おそらくTikTokをよく使っている人なら、おすすめページにImperialが出てきたことがあるだろう(現在本人のアカウントは非公開)。
プライベートパーティで自分の父親と鉢合わせしたことや、ステージで踊っている最中に糞を投げつけられたこと、嫉妬深い妻や恋人たちから襲われたこと、クラブで発砲事件に巻き込まれたこと云々といった話でその名を知られるようになった。初期の動画には半分アメリカ、半分オーストラリアのような風変わりな訛りがあった。最近はほとんど見られないが、本人は言語障害のせいだと言っている。
【動画】ストリッパー時代の「すべらない話」とキュートな仕草で人気爆発
Imperialの動画がこれほど話題になった理由は誰の目にも明らかだ。彼女のコンテンツは面白いし、共感する部分があり、ちょっとどころかかなり過激。しかも社会的烙印を押された職業の実情を、ある程度だが、垣間見せてくれる。8インチのハイヒールやリビングルームに設置されたポールダンス用のポールをフォロワーに披露することで、Imperialは時にメインストリーム社会から蔑まれ、非難される職業に人間らしさを加えた。
ただし、問題がひとつある。
セックスワーカーたちは「無責任だ」と激怒
自称この道11年のダンサー、ジェシカ・カインドさんいわく、暴力的あるいは好色な顧客連中を相手にするセックスワーカーとして面白おかしく語るImperialの話は、すでに社会的烙印を押されたコミュニティに実害を与えている。「彼女は、私が属するコミュニティへの暴力をネタにしてこれだけ多くのフォロワーを集めていたんですよ」と彼女は言う。
カインドさんはstrippayogaというハンドルネームで、「ストリッパーを格下げするような話をネタにして、にわか人気を得た」と、Imperialを非難する投稿をTikTokにあげた。この動画は大勢のImperialのフォロワーから相当叩かれ、Imperialがたくさんフォローされているのをやっかんでいるんだ、と責められたが、100万回近く閲覧された。「こういう話をそのままにしておけば、ダンサーはこういう仕打ちを受けるのが当たり前だと思われてしまう。そもそも、なんでこんな仕事を選ばきゃならないのか、と」とカインドさんはローリングストーン誌に語った。「普通のクラブではこんなことは起きないと知ってもらうことが大事なんです」
ローリングストーン誌のコメント取材依頼にImperialからの返答はなかった。だが激しい批判をうけて、彼女はTikTokにいくつか動画を投稿し、自分はどの話でも誇張や捏造はしていないと言った。「ちょっと演出を加えて、実際よりもドラマチックな状況にした部分はある。でもよくよく考えれば、話自体はそこまでドラマチックじゃないでしょ」と言って、彼女はさらにこう付け加えた。
カインドさんいわく、もっともいただけないのは、ImperialがTikTokの中で警備員や用心棒の存在に触れていない点だ(唯一例外として、銃を向けられたときに警備員が割って入ったと語っている動画はある)。「クラブの大半は2つのことを最優先しています。ひとつはストリッパーに稼がせること、もうひとつはストリッパーに稼いでもらうために女の子の身の安全を確保することです」とカインドさん。「個人宅で開かれるプライベートパーティでさえ、それほど警備は厳しくないにしても、用心棒を置いたり安全対策を施したりしています。どこの馬の骨ともわからない連中が現れて、女の子をケガさせないようにね」。用心棒や警備員がいれば、糞を投げつけられたとか香水をプンプンさせた嫉妬深い妻に襲われたとか、Imperialが動画の中で語っている事件の多くは理論上防げたはずだ。
Imperialは動画の中で、自分はクラブに所属せず、プライベートパーティで稼いでいると繰り返し言っている。またOnlyFansにもアカウントを持っていて、毎月15ドルで規制対象のヌード画像を主に販売している。ローリングストーン誌が取材したダンサーの大半が、プライベートパーティを専門にするダンサーは全くいないとは言わないが、極めてまれだと語った。プライベートパーティはほとんどの場合、クラブでのコネを通じてオファーされるものだからだ。ImperialのWEBサイトは、顧客になりそうなユーザーが仕事を依頼できない仕様になっている。18万1000人を集めているInstagramにも、ダンサー業界の常で、今後の出演予定を宣伝する投稿はない。
同級生たちの証言「彼女はガンにかかっていると嘘をついた」
