「ハリウッドザコシショウのものまね100連発ライブ」は、これまでも定期的に開催されており、過去の100連発ライブの様子はDVDとしてSEASON1、2が発売される恒例のイベントとなっている。
当日会場前に着くと、チケットを持ったファンが長蛇の列を作っていた。入場後、筆者は後方に着席していたのだが、開演前には周囲の客が「(ハリウッドザコシショウの圧が強すぎて)ここの席がギリギリのデッドラインだよな」と冗談半分で囁く声も聞こえてくる。ハリウッドザコシショウのパワーと圧力のある定番ネタ「誇張しすぎた〇〇ものまね」の破壊力は、やはりファンからもお墨付きであることを感じた。同時に、これから始まる”ものまね100連発”という前人未到のフルマラソンへの怖いもの観たさのような期待値が高まる。

Photo by 大橋祐希
開演時刻になると、前説及びネタ間の繋ぎを担当するハリウッド軍団後輩芸人の錦鯉とキャプテン渡辺が登場。本番前にザコシが緊張による嗚咽が止まらなかった話など暴露し会場を笑いで温める。そして、紹介を受けてハリウッドザコシショウが登場。大きな拍手に迎えらえた第一声が「どうもー、Mr.マリックでーす」。

Photo by 大橋祐希
ものまね100連発は、自身でも口にしていた”真面目にガイキチ”を体現したような内容であった。序盤から誇張しすぎた○○ものまねシリーズを立て続けに披露。題目を発表する際には「こいつもやべえやつですよ」、「こういうやべえガイキチが増えるほど仕事が増える」と本人は言っていたが、それを本人よりもやばくするのがハリウッドザコシショウ。世の中を騒がせた元アイドルや業界人を、奇声と大胆な動き、変顔で誇張し続けるが、どこか似ている要素があって面白い。1発目から「誇張しすぎた○〇興業の〇〇社長のモノマネ」というセンシティブなネタを披露。
ザコシと言えば”珍棒”も欠かせない。アキラ100%やとにかく明るい安村とほぼ全裸の芸人のものまねでは、誇張しすぎた結果、会場中が大爆笑で最高潮に盛り上がる鉄板ネタと化した。鬼に金棒、ザコシに珍棒とはこの事だろうかと感じた(なお、珍棒が何か分からない方はぜひDVDをご覧になってほしい)。特に本人が「(このネタは)やっておかんといけんですわ」と語る「誇張しすぎたひょっこりはん」で、会場の盛り上がりはMAXに。前半と中盤の合間に行われた錦鯉とキャプテン渡辺のトークでは、テレビで珍棒ネタを披露する際にモザイクを掛けるか協議されたが、モザイクを掛けると実物なのではないかと審議された裏話も披露され、より観衆の笑いを誘ったとともに深く考えさせられる一面もあった。

Photo by 大橋祐希
また、もう一つハリウッドザコシショウのネタの特徴といえば、ファミコンやWWEのプロレスなどそのマニアックさでもある。ファミコンものまねは、「ファミコンソフト『アイスクライマー』のGAME OVERの時の音」や「セガサターンソフト『バーチャファイター2』のアキラ」など80~90年代のソフトがメイン。恐らくハリウッドザコシショウがのめり込んだ、青春時代のネタであろう。
ハリウッドザコシショウのものまねネタは、エネルギーの消費がものすごく多い。ものまねはかなりセンシティブな題材が多く、変顔と大声でわめき散らかすし、下ネタも多い。と、思えばファミコンやプロレスラーというコアなものまねも多い。そんな振り幅の大きなネタを、ザコシは全力で、好きでやっている。ネタ中には遠巻きからでも顔が赤くなり、身体に汗が滲んでいるのが見える。それでも自分を追い詰めるようにネタを重ねていく姿には、彼が愛するプロレスの精神も垣間見えた。観ている方もそれを受け止めるわけであるから、同じくらいのエネルギーを求められるわけである。
<公演情報>
ハリウッドザコシショウ
「ハリウッドザコシショウのものまね100連発ライブ!SEASON3収録ライブ」
2020年1月23日(木)東京・新宿シアターモリエール
時間:開場 18:30/開演 19:00
ハリウッドザコシショウTwitter:https://twitter.com/zakoshisyoh
ブログ『ハリウッドザコシショウの「南海ホークスは今!?」』:https://ameblo.jp/hollywood-zakoshisyoh/