【画像を見る】イルカの勃起した性器につかまり助かった女性
ジャーナリストとして30年以上活動してきたベッキー・ミリガン氏は、バンドウイルカのフレディとの出会いを今もはっきり覚えている。
「みんなあのイルカのことは覚えてますが、その後の顛末は知らないでしょう」とミリガン氏はローリングストーン誌に語った。
独立制作会社Blanchard House社が制作し、プラットフォームWonderyで配信中のポッドキャスト『Hooked Freddie』は、地元住民はもちろん全英の観光客もとりこにしたフレディと、動物愛護活動家のアラン・クーパー氏の関係をテーマにしている