セックスワーカーはImperialの動画の発言にもフラグを立てている。例えばある動画の中で、ImperialはプライベートパーティのVIPルームになるセンターステージに立ったと口にしている。彼女と同じ高校に通っていたというセックスワーカーの通称ルナさんいわく、クラブのVIPルームに普通ステージはないそうだ。また通常プライベートパーティはホテルの客室や個人宅で行われるので、プライベートパーティにステージがあるなんて聞いたことがない、とも言った。
だが最大のNGポイントは、Imperialがダンサーとしてキャリアをスタートした時期だ。ImperialはTikTokで、17歳の時にストリッパーを始めたと言っている。だが多くの州では、認可を受けたストリップクラブで働ける合法的な年齢は18歳から、と定められている(クラブではアルコールが提供されるので、普通は21歳から)。大半の雇用主は、とにかく法的責任を問われないために、ダンサーが成人であることを証明する政府発行の身分証明書など大量の書類をそろえる必要がある。未成年の彼女が個人企業に雇われていた可能性もなきにしもあらずだが、ローリングストーン誌が取材したダンサーによれば、それもあり得ないそうだ。
Imperialの中学時代の同級生グレイス・ザオさんは、以前別のInstagramのアカウントで(現在は削除されている)Imperialをフォローしていた。4月30日、まだ高校3年生だったImperialは「高校卒業後の夢は、ストリッパーになること」というストーリーをInstagramに投稿した。ImperialがTikTokで、エキゾチックダンサーの仕事について語り始めたのと同じ月だ。「つじつまが合わないでしょう」と言ってザオさんは、問題の投稿のスクリーンショットと、彼女との関係を裏付ける中学の卒業写真をローリングストーン誌に提供してくれた。
おそらくもっと重要な点は、ローリングストーン誌が取材した5人の元同級生によれば、彼女は過去に突拍子もない、あるいは根も葉もない話をでっちあげていたことだ。元同級生の1人ダニエラさん(プライバシー保護のため仮名)は、商業高校でImperialの1年先輩だった。Imperialはそこで美容師の勉強をしていたという(ダニエラさんの姉も彼女の話を裏付けた。2人はImperialとの関係を証明する写真も提供してくれた)。ダニエラさんの記憶では2018年、高校2年生だったImperialは、ステージ5のガンにかかっていると学校中に言って回っていたという。「彼女は『もう子供は産めない、タトゥーも入れられない』と言っていました」とダニエラさん。「そのあと写真を見たら、(腕に)大きなタトゥーが入っていました。訳が分かりませんよ、なぜあんな嘘をつくのか」
現在19歳のルナさんの話では、高校に上がったばかりのころImperialから肺ガンにかかったと聞かされたそうだ。
17歳の時にポルノ業界に入るよう「操られた」と主張
Imperialのページのコメント欄には、ローリングストーン誌が取材していない少なくとも2人の元同級生が、この疑惑についてやはり指摘している。Imperialはこれらのコメントに直接リアクションしていない。中にはImperialがTikTokでこうしたユーザーをブロックし、似たようなコメントをいくつも削除していると主張する投稿者もいる。
またルナさんの話では、Imperialは他にもささいな嘘、たとえば誕生日でもないのに友人を家に呼んで誕生会をしたこともあったという。
インターネットで大勢のフォロワーを抱える人間が、知名度を確立するために話を盛ったり、経歴を誇張してでっちあげることはそれほど珍しくもない。Imperialがついたとみられる嘘の多くは若気の至り、あるいはネット上で注目を集めたがる若者の願望として済ませることもできるだろう。だがローリングストーン誌が取材したセックスワーカーや元同級生は、最新のTikTok動画でImperialは一線を越えたと感じている。彼女は経歴のつじつまが合わない部分を説明するために、真実か否かはさておき、ポルノ業界に関するもっとも悪質な誤解を強調するような穏やかならぬ話をでっちあげた。
