TEAM SHACHI咲良菜緒にあらゆる音楽を聴かせ、その曲に対する感想やエピソードを披露してもらうというコンセプトで始まった「咲良菜緒のめかくしストリーミング」。連載は次第に彼女の音楽の好みを探っていくという方向性に自然とシフトチェンジし、いつの間にかスタートから1年が経過した。
実は、自分としては咲良がラムシュタインに激ハマりした時点で、この連載は役目を終えたのではないかと感じており、もう潮時か……と薄っすら思っていた。そこで、連載5回目となる今回、咲良菜緒本人にそれとなく今後の方向性について意見を問うことにした。つまり、彼女の返答次第で「目隠しストリーミング」は終了するのだ。
いつものように彼女と会話をし、そろそろ終盤に差し掛かってきたところで、自分は話を切り出した。「で、この連載の今後なんですけど……」。そこで彼女から返ってきた答えは、こちら側が全く予想していないものだったのである。咲良は言った、「私、気になるジャンルがあるんですよ」と――。
―2020年になってしばらく経ちますけど、年が明けてからいかがお過ごしですか。
あ、あけましておめでとうございます(笑)。年明けてから何してたかなー? あ、LArc-en-Cielさんのツアー(ARENA TOUR MMXX)初日に行きました。あと、今年はcoldrainさん主催のBLARE FESTにも行ったし、今年は好きなものを序盤で一気に観られるいい年です。
―BLARE FESTはどうでしたか。
BLARE FESTは日本の激しい音楽がメインで、そういうフェスは初めてでした。客層も男性が多いなってすごく思った。ロッキン(ROCK IN JAPAN)とかMETROCKは女性が多いイメージだけど、BLARE FESTは男性ばかりで熱気がすごかった(笑)。あと、ツーステップの集団が本当にすごかった! コウモリみたいで(笑)。
―あっはっは!
本当に! 私、間違えて、ツーステップの集団のなかに混ざっちゃったんですよ。ああいう方たちってすごいんですね! まず、重心がすごく低くて、「こんなに頭の位置が低いんだ!」って。
―「そんなに幅取る?」ってぐらい左右使う人もいますよね。
そうそうそう(笑)。あと、今年はFEVER 333のワンマンも行きました! 相変わらず激しくて楽しかった。
―来日は1年ぶりぐらいでしたっけ?
1年経ってないぐらい。去年の初来日は見せ逃げって感じのライブだったんですよ。だけど今回は初心者にも優しいライブで、前回と違ってちゃんと伝えるべきことを伝えてて、「お、ちゃんとMCしてる!」と思って感動した(笑)。
―早くも古参感ただよう感想が(笑)。
あはは!
―今年のTEAM SHACHIはどんな1年にしたいですか。
今はまだチームしゃちほこのイメージが残ってて、改名したことを知らない人もたくさんいると思うので、それを今年も伝えていきたい。あとは「TEAM SHACHIってこのへんの立ち位置にいる人たちだよね」っていうのが明確になったらいいなって思ってます。音楽的なことはもちろんだけど、ライブとしてもそういうふうに思ってもらえるようになりたい。お客さんによって感じ方は違うと思うけど、アイドルなのか、バンド的なところなのか……私たちはそれぞれのジャンルのおいしいとこどりをしたいから、ポップスを聴く人も、ロックを聴く人も、アイドルを聴く人もガッと持っていきたいし、TEAM SHACHIはその中間にうまくいるよねって言ってもらえるようになれたらうれしいです。
―なるほど。
アイドルはどうしても楽曲よりパフォーマンスとかビジュアルが前に出てくるイメージがあるけど、「楽曲としていいね」って言ってくれる人がもっと増えたらいいなって思います。だから、ストリーミングにも力を入れて企画を組んだりして、音楽をちゃんと聴く人たちに認められる楽曲がつくれたらいいなって。
インダストリアル・ロックが好きなことを新発見
―去年1年、この連載を通じてメタルを中心にいろいろなバンドを聴いてきましたが、何か発見したことはありますか。
私がインダストリアル・ロックが好きっていうことを発見していただいたおかげで、自分がよくわかったっていうのはあります。あと私、多分、LArc-en-CielのKENさんと趣味が合うと思うんです。
―へぇ~!
