近年はあまり見かけなくなった「グランジvsヘアメタル」非難合戦の口火を切ったのはヴェダーだった。
「自分だったら絶対に行かないような公演にぶち当たった――80年代後期にMTVを独占していたバンドだ。悪気があるわけじゃないが――俺が軽蔑していたメタルバンドさ。モトリー・クルーの「ガールズ、ガールズ、ガールズ」。まったく。俺は大嫌いだった。あいつらがあんな扱われ方をしているのが気に入らなかったし、女性たちの描かれ方も嫌だった。まるで中身がなかった」
さらにヴェダーは、ガンズ・アンド・ローゼズがグランジロック前夜を「いくらか骨太」にしたと評価し、女優ヘザー・ロックリア(モトリー・クルーのドラマー、トミー・リーの元妻)を遠巻きに攻撃。「90年代にビスチエを着ていた人間で、俺が唯一認めるのはペリー・ファレル(ジェーンズ・アディクション)だけだ」と言い放った。
ニッキー・シックスの反撃
ついに2月4日、パール・ジャムのシンガーの悪口はニッキー・シックスの耳にも届いた。モトリー・クルーのベーシストはTwitterで応戦し、「今日はパール・ジャムのシンガーがモトリー・クルーを嫌っていたという記事を読んだ。笑わせるぜ。
ファンのツイートに対し、シックスはヴェダーの歌い方を「ビー玉を頬張って」歌っているようだと喩え、ヴェダーの援護に回ったパール・ジャムのファンのツイートには「髪を染めていないファンのために演奏する、髪を染めていないバンドは世の中にごまんとあっただろう……探してみろよ。退屈そうな顔つきですぐにわかるぜ」と答えた。
ありがたいことに、ヴェダーとシックスはこの先数カ月、顔を合わせることはなさそうだ。ヴェダーはスタートしたばかりのソロツアーの真っ最中。モトリー・クルーとポイズンは、この夏コロナで中止されていたスタジアムツアーをようやく再開したところだ。
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From Rolling Stone US.