Imperialは動画の中で、17歳の時にポルノ業界に入るよう「操られた」と主張している。本人の主張によれば、15歳のときに出会ったある人物から、自分のために踊ってくれと言われたそうだ。その男はやがて彼女を友人の家へ連れて行き、彼女は金と引き換えに彼らの前で踊った。だが、プライベートパーティを本職にするようになったのは17歳になってからだと本人は言っている。「未成年だったから、いいように利用されたの。ストリッパーになるよう操られたの」と彼女は動画の中で語り、今も業界に残っているのはこの仕事が好きだから、大金を稼ぐ唯一の方法だからだ、と付け加えた。この動画を最後に、彼女はもう一週間以上動画を投稿していない。
セックスワーカーへの偏見を利用して作り上げた「虚像」
ローリングストーン誌が取材したセックスワーカーの大半は、この主張の信ぴょう性について真向から反対している。もし本当なら、性的人身売買にあたるというのだ(Imperial自身はTikTokの中であからさまに「人身売買」と言う言葉は使っていない)。売春に反対する活動家は同意の上でのセックスと人身売買をごっちゃにする傾向にあるが、悲しいかな、若い女性が搾取的あるいは暴力的なパートナーに騙されて売春するというケースがないわけではない。とはいえ、Imperialの他の動画と照らし合わせれば、Imperialが自分の信用をこれ以上問われないよう、世間の目をそらすためにこの話をでっちあげたのでは、というのがローリングスト―ン誌が取材したセックスワーカーたちの考えだ。メキシコで実際に人身売買の被害に遭った友人がいるというルナさんも、Imperialの話を信じていない。Imperialがこうした話をでっちあげたとして、ことのほか怒りをあらわにしている。「性的人身売買は日々起きています。こんな嘘をつくべきじゃありません」
「本人が言うようにダンスを強制された、あるいは売春させられたのなら、とても危険な状況です。彼女には助けが必要です」とガンさんも言う。だがもしこれが嘘なら、「ソーシャルメディアがセックスワーカーに対してひどい仕打ちをしている時に、彼女は私のコミュニティにさらに悪質な害をもたらしていることになります」
残念ながら、これが大勢のダンサーたちがImperialに怒りを向けている最たる理由だ。インターネット上で身分を偽ったり誇張したりするのは珍しくもなんともないが、彼女の場合は、よく言えばセックスワーカーに対して抑圧的、悪く言えば悪意をむき出しにするエコシステムでとんでもない地位を勝ち得てしまったのだ。
TwitterやInstagramといったソーシャルメディアは、職業故にセックスワーカーらを裏で排除していると非難されているが、TikTokの場合も、合法的か否か、コミュニティガイドラインに違反しているか否かに関わらず、売春に言及したコンテンツを検閲していると批判されている。ローリングストーン誌が取材したセックスワーカーの大半が、「ストリッパー」という言葉を使ったとか仕事用の靴を披露したとか、ありとあらゆる理由で一度ならずやTikTokから動画を削除されたことがある、と語った。セックスワーカーたちはTikTokの検閲を逃れるために、動画やユーザーネームでsexやstripperの綴りをわざと間違えて投稿している。「自分たちの仕事を当たり前の仕事と見なしてもらおうと努力している私たちは、セックスワーカーであるがゆえにTikTokやInstagramから検閲を受けているのに、アダルト業界について嘘をついているような人が、大勢の未成年者から絶対的支持を得ているなんて」とガンさんも言う。(TikTokの代表者はローリングストーン誌の取材に対し、セックスワーカーが検閲されているのは動画の中でこれらの単語を使ったからではない、と述べた。ただし、同アプリのコミュニティガイドラインは「性的勧誘を確約、宣伝、美化するコンテンツ」を禁じている)。
Imperialと個人的に関りのあった人々は戸惑い、彼女がインターネットで築き上げた人物像にいら立ちを隠せずにいる。ダニエラさんはImperialとはもう連絡を取り合っていないが、もしまだつながっていたら開口一番、なぜあんな嘘をつくの?と質問するつもりだ。「彼女はメイクの腕もぴかいちの、本当に素晴らしい人間です」とダニエラさん。「人生で他にもやれることはたくさんあったはずなのに。プラス思考を持てば、メイク動画だって作れたのに。でも彼女はそうする代わりに、自分ではない別人になろうとした。その結果自分が作り上げた人物像に囚われて、それに呑み込まれてしまったんです」
from Rolling Stone US
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