イギー・ポップさんはすごいびっくりした! すごく、キタ。
―ハマったのはあの声ですか。
うん、あとはリズム。"クセになる感じが好き"っていう部分でリンクする曲が多かったので、KENさんのルーツをもう一度調べようって思いました。
―(KENのプレイリストを見ながら)お、MESHUGGAHも入ってるんだ。この曲は聴きましたか。
聴いたけどなんかわかんなかった(笑)。変わった人なんだろうなっていうのはよくわかりました(笑)。
―MESHUGGAHは超絶な変拍子が特徴で、その時点ですでにカッコいいんですけど、ライブだとその変拍子に合わせて照明が動くんですよ。それが本当にすごい。
そうなんだ! 他の曲も聴いてみよう。
―いや、MESHUGGAHは菜緒さんが「これが好きっていう人は変クレイジーだ」っていうタイプのヤツですよ。
そうなんだ(笑)。
―ところで、音楽の聴き方って変わりましたか。
変わったのかなあ? ああ、プレイリストを上手く使えるようになった気がする。いろんな人がプレイリストをつくってくれてるじゃないですか。そこで新しい音楽を発見することが増えました。それで、プレイリストで気になったアーティストの曲を人気の曲から順に聴いていって、それも気に入ったらアルバムをダウンロードしてます。
―さて、この連載もスタートから1年が経ちました。
私、勝手に半年で終わると思ってたんですよ(笑)。だけど、「あれ? 気づいたら4回目だな。延びたのかな」って。
―いやいや(笑)。ということで今回は、この1年間で最もお気に入りの5バンドを挙げてもらえたらなと。(初回に紹介したバンド名から挙げていく)
あ! ホワイト・ゾンビ! でも、私、結局ロブ・ゾンビのほうがハマったんだ。ロブ・ゾンビって映画も撮ってるじゃないですか。それで、前に映画監督さんに会ったときに、「私、映画は全然観ないんですけど音楽は好きで、特にロブ・ゾンビが好きです」って言ったら、「あ、それ、オーディションで言ったほうがいいよ」って言われました(笑)。
―マジで(笑)。
「ロブ・ゾンビが好きな子ってあまり聞かないし、お芝居関係の人は音楽知らなくてもロブ・ゾンビのことは知ってるから、そういうのは言ったほうがいいよ」って。
―へぇ~!
あと、Ailiph DoepaもYouTubeでずっと聴いてました。
―こないだ、別の媒体でAiliph Doepaのインタビューをしたので、メンバーに菜緒さんのことを伝えておきましたよ。
え、本当ですか!? うれしい! あとは、なんだっけ? ない、ない、ないん……。
Photo by Takuro Ueno
―ナイン・インチ・ネイルズ。
そう! 今までも聴いてたけど、流しちゃうぐらいだったのが、「あ、この人のここが好きだったんだ」って。
―自分が好きになるポイントがわかってきた。
うん、そう。
咲良菜緒が選んだトップ5
―連載で聴いてもらったときの反応はそこまででしたけど、その後、ブリング・ミー・ザ・ホライズンを好きになってますよね。
あ、フェスで観たんですよ。私、ライブでハマるタイプなんですよね。なんかねえ、MARVEL感? ステージからあれだけ火が出てても全く違和感がなくて。
―ド派手な演出にも負けないパフォーマンスですよね。
そう、そう。フェスなのに自分たちの色に染める感じがすごくて。最初は「ちょっと観てみようかな」ぐらいの気持ちだったんですけど、めっちゃハマっちゃいましたね。
―ミニストリーはどうですか。
あー、結局そんなに聴かなかったかも。よかったとは思ったけど、結局すごくヘビロテしたのはラムシュタインとロブ・ゾンビ。そこのふたつが強すぎちゃったかもしれない。
―では、トップ5は、ラムシュタイン、ロブ・ゾンビ、ナイン・インチ・ネイルズ、Ailiph Doepa、システム・オブ・ア・ダウンということで。
うん、かなあ。
―こうして挙げてみると、菜緒さんの趣味がわかりやすくなりますね。
あ、本当に? いい感じ?
