【動画を見る】マネスキン×トム・モレロのインタビュー動画
トム:マネスキンはお気に入りのバンドだ。自分のルーツもイタリア系なので、同胞として君たちを誇りに思ってるよ。正直、イタリア出身のロックンロールバンドがそんなに話題になってると聞いた時は、嘘だろ?って思ったけどね(笑)。君たちは、明らかに若い世代のロックンロールを代表するバンドだ。様々なバンドがロックンロールを語り継いできたが、今の若い世代にはマネスキンがいる。ハリウッドのスタジオで彼らとジャムセッションをした時には、本当に圧倒された。巷に溢れてる似通ったバンドとは一線を画しているんだ。作曲、作詞もそうだし、ヨーロッパのフェスの映像を見てごらん。90年代の有名なバンドがオーディエンスを沸かせていた光景を彷彿とさせたね。君たちが本物だってことを物語ってた。
ヴィクトリア:トムとのセッションはとても光栄だった。
「GOSSIP」については、トーマスがリフを思いついたの。みんなでロサンゼルスに2カ月間滞在して制作したんだけど、彼は一人スタジオにこもって、ずっと大量のリフを作ってた。完成したリフを彼が持ってきて、その後の制作は順調に進んでいった。
トーマス:初めはクラシックっぽいサウンドにしようと考えてたんだ。だからリフのデータの名前を「クラシック」にしてたと思う。
マネスキン一同:ああ、確かにそうだった!
ダミアーノ:タイトルについては、今、社会が抱えている様々な問題を要約したくて、あえて曖昧な定義の言葉「GOSSIP」にしたんだ。この曲は、能力主義や価値基準、美学のヒエラルキーについて問題提起している。とくに若い世代は、SNSやその他メディアからのプレッシャーに晒されながら生きてるわけで――そんな状況に対して、少し皮肉を込めて批判しようと思ったんだ。
ジャムセッションを振り返って
ヴィクトリア:制作のプロセスに関して言えば、大体は即興演奏(ジャミング)。今までもみんなで聴いて、気になる箇所を編集していくっていうスタイルで作ってきたの。
ダミアーノ:はじめに書いた歌詞は、あまりピンとこなくて気に入らなかったんだ。だから、もっと意味のあるものに書き直そうってことになった――よりハードで荒々しいものに。いつもは一人で歌詞を書いてるんだけど、曲自体の意味を変えようってみんなで決めたから、今回は意見を共有しつつ歌詞を変えた。言葉やフレーズの一つ一つを確認しあえたのは、良い経験になった。
イーサン:共有することって、勇気がいるからね。

Photo by Fabio Germinario
トム:ジャムセッションの選曲は、悩むこともなくすぐに決まった。感覚的にこれだって思ったね。1回聴いた後には、もう確信してたよ。曲のコアの部分が自分のスタイルと合っているって感じたんだ。激しく、暴力的な部分だね。
ヴィクトリア:激しく暴力的、いい表現ね。
トム:ギターソロは、色々試すために何回かテイクを重ねた。レコーディングに関しては、サウンドがロックに感じたから、あまりエゴを主張せず、彼らにオプションを提示したんだ。典型的なシュレッディングなソロか、R2-D2(『スター・ウォーズ』のキャラクター)みたいなノイズのソロか。最終的には、その2つを組み合わせるかたちに落ち着いた。メロディをうまく引き立ててると思うし、ちょっとした見せ場にもなった。
ヴィクトリア:この曲は今までの中でも多くの人が関わった、私たちにとって大きな意味のある作品になった。強い個性を感じられたし、ジャムセッションのサウンドも完璧だった。ほとんど手を加えてないぶん、荒々しいエネルギーが伝わると思う。これもトムの最高なサウンドのおかげ。
トーマス:ジャムセッションから生まれた曲だから、スタジオの空気感が残っていることが大事なんだ。
ヴィクトリア:ええ、誇張されたりしてない、オリジナルの空気感がね。
ダミアーノ:奇跡的なサウンドはスタジオでしか生まれない。その空気感を作品に保ち続けることができれば、うまくいったも同然だね。
From Rolling Stone US.

マネスキン
『RUSH!』
2023年1月20日リリース
再生・購入:https://ManeskinJP.lnk.to/RushRS
初回限定盤:2022年の来日時の模様を収めたスペシャルフォトブック、初来日公演(8月18日:豊洲PIT)のライブ盤CDを付属
購入:https://SonyMusicJapan.lnk.to/Maneskin_RushfeRS