対面接触やウイルス感染のリスク削減対策として、性行為中にマスクを着け、「趣向を凝らした体位」を取り入れるよう提案した。
だが嘲笑の大半は、Daily Callerのような右派メディアやSupport Donald Trumpといったトランプ支持サイト、はたまたマット・ウォルシュ氏やベン・シャピロ氏など評論家たちによるものだった。
ジョージア大学の広報担当者は、地元の新聞アテネバナーヘラルド紙にこう語った。「ガイドラインの情報は、メイヨー・クリニック(全米優良病院ランキング1位に輝いた総合病院)をはじめとする全国複数の保健衛生サイトや医療サイトの文言に合致しておりました。しかしながら、ソーシャルメディアで嘲笑、揶揄、批判の的になったため、削除することにいたしました」
コロナ禍における「安全なセックス」に関する規制が右派メディア集団の餌食になったのは、今回が初めてではない。先月にはカナダのブリティッシュコロンビア州の疾病予防管理センターが、感染を防止するために「対面での密接を防ぎつつ、性的接触を可能とするような、壁のような仕切り(穴をあけた仕切り越しに行為をする)の使用」を提案し、大きな話題になった。性に対する左派の寛容な態度が行き過ぎた例だとして、Telegramの極右スレッドや反ワクチングループの間で取り沙汰された。カナダのとある右派のサイトは、「リベラルな政府」がカップルにグローリーホール(性行為に使用する壁にあけた穴)を勧めていると非難するキャプションに、口を半開きにしたジャスティン・トルドー首相の思わせぶりな画像を添えたミームを投稿した。
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もちろん全文を通して読めば、ブリティッシュコロンビア州の疾病予防センターがグローリーホールを使った安全なセックスを積極的に呼びかけていたわけではないのは明らかだ。むしろセックスの前後に手洗いをするとか、コンドームを使って体液との接触を制限するなど、リスク削減策の一例として挙げているに過ぎない。同じことはジョージア大学のガイドラインにも言えことで、セックスパートナーの人数を減らしてウイルスに接触する危険を減らすなど、常識の範囲で安全なセックス対策を呼びかけていた。
ジョージア州の感染率は18~29歳の若年層が最も高い
ジョージア大学の対応から透けて見えることがあるとすれば、これほど嘲笑や揶揄の的となったがために、結果的に今回の助言が若い人々のもとには届かなくなってしまった、ということだ。このような情報がもっとも必要な層であることを考えると、ちょっと問題だ。ジョージア州の統計によると、COVID-19の感染率は18~29歳の若年層が最も高い。全般的にみても感染率は爆発的に増えている。ジョージア州では1日の死者数がパンデミック始まって以来の最多数を記録した。にもかかわらず、ジョージア大学をはじめ多くの機関が再開に向かっている。明らかにジョージア州の若者たちは、ウイルス感染に対する警戒を怠っている。
もちろん一部の人々は、大学のガイドラインをこき下ろすTikTok動画を投稿したジョージア大学の学生キャロライン・A・スミスさんのように、倫理的理由で反対しているわけではなく、むしろパンデミック中の授業再開に対する大学側のお粗末な対応に当惑している。こうした批判は大勢の学生の間で見られ、中には再開初日に学内で「ダイイン(死体のように床に寝そべり、抗議する行為)」を行った者もいた。
「ジョージア州のCOVID-19対策は、すでに目も当てられないような状態だわ」とスミスさんは言う。「1年目は対面授業を必須にすることで、大学側は学生やスタッフの安全よりもお金が大事だということを証明したようなもの。
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from Rolling Stone US