―いい感じいい感じ。
音楽はもちろんだけど、ライブで惹かれちゃうってことは、ビジュアルとかパフォーマンスみたいに視覚から入る部分もけっこう重要視してるんだと思います。音楽の世界観をちゃんと見た目でも表現できてるかっていう。
―そもそも、そういう音楽が菜緒さんのルーツですもんね。
そうそう。そういうところはけっこう気になるかもしれない。こっちもそのほうが入りやすいし。
―で、この連載の今後なんですけど、ラムシュタインにたどり着いた時点で、ある意味頂上に登っちゃった感が僕のなかであって。
そうなんだ(笑)。たしかに素敵な出会いでした。
―なので、今日は今後の展開を菜緒さんと一緒に考えたいなと。
(すぐに手を挙げて)私、気になるジャンルがあるんですよ。
―ほお。
ヒップホップ!
―おお~!
え、ダメ?
―いや! あまりに意外だったので驚いたけど、すごくいいと思います。
もともとヒップホップが混ざってる音楽がけっこう好きだなと思ってて。
―去年、アンスラックスの「BRING THE NOISE」を聴きましたよね。
うんうん、メタルとラップとあのノリ。そういうのがずっと好きで。そういう音楽に初めて出会ったのはリンプだったんですよ。でも、ヒップホップだけのを聴いてみたけどあまりわからなくて、途中で飽きちゃって。
―うんうん、わかります。菜緒さんはどういう感じのノリが好きなんですか。
基本、低い感じの声。
―そこはメタルと同じなんですね。
自分たちの曲でもラップパートが好きなんですよ。でも、まずヒップホップっていうのがなんなのかよくわかってない。私が最初に”ヒップホップ”って言葉を聞いたのはダンスだったんですよ。だから、ダンスと音楽の違いがあいまいで。
―それは正しいですよ。音楽、ダンス、アートとか全部ひっくるめてヒップホップなので。
へぇ~! じゃあ、全部一緒なんだ。偶然一緒になってるのかと思った。
―そうじゃないんですよ。すべて一緒のカルチャーなんです。それにしても、まさかのヒップホップですか。
でも、本当に全然知らないから。本当にわかんない。Spotifyのグローバルランキング見るとヒップホップってめちゃくちゃ多いじゃないですか。
―流行ってますからね。
そう、だから海外だとすごい人気なんだと思って。でも、あまり身近ではないから、今は外では流行ってるってことだけわかってる状態。
名古屋を代表する伝説のユニット
―なんとなくですけど、菜緒さんはヒップホップも90年代が好きなんじゃないかっていう気がするんですよね。
あ、そうなの?(笑)結局、90年代が好きなんだ。でも自分でもそう思う。昔過ぎるとちょっとね。
―メタルもそうでしたけど、80年代よりも前になると音がちょっと軽く聴こえてしまうんでしょうね。
そうそう。だから、90年代がいいんでしょうねえ。
―ちゃんとローが効いてて。
ちゃんとしっくりくる感じ。日本だと誰がいますか?
―日本で今人気があるのは、BAD HOPっていう川崎出身のグループです。去年、武道館を即完させましたよ。
ええ、すごい! 武道館やってるのに全然知らなかった。
―名古屋だとAK-69とかいますよね。
そうですよね!
―あと、名古屋にはILLMARIACHIっていう伝説のユニットがいたんですよ。TOKONA-XというMCが名古屋弁でラップをしてて。
へぇ~。
―じゃあ、手始めにILLMARIACHIから聴いてもらいましょうか。
いるまりらっち?
