【写真を見る】流出した写真の一部
キャンパス内の治安を取り締まるUWマディソン校大学警察(UWPD)は、リベンジポルノとして捜査に乗り出した。
昨年12月のビッグ・テン・カンファレンス選手権で優勝した後、ロッカールームで祝うするバッジャーズの様子を収めた画像が最初に表に出たのは10月18日、バレーボール全般を話題にする4chan(英語圏を対象とした世界最大規模の画像掲示板)のスレッドだった。画像には、全米タイトル獲得直後なら当然な流れで、女子学生たちが様々な露出度でくつろぐ様子が写っている。キャプションによれば、祝賀会の一部はSnapchatアプリで撮影されたようだ。
写真はアダルト掲示板にも拡散される
数時間後、とあるRedditユーザーがアダルトフォーラムに1枚の写真を投稿した。「麗しき大学スポーツ選手を称える」。そのフォーラムでは、選手自身のソーシャルメディアから写真を引っ張ってくるのが常だった。フォーラムのモデレーターは問題の投稿を削除したが、すでに複数のユーザーが写真をダウンロードしていた。後からフォーラムに参加したユーザーは、写真を保存したユーザーに転送を依頼した。削除される前に何とか写真を入手したユーザーは、「融通の利かないモデレーターだな」と不平をこぼした。モデレーターは、一般公開されている着衣姿の選手の写真は残したものの、写真につけられた2件のコメントは削除した。
きわどい画像は他のサイトにも拡散した。ユーザーの反応はおしなべて非同情的で、画像を手に入れようとするか、試合の観客動員数が増えると予測するか、そもそも選手たちはああいった写真を撮るべきではなかったと非難するかだった。10月24日、あるTikTokユーザーは「fyp(動画をお勧めするFor Your Page)」から引っ張ってきたとして、ロッカールームの動画のひとつを投稿した。次はカリフォルニア大学ロサンゼルス校女子バレーチームのヌード写真が流出してほしい、というツイートには1万5000件のいいねがついた。他にも大勢のTwitterユーザーが、流出コンテンツのリンクをまとめたサイトのリンクを、「選手別に分類」あるいは選手の名前を列挙した形で投稿した。女子学生たちがこのようにさらし者にされることを嘆く声は聞かれず、ボーイフレンドや兄弟や父親がどれほど辛い思いをしているか、といったことがたびたびジョーク交じりに囁かれた。
ローリングストーン誌はUWマディソン校大学警察(UWPD)と大学陸上部にコンタクトし、ソーシャルメディアでの動向や事件の経過についてコメントを求めた。「捜査が現在進行中であることと、本学学生のプライバシー保護の観点から、現時点では先週発表した声明以上のことはお答えできません」と、ウィスコンシン大学陸上部のパトリック・ハーブ広報部長は答えた。UWPDからはいまだ返答はない。
チームのパフォーマンスには影響無し
一連の騒動はチームのパフォーマンスには一切影響しなかった。
結局のところ、今回の件ではあらためて残念な事実を思い知らされた。セレブのヌード写真が大量に流出し、全米でリベンジポルノに関する議論が行われ、新しい法律やアプリのコミュニティ・ガイドラインが作られてから10年近くも経っているのに、事件に対する世間の反応はなんとも子供じみていて、搾取的で、無慈悲だ。まだ写真を見たことがないその他大勢も、写真に関する騒々しいコメントに加わって好奇心丸出しだ。UWマディソン校はチームに責任はないと断言したものの、被害者いびりの波を未然に防ぐことはできなかった。仮に流出した犯人が逮捕・起訴されたとしても、画像をすべて回収することはできない。女子生徒たちは事件を引きずったまま生きていかなくてはならないだろう。せめても、この件に関して大騒ぎせず、そっとしておいてやろうではないか。

掲示板に流出した写真
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