?」「しーてしまえ!」と言う恒例のコールアンドレスポンスで盛り上がり、中野は一気に印度へと姿を変える。続けて「衝撃のアウトサイダー・アート」、「香菜、頭をよくしてあげよう」を披露。大槻が「みんなで歌う筋少っていうのもいいなって思った」とコメントすると拍手が起き、本日2度目のMCパートヘ。

「内田くんと僕はここ中野の生まれなので、サンプラザはホームな感じがするね!(中略)中野サンプラザがホームなのは、ハロプロと筋肉少女帯だけなんじゃない。ハロプロさんもとばっちりだけど(笑)」としっかりを笑いを取る大槻。
「筋肉少女帯は31年目だけど、間には9年間の仲違い時期があったんですよ。でも色々あって、仲直りして。(中略)31年できたのは! みなさんが、愛でもって仲直りさせてくれたからじゃないですか(笑)?」と悪そうに笑うと、「仲直りのテーマ」へ。仲直りした筋肉少女帯が7年ぶりに活動を「解凍」し生まれた楽曲だ。その頃を思い出すと感慨深くなるファンも多いのではないだろうか。続いて「僕の宗教へようこそ~Welcome to my religion~」、「エニグマ」を披露。三柴理のピアノソロでの変調など重厚な物語を感じさせる筋肉少女帯なりのヌーヴォメタルに会場は圧倒される。
 
筋肉少女帯、中野サンプラザホールで魅せた最高の通過点

Photo by コザイリサ

3度目のMCパートでは、メンバー1人1人と大槻がソファに座ってトークをするという場面も。デビュー前の話をして盛り上がったり、新たな曲の詞を書いてきたことを明かしたりと、会場は笑いに包まれながら、30年の歴史の上に立った現在進行形の筋肉少女帯がいた。「新人バンドのテーマ」、「宇宙の法則」、「Guru最終形」を続けて披露。しっかりと聴かせるような曲も織り混ざって本ライブが味のあるものへと仕上がっていく。

「僕のいうこと全部本当じゃないですから(笑)。
ツアー嘘発表! 嘘でも本当でも興奮しろよ!」と大槻らしい前振りの後、2019年10月から計5本の東名阪ツアーの開催を発表。続報は近日公開とのことなので、公式HPやTwitterをチェックして待っておこう。

大槻が「なかの~! 腕をクロスして、ジャンプだー!」と叫ぶと、「踊るダメ人間」へ。中野サンプラザホール一杯の観客が腕クロスジャンプをする光景は圧巻だ。続けて披露された「イワンのばか」では、橘高と本城のギターソロの掛け合いに曲中のコールアンドレスポンス。終盤にきても会場の熱気はまだまだ上昇していく。「ディオネア・フューチャー」を披露し、「最高の夜をどうもありがとう! 最後の曲です、機械!」と叫ぶと、ラストは「機械」を情緒たっぷりに披露し本編は終了。手を振りながら退場するメンバーに惜しみない拍手が送られた。 
筋肉少女帯、中野サンプラザホールで魅せた最高の通過点

Photo by コザイリサ

そして拍手はすぐにアンコールへと変わっていく。メンバーの名前とともに感謝の声が飛ぶステージに、まずは衣装を変えた大槻が登場した。「みなさんのおかげです。ありがとうございます」と感謝を述べると、サポート・メンバーの三柴理と長谷川浩二を招き3人の思い出トークへ。
続いて衣装を変えたメンバーも登場し、「この曲が、大きな筋肉少女帯のターニングポイントでした! 高木ブー伝説!」と大槻が叫ぶと「元祖 高木ブー伝説」へ。再び会場は興奮の渦へと巻き込まれていく。続けて披露した「釈迦」では観客全員での恒例のダンスで一体感を増し、最後はデビュー・アルバム『仏陀L』のオープニング曲「モーレツア太郎」を披露。最高に粋な選曲だ。曲の最後では橘高がフライングVをフロアに打ち付けて破壊。マーシャルアンプの壁に投げつけるとアンプが爆発し、30th Anniversaryのロゴが描かれた垂れ幕が剥がれると、31th Anniversaryの垂れ幕が姿を現した。これからも筋肉少女帯は突き進んでいのだという宣言を表した演出に、会場からは割れんばかりの拍手喝采が送られ、ライブは終了した。

2019年秋に新アルバムの発売、それに伴うツアーの開催と、まさに現在進行形で駆け抜ける筋肉少女帯からこれからも目が離せない。


筋肉少女帯 メジャーデビュー 30th Anniversary FINAL LIVE「ザ・サン」突入 31st!
2019年6月30日(日)東京・中野サンプラザ公演

=セットリスト=
1. サンフランシスコ
2. オカルト
3. 日本印度化計画
4. 衝撃のアウトサイダー・アート
5. 香菜、頭をよくしてあげよう
6. 仲直りのテーマ
7. 僕の宗教へようこそ~Welcome to my religion~
8. エニグマ
9. 新人バンドのテーマ
10. 宇宙の法則
11. Guru最終形
12. 踊るダメ人間
13. イワンのばか
14. ディオネア・フューチャー
15. 機械
EN
1. 元祖 高木ブー伝説
2. 釈迦
3. モーレツア太郎 

〈リリース情報〉
ニューアルバム 
2019年秋リリース予定

〈ライブ情報〉
10/20(日)EX THEATER ROPPONGI
11/10(日)名古屋CLUB QUATTRO
11/16(土)大阪BIGCAT
11/22(金)東京LIQUIDROOM
11/27(水)Veats shibuya
※続報近日公開

筋肉少女帯公式サイト:
https://eplus.jp/sf/live/king-show
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