―イルマリアッチです(TOKONA 2000 GT / ILLMARIACHIを聴いてもらう)。
えー、私の好みに合わせて選んでくれたのかと思った! 私、気だるいのが好きなんですよ。この人たちの音はすごく低いじゃないですか。だからすごく聴きやすいです。
―これ、歌詞が名古屋の街案内になってるんですよ。
へぇ~。……あ、”矢場町パルコ”! これ、好きかもしれない! これまで聴いてきたのは跳ねるラップばかりだったから、これぐらいのリズムのほうが好きなのかも。自分が持ってたヒップホップのイメージと全然違う。もっとカッコつけてるイメージだったんですよ。
―ああ、わかります。
すごいね、この曲。これ、カバーしたい……。
―あはは!
(マネージャーに向かって)これ、カバーしたい! これ、めっちゃよくない? アレンジしたら全然変わりそう!
―たしかにね。リリックをTEAM SHACHI流の名古屋案内にして。
うんうん、そうそう。これ、すごい。すごいすごいすごい! 名古屋にこんなにいい歌あったんだね! 全部言ってくれてる! もっと町中で流してほしい! うん、ヒップホップのスタートダッシュ、いい感じです! 楽しみ楽しみ楽しみ! やったー!
Photo by Takuro Ueno
野外ワンマンライブ「SHACHI SUMMER」
TEAM SHACHI 「SHACHI SUMMER」
6月14日(日)open 16:00 / start 17:00
大阪・大阪城音楽堂
※雨天決行・荒天中止
【チケット】
■指定席 ¥6,500(税込)
■ファミリー席 ¥6,500(税込)
■学割 ¥5,500(税込)
【チケットぴあ プレリザーブ先行<抽選>】
●受付期間:3月23日(月)11:00~3月30日(月)11:00
●受付URL:https://w.pia.jp/t/teamshachi-o/
◎SHACHI SUMMER
http://teamshachi.nagoya/shachisummer2020/
実は、自分としては咲良がラムシュタインに激ハマりした時点で、この連載は役目を終えたのではないかと感じており、もう潮時か……と薄っすら思っていた。そこで、連載5回目となる今回、咲良菜緒本人にそれとなく今後の方向性について意見を問うことにした。つまり、彼女の返答次第で「目隠しストリーミング」は終了するのだ。
いつものように彼女と会話をし、そろそろ終盤に差し掛かってきたところで、自分は話を切り出した。「で、この連載の今後なんですけど……」。そこで彼女から返ってきた答えは、こちら側が全く予想していないものだったのである。咲良は言った、「私、気になるジャンルがあるんですよ」と――。
―2020年になってしばらく経ちますけど、年が明けてからいかがお過ごしですか。
あ、あけましておめでとうございます(笑)。年明けてから何してたかなー? あ、LArc-en-Cielさんのツアー(ARENA TOUR MMXX)初日に行きました。あと、今年はcoldrainさん主催のBLARE FESTにも行ったし、今年は好きなものを序盤で一気に観られるいい年です。
―BLARE FESTはどうでしたか。
BLARE FESTは日本の激しい音楽がメインで、そういうフェスは初めてでした。客層も男性が多いなってすごく思った。ロッキン(ROCK IN JAPAN)とかMETROCKは女性が多いイメージだけど、BLARE FESTは男性ばかりで熱気がすごかった(笑)。あと、ツーステップの集団が本当にすごかった! コウモリみたいで(笑)。
―あっはっは!
本当に! 私、間違えて、ツーステップの集団のなかに混ざっちゃったんですよ。ああいう方たちってすごいんですね! まず、重心がすごく低くて、「こんなに頭の位置が低いんだ!」って。
―「そんなに幅取る?」ってぐらい左右使う人もいますよね。
そうそうそう(笑)。あと、今年はFEVER 333のワンマンも行きました! 相変わらず激しくて楽しかった。
―来日は1年ぶりぐらいでしたっけ?
1年経ってないぐらい。去年の初来日は見せ逃げって感じのライブだったんですよ。だけど今回は初心者にも優しいライブで、前回と違ってちゃんと伝えるべきことを伝えてて、「お、ちゃんとMCしてる!」と思って感動した(笑)。
―早くも古参感ただよう感想が(笑)。
あはは!
