米ミネソタ州知事のティム・ワルツは現地時間5月31日、ラッパーのジェイ・Zから電話を受け、ジョージ・フロイド氏が白人警官に殺害された事件について語られたと、CBSニュースのローカル版「CBS Minnesota」で触れた。

ジョージ・フロイド氏が白人警官に殺害された事件に伴い、ミネアポリス、セントポールのツインシティからアメリカ全土に波及した暴動の中、ミネソタ州知事のティム・ワルツは日曜、「昨夜、ジェイ・Zから電話を受けた。
国際的なパフォーマーとしてではなく、一人の父親として、ここで正義が執行されるべきだと強調してくれた。一人の人間であり、父であり、黒人である被害者の耐えがたい痛みを知るものとして、彼の言葉は、今こそ正義が執行されるべきだということだった」と語った。FOX 9で、ワルツ知事は、CNNのコメンテーターと活動家のヴァン・ジョーンズが自分とジェイ・Zを繋げたのだと伝えた。

「ジェイ・Zは、今回の事件に対して訴えを起こしている人々に同情と慈悲を感じていると言っていた。彼は、ミネソタ州がこの騒動にどう対応するかは、アメリカ全土に影響があり、世界中がそれに注目しているということを知っている。ジェイ・Zのように存在感がある才能に恵まれた人が、今現在のミネソタ住民と同様に、騒動に注目しているということを示すポジティブなサインだ」と、ワルツ知事は述べた。

また、5月31日、ワルツ知事は、ジョージ・フロイド氏に関する全ての司法手続きが、ヘネピン郡の弁護士マイク・フリーマンから、ミネソタ州司法長官のキース・エリソンへ引き継がれると報告した。フリーマン弁護士は、「事件に関する新たな事実が見つかり、司法長官の助けになり、ノウハウが役立つだろう」と語った。

ジェイ・Zは、「俺たちの真剣な意見交換の後に、ワルツ州知事がキース・エリソン司法長官にジョージ・フロイドの殺害のケースを引き継ぐよう要請してくれたことに感謝したい。ワルツ州知事は今朝、父であり、痛みを感じている一人の黒人である俺と人間同士の会話をしたということを報告した。そうだ、俺は人間だ。そして父であり、苦しむ一人の黒人であり、そういう人たちはたくさんいる。
アメリカ中の人々が苦しんでいる今、俺はその一人として、エリソン司法長官に要求する。正しい判断をして、ジョージ・フロイドの殺害に関わる全員を、法のでき得る最大の範囲で起訴してくれ。これは最初の一歩に過ぎない。俺は自分を抑圧する奴らの誰よりも、正義のために闘う覚悟ができている」と語った。さらに、「アメリカの政治家、検事、警官を全員説き伏せて正しいことをする勇気を持たせてやる。自分自身を見つめ、俺たちを人間として、父として、兄弟や姉妹として、そして母として見る勇気を持つんだ」。こう付け加えた。

5月30日、ビヨンセはInstagramに、ジョージ・フロイド氏の殺害に対し、正義が執行されることを強く求める動画を投稿した。

この投稿をInstagramで見るBeyoncé(@beyonce)がシェアした投稿 - 2020年 5月月29日午後8時13分PDT
フロイド氏の死に関連して、四人の警官が解雇されたが、現在はそのうちの一人しか罪に問われていない。フロイド氏の頸部を9分間に渡って膝で圧迫したデレク・ショーヴァンが、三級計画殺人と二級過失致死の罪に問われている。

ワルツ州知事は5月31日(日)の記者会見で、フロイド氏の死は"計画殺人"であり、解雇された他の三人の警官についても罪に問われる必要があることを認めた。
編集部おすすめ