2007年、エプスタイン氏はフロリダ連邦警察官と秘密裏に司法取引を行い、重罰を免除された。当時の検察官の中には、現在ドナルド・トランプ政権下で労働長官を務めるアレキサンダー・アコスタ氏もいた。その後エプスタイン氏は若い女性たちに暴行を働いたとして被害者から数え切れないほど告訴され、マスコミからも追及されていたが、財力と人脈を駆使して今日まで連邦起訴はなんとか逃れてきた。
The Daily Beastによると、エプスタイン氏は2002~2005年にかけて行われた未成年に対する性的目的での人身売買罪1件と、性的目的での人身売買共謀罪1件に問われているが、8日に起訴される予定だ。起訴ではエプスタイン氏がニューヨークとパームビーチの豪邸で未成年者に金を払って「マッサージ」をさせ、凌辱した内容が明らかにされるものとみられ、2件の容疑でエプスタイン氏には最高で懲役45年が求刑される。保釈聴聞会も予定されている。
マイアミヘラルド紙の報道によれば、エプスタイン氏はニュージャージー州のテターボロ空港で、パリから帰国したところを逮捕された。6日朝には、FBI捜査官がエプスタイン氏のマンハッタンの自宅を家宅捜索した。
これまで何度もエプスタイン氏の事件を追ってきたマイアミヘラルド紙の報道記者ジェリー・K・ブラウン氏によると、エプスタイン氏の犯罪には数々の著名人が関わっていた可能性があるという。「多くの圧力を受けてきました」とブラウン記者は7日、MSNBCに出演してこう語った。「言うまでもなく、非常に権力のある人々からです。今日は彼らも冷や汗をかいているでしょうね。
ブラウン記者はまた、エプスタイン氏がドナルド・トランプ大統領と「親密な」関係だったことにも触れた。政治ニュースメディアPoliticoの2017年の報道によると、エプスタイン氏に虐待されたというとある女性は、トランプ氏のフロリダのマー・ア・ラゴでタオル係として働いていた際に声をかけられたと証言している。トランプ大統領の伝記を書いたティム・オブライエン氏も、エプスタイン氏に関する2002年のトランプ氏の発言としてツイートを投稿した。「ジェフとは15年来の付き合いだ。すごい男だよ。一緒にいてすごく楽しい奴だ。私と同じくらい美しい女性が大好きでね。若いほうがとくに好きなようだ」
ローリングストーン誌はエプスタイン氏の弁護士にコメントを求めたが、いまだ返答は得られていない。