―今年のTEAM SHACHIはどんな1年にしたいですか。
今はまだチームしゃちほこのイメージが残ってて、改名したことを知らない人もたくさんいると思うので、それを今年も伝えていきたい。あとは「TEAM SHACHIってこのへんの立ち位置にいる人たちだよね」っていうのが明確になったらいいなって思ってます。音楽的なことはもちろんだけど、ライブとしてもそういうふうに思ってもらえるようになりたい。お客さんによって感じ方は違うと思うけど、アイドルなのか、バンド的なところなのか……私たちはそれぞれのジャンルのおいしいとこどりをしたいから、ポップスを聴く人も、ロックを聴く人も、アイドルを聴く人もガッと持っていきたいし、TEAM SHACHIはその中間にうまくいるよねって言ってもらえるようになれたらうれしいです。
―なるほど。
アイドルはどうしても楽曲よりパフォーマンスとかビジュアルが前に出てくるイメージがあるけど、「楽曲としていいね」って言ってくれる人がもっと増えたらいいなって思います。だから、ストリーミングにも力を入れて企画を組んだりして、音楽をちゃんと聴く人たちに認められる楽曲がつくれたらいいなって。
インダストリアル・ロックが好きなことを新発見
―去年1年、この連載を通じてメタルを中心にいろいろなバンドを聴いてきましたが、何か発見したことはありますか。
私がインダストリアル・ロックが好きっていうことを発見していただいたおかげで、自分がよくわかったっていうのはあります。あと私、多分、LArc-en-CielのKENさんと趣味が合うと思うんです。
なんでかっていうと、今回のLArc-en-Cielさんのツアーで開場中にメンバーがそれぞれ選んだ曲が流れるんですけど、そのプレイリストがSpotifyで公開されたんですよ。それを聴いてみたら、KENさんのがダントツにキタんです。私がめちゃくちゃ好きなパンテラの「WALK」も入ってたし、ゴリゴリなメタルも入ってて。あと、イギー・ポップにも出会えたし、アリス・イン・チェインズもすごく好きで。初めて聴くけど「いい!」って思うものがたくさんありました。ラムシュタインとか、システム(・オブ・ア・ダウン)とか、スレイヤーとか、ジューダスも入ってるし。
―へぇ~!
イギー・ポップさんはすごいびっくりした! すごく、キタ。
―ハマったのはあの声ですか。
うん、あとはリズム。"クセになる感じが好き"っていう部分でリンクする曲が多かったので、KENさんのルーツをもう一度調べようって思いました。
―(KENのプレイリストを見ながら)お、MESHUGGAHも入ってるんだ。この曲は聴きましたか。
聴いたけどなんかわかんなかった(笑)。変わった人なんだろうなっていうのはよくわかりました(笑)。
―MESHUGGAHは超絶な変拍子が特徴で、その時点ですでにカッコいいんですけど、ライブだとその変拍子に合わせて照明が動くんですよ。それが本当にすごい。
そうなんだ! 他の曲も聴いてみよう。
―いや、MESHUGGAHは菜緒さんが「これが好きっていう人は変クレイジーだ」っていうタイプのヤツですよ。
そうなんだ(笑)。
―ところで、音楽の聴き方って変わりましたか。
変わったのかなあ? ああ、プレイリストを上手く使えるようになった気がする。いろんな人がプレイリストをつくってくれてるじゃないですか。そこで新しい音楽を発見することが増えました。それで、プレイリストで気になったアーティストの曲を人気の曲から順に聴いていって、それも気に入ったらアルバムをダウンロードしてます。
―さて、この連載もスタートから1年が経ちました。
私、勝手に半年で終わると思ってたんですよ(笑)。だけど、「あれ? 気づいたら4回目だな。延びたのかな」って。
―いやいや(笑)。ということで今回は、この1年間で最もお気に入りの5バンドを挙げてもらえたらなと。(初回に紹介したバンド名から挙げていく)
あ! ホワイト・ゾンビ! でも、私、結局ロブ・ゾンビのほうがハマったんだ。ロブ・ゾンビって映画も撮ってるじゃないですか。それで、前に映画監督さんに会ったときに、「私、映画は全然観ないんですけど音楽は好きで、特にロブ・ゾンビが好きです」って言ったら、「あ、それ、オーディションで言ったほうがいいよ」って言われました(笑)。
―マジで(笑)。
「ロブ・ゾンビが好きな子ってあまり聞かないし、お芝居関係の人は音楽知らなくてもロブ・ゾンビのことは知ってるから、そういうのは言ったほうがいいよ」って。
―へぇ~!
