元パートナーの養女への性的虐待容疑で非難を浴びているウディ・アレン。「Me Too」運動の影響もありハリウッド業界全体で物議を醸しているが、今まで多くの作品を共にしてきたスカーレット・ヨハンソンは最新インタビューで、「彼が無実を主張しているから、私は彼を信じる」とウディ・アレンを擁護した。


大勢のハリウッド関係者とは対照的に、スカーレット・ヨハンソンはウディ・アレンを弁護するため声を挙げた。『マッチポイント』、『タロットカード殺人事件』、『それでも恋するバルセロナ』などのアレン監督作品に主演したヨハンソンは、エンターテイメントニュース専門の米ハリウッド・レポーター誌のインタビューで監督と喜んでまた仕事をするだろう、と述べた。「ウディが大好き」とヨハンソンは言った。「私は彼を信じているから、いつでも仕事をするつもりよ」。

1992年に元パートナーのミア・ファローの養女スン=イー・プレヴィンとの交際が報じられ、もうひとりの養女ディラン・ファローに対してみだらな行為をした疑いでファローがアレンを告発して以来、アレンはスキャンダラスな人物として物議を醸しつづけてきた。ディラン・ファロー自身も2014年のニューヨーク・タイムズ紙の論説ページにアレンを告発する内容の記事を投稿し、エレン・ペイジ、マイケル・ケイン、エヴァン・レイチェル・ウッドなどの俳優がアレンの作品に出演したことに対して謝罪する事態にまで発展した。その一方、ヨハンソンはアレンを弁護する姿勢を決して崩さなかった。

「時間がある時は、いつでもウディに会うようにしてる。それに、彼と話したいこともたくさんあるから」とヨハンソンは述べた。「私はウディに対して率直な態度で接してるし、彼もそうしてくれる……でも人々の怒りを買った時にそれがどれだけ難しいかもわかる。いろんなことが引っかき回された結果、人々が熱い気持ち、強い感情、怒りを覚えるのも当然よね。だから、いまは張り詰めた時期なの」。


つい最近、Amazon Studioはアレンの49作目となる『ア・レイニー・デイ・イン・ニューヨーク』の公開を見送ったばかりだ。ティモシー・シャラメ主演の同作は、ヨーロッパでは今後公開される予定だ。アレンは「25年前の根拠のない告発」のせいで契約を一方的に打ち切られた、とAmazonに対して6800万ドル(およそ72億円)の支払いを求める裁判を起こした。

2019年の初夏、ヨハンソンはファッション・アート誌As If Magazineのインタビューで『Rub &Tug(原題)』から降板し、『ゴースト・イン・ザ・シェル』のキャスティングに対して非難を浴びた後、政治的公正さがキャスティングの判断を左右するべきかどうかについて意見を述べ、物議を醸した。「俳優として、私にはあらゆる人物を演じる権利がある。人物だけでなく、木や動物だって演じていいはず。なぜなら、それが私の仕事であり、職務資格だから」とヨハンソンはアーティストのデイヴィッド・サーレに語った。その後、彼女のコメントがインターネット上に拡散されると、発言は人々の興味をそそるよう、編集されたものである、とヨハンソンは釈明した。「理想的な世界では、すべての俳優があらゆる役を演じるべきであり、アートはいかなる形においても政治的公正さとは無縁であるべき、というのが私の個人的な見解です」とヨハンソンはコメントした。「私はそう言ったつもりだったけど、そのように伝わらなかった」。

同じインタビューでヨハンソンはマーベルの大ヒット作『アベンジャーズ/エンドゲーム』と、ノア・バームバック監督の公開予定作『マリッジ・ストーリー』に出演した忙しい一年について語った。さらに、ヨハンソンは『アベンジャーズ』のスピンオフである2020年全米公開予定の『ブラック・ウィドウ(原題)』に出演するだけでなく、エグゼクティブ・プロデューサーとしても参加する。
1500万ドル(およそ16億円)以上とささやかれている報酬について質問されると、「お金は会話のタブーよ」とヨハンソンは答えた。「でも、男性の同僚たちと比較しても平等な条件で闘ってる、とだけは言えるわ」。

さらに、ヨハンソンは来たる大統領選挙でドナルド・トランプと対決する候補者をサポートする、と約束し、「どんな形であれ、必要とされるなら支援する」と述べた。「公共広告であれ、人々に登録と投票を促すために積極的に活動することであれ、人々を投票へと向かわせるためにはね。本当に人々が投票したら、私たちの政府はあるべき姿になると心から信じてる。でも、みんなほんとうに投票しないのよね。理解できないわ」。
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