ビートルズファンは映画『イエスタデイ』を信じられるか?

「これはミュージカルじゃないんだ。ザ・ビートルズの楽曲をカバーするだけじゃなくて、捨てられた記憶を思い起こして、再び世界に届けているんだよ」と、監督のダニー・ボイルはローリングストーン誌のデヴィッド・ブラウンに語ってくれた。想像してみよう。2019年の大人が、「捨てられた思い出」からザ・ビートルズを救うことが、自分の使命であると考えることを。しかし、これが『イエスタデイ』の根本的なアイディアなのだ。

あまり知られていなかったザ・ビートルズを救うことは、ハリウッドが控えめながら長く続ける伝統である。その部分を誇張したのは70年代のとある映画だ:ビー・ジーズは『サージャント・ペッパー』の映画版を製作し、バンドのメンバーは自らを演じ、ピーター・フランプトンがビリー・シアーズを演じた。「最近のキッズはザ・ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』を知らないんだよ」と、1977年にロビン・ギブは語っていた。「いいかい、ザ・ビートルズのような存在は他にないんだ。もし彼らがいなければ、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』がライヴで演奏されることもない。俺たちの曲だって、彼らの曲に上書きしてしまうことになる」

人々は70年代に、彼らが現在もそうしているように、この映画のような考え方をしていた。ハリウッドは「昨今のキッズ」が 、ザ・ビートルズを忘れてしまうのではないかと危惧していたのだ。ザ・ビートルズは、少なくともキッズからは、絶対に忘れられることなどないと思われていたし、彼らの音楽は他の誰がやるよりも、どんどん良くなっていた。ザ・ビートルズファンは『イエスタデイ』を信じるか?作品は想像通り、音楽が中心の内容だ。映画の重みは楽曲に左右されるし、ここでどんな意見が述べられていたとしても、魅力や感情が溢れ出ている。スティーヴ・マーティンが「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー」を歌わないだけでも、ビー・ジーズの『サージャント・ペッパー』より楽しむことができる内容となっている。
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