あと、Ailiph DoepaもYouTubeでずっと聴いてました。
「Machu Picchu」と「Lemon」。
―こないだ、別の媒体でAiliph Doepaのインタビューをしたので、メンバーに菜緒さんのことを伝えておきましたよ。
え、本当ですか!? うれしい! あとは、なんだっけ? ない、ない、ないん……。

Photo by Takuro Ueno
―ナイン・インチ・ネイルズ。
そう! 今までも聴いてたけど、流しちゃうぐらいだったのが、「あ、この人のここが好きだったんだ」って。
―自分が好きになるポイントがわかってきた。
うん、そう。
咲良菜緒が選んだトップ5
―連載で聴いてもらったときの反応はそこまででしたけど、その後、ブリング・ミー・ザ・ホライズンを好きになってますよね。
あ、フェスで観たんですよ。私、ライブでハマるタイプなんですよね。なんかねえ、MARVEL感? ステージからあれだけ火が出てても全く違和感がなくて。
―ド派手な演出にも負けないパフォーマンスですよね。
そう、そう。フェスなのに自分たちの色に染める感じがすごくて。最初は「ちょっと観てみようかな」ぐらいの気持ちだったんですけど、めっちゃハマっちゃいましたね。
―ミニストリーはどうですか。
あー、結局そんなに聴かなかったかも。よかったとは思ったけど、結局すごくヘビロテしたのはラムシュタインとロブ・ゾンビ。そこのふたつが強すぎちゃったかもしれない。
―では、トップ5は、ラムシュタイン、ロブ・ゾンビ、ナイン・インチ・ネイルズ、Ailiph Doepa、システム・オブ・ア・ダウンということで。
うん、かなあ。
―こうして挙げてみると、菜緒さんの趣味がわかりやすくなりますね。
あ、本当に? いい感じ?
―いい感じいい感じ。
音楽はもちろんだけど、ライブで惹かれちゃうってことは、ビジュアルとかパフォーマンスみたいに視覚から入る部分もけっこう重要視してるんだと思います。音楽の世界観をちゃんと見た目でも表現できてるかっていう。
―そもそも、そういう音楽が菜緒さんのルーツですもんね。
そうそう。そういうところはけっこう気になるかもしれない。こっちもそのほうが入りやすいし。
―で、この連載の今後なんですけど、ラムシュタインにたどり着いた時点で、ある意味頂上に登っちゃった感が僕のなかであって。
そうなんだ(笑)。たしかに素敵な出会いでした。
―なので、今日は今後の展開を菜緒さんと一緒に考えたいなと。
(すぐに手を挙げて)私、気になるジャンルがあるんですよ。
―ほお。
ヒップホップ!
―おお~!
え、ダメ?
