4月10、11、12日と翌週4月17、18、19日に米カリフォルニア州インディオ「Empire Polo Club」で開催予定だったコーチェラ・ミュージック&アートフェスティバルが10月に延期になった。AEGの子会社でフェスティバルを運営するGoldenvoiceが、公式Twitterで明らかにした。


コーチェラはもともと来月、連続した週末――4月10、11、12日と翌週4月17、18、19日――に、ロサンゼルスから2時間ほどの郊外の町、カリフォルニア州インディオのEmpire Polo Clubで開催される予定だった。

コーチェラのほか、同会場で4月24~26日に予定されていたステージコーチ・ミュージックフェスティバルも延期になる。

今年のコーチェラ・フェスティバルは、トラヴィス・スコットやフランク・オーシャンに加え、再結成したばかりのレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンがヘッドライナーを務めることになっていた。現地時間月曜日に複数の情報筋がローリングストーン誌に語ったところでは、先週複数のアーティストのマネージメントチームと運営サイドが延期について協議していたそうだ。月曜深夜の時点で、協議は進行中だった。

フェスティバルを運営するGoldenvoiceGoldenvoiceは火曜夜、ローリングストーン誌に宛てた声明でこう述べた。「リバーサイド郡と地元保健当局の指示に従い、残念ではありますが、COVID-19対策としてコーチェラとステージコーチの延期をお伝えしなければなりません。情勢が不透明な状況での決断ではありますが、ご来場者、スタッフ、および地域の安全と健康を十分に考慮した結果です。皆様方におかれましては、公共衛生職員からの指示や手順に従っていただきたいと思います」

pic.twitter.com/gJLUnFO20N— goldenvoice (@goldenvoice) March 10, 2020

火曜日の時点で、カリフォルニア州では167件以上の感染と2件の死亡が確認されている。ロサンゼルス郊外から南カリフォルニア砂漠に広がり、小さな町インディオが位置するリバーサイド郡では、コロナウイルスの患者が地元病院に収容されたのをうけて日曜日に公衆衛生緊急事態が宣言された。月曜夜の時点で、同郡でのCOVID-19感染件数は6件にのぼる。

「コーチェラは2020年10月9、10、11日、および10月16、17、18日に延期いたします」と、Goldenvoiceは声明の中で述べた。
「ステージコーチは2020年10月23、24、25日に開催いたします。すでにご購入いただいた4月開催のチケットは、10月の振替開催でも有効です。10月に参加できない場合の払い戻し方法については、ご購入者宛てに3月13日金曜日に通知いたします。今後も引き続きご支援くださいますよう、お願い申し上げます。この秋、砂漠でお会いできるのを楽しみにしています」

「キャンセル」という単語は使わず

内部情勢に詳しい情報筋がローリングストーン誌に語ったところでは、Goldenvoiceは声明の文言で「キャンセル」という単語をあえて避けたそうだ。その理由は「キャンセルと言うとチケットの払い戻しをしなければなりませんが、延期であれば、資金をより長く手元に確保しておけます」 ツアー業界の関係者が言うには、今後数週間の状況次第だが、年内に予定されている他のフェスティバルもおなじく危機に立たされるとみられている。

コーチェラとステージコーチは、ウイルス感染で変更を余儀なくされた音楽イベントの最新事例だ。またオースティンのサウス・バイ・サウスウェスト、マイアミのウルトラ・フェスティバルに続き、コロナウイルス感染で中止を余儀なくされた3つ目のビッグフェスとなる。加えてナッシュビルのティン・パン・サウス・ソングライター・フェスティバルも、コロナウイルス対策と先週この一帯を襲った竜巻の影響から、延期を発表した。パール・ジャムやマドンナといったメジャーアーティストも、ウイルス感染によりツアーを延期またはキャンセルしている。

ここ数カ月間、コロナウイルスの影響でアジアのライブ音楽業界も大打撃を受けている。地元アーティストが次々と公演をキャンセルし、グリーンデイやストームジー、カリード、ザ・ナショナルなど、海外ツアーを予定していた欧米アーティストもこれに続いた。
マドンナは、ツアーのフィナーレを飾るパリの2公演を中止。スリップノットはKNOTFEST JAPANを延期し、KISSも予定されていたファン交流会をすべて白紙にした。
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