―いや! あまりに意外だったので驚いたけど、すごくいいと思います。
もともとヒップホップが混ざってる音楽がけっこう好きだなと思ってて。
―去年、アンスラックスの「BRING THE NOISE」を聴きましたよね。
うんうん、メタルとラップとあのノリ。そういうのがずっと好きで。そういう音楽に初めて出会ったのはリンプだったんですよ。でも、ヒップホップだけのを聴いてみたけどあまりわからなくて、途中で飽きちゃって。
―うんうん、わかります。菜緒さんはどういう感じのノリが好きなんですか。
基本、低い感じの声。
―そこはメタルと同じなんですね。
自分たちの曲でもラップパートが好きなんですよ。でも、まずヒップホップっていうのがなんなのかよくわかってない。私が最初に”ヒップホップ”って言葉を聞いたのはダンスだったんですよ。だから、ダンスと音楽の違いがあいまいで。
―それは正しいですよ。音楽、ダンス、アートとか全部ひっくるめてヒップホップなので。
へぇ~! じゃあ、全部一緒なんだ。偶然一緒になってるのかと思った。
―そうじゃないんですよ。すべて一緒のカルチャーなんです。それにしても、まさかのヒップホップですか。
でも、本当に全然知らないから。本当にわかんない。Spotifyのグローバルランキング見るとヒップホップってめちゃくちゃ多いじゃないですか。
―流行ってますからね。
そう、だから海外だとすごい人気なんだと思って。でも、あまり身近ではないから、今は外では流行ってるってことだけわかってる状態。
名古屋を代表する伝説のユニット
―なんとなくですけど、菜緒さんはヒップホップも90年代が好きなんじゃないかっていう気がするんですよね。
あ、そうなの?(笑)結局、90年代が好きなんだ。でも自分でもそう思う。昔過ぎるとちょっとね。
―メタルもそうでしたけど、80年代よりも前になると音がちょっと軽く聴こえてしまうんでしょうね。
そうそう。だから、90年代がいいんでしょうねえ。
―ちゃんとローが効いてて。
ちゃんとしっくりくる感じ。日本だと誰がいますか?
―日本で今人気があるのは、BAD HOPっていう川崎出身のグループです。去年、武道館を即完させましたよ。
ええ、すごい! 武道館やってるのに全然知らなかった。
―名古屋だとAK-69とかいますよね。
そうですよね!
―あと、名古屋にはILLMARIACHIっていう伝説のユニットがいたんですよ。TOKONA-XというMCが名古屋弁でラップをしてて。
へぇ~。
―じゃあ、手始めにILLMARIACHIから聴いてもらいましょうか。
いるまりらっち?
―イルマリアッチです(TOKONA 2000 GT / ILLMARIACHIを聴いてもらう)。
えー、私の好みに合わせて選んでくれたのかと思った! 私、気だるいのが好きなんですよ。この人たちの音はすごく低いじゃないですか。だからすごく聴きやすいです。
―これ、歌詞が名古屋の街案内になってるんですよ。
へぇ~。……あ、”矢場町パルコ”! これ、好きかもしれない! これまで聴いてきたのは跳ねるラップばかりだったから、これぐらいのリズムのほうが好きなのかも。自分が持ってたヒップホップのイメージと全然違う。もっとカッコつけてるイメージだったんですよ。
―ああ、わかります。
すごいね、この曲。これ、カバーしたい……。
―あはは!
(マネージャーに向かって)これ、カバーしたい! これ、めっちゃよくない? アレンジしたら全然変わりそう!
―たしかにね。リリックをTEAM SHACHI流の名古屋案内にして。
うんうん、そうそう。これ、すごい。すごいすごいすごい! 名古屋にこんなにいい歌あったんだね! 全部言ってくれてる! もっと町中で流してほしい! うん、ヒップホップのスタートダッシュ、いい感じです! 楽しみ楽しみ楽しみ! やったー!

Photo by Takuro Ueno
野外ワンマンライブ「SHACHI SUMMER」
TEAM SHACHI 「SHACHI SUMMER」
6月14日(日)open 16:00 / start 17:00
大阪・大阪城音楽堂
※雨天決行・荒天中止
【チケット】
■指定席 ¥6,500(税込)
■ファミリー席 ¥6,500(税込)
■学割 ¥5,500(税込)
【チケットぴあ プレリザーブ先行<抽選>】
●受付期間:3月23日(月)11:00~3月30日(月)11:00
●受付URL:https://w.pia.jp/t/teamshachi-o/
◎SHACHI SUMMER
http://teamshachi.nagoya/shachisummer2020/
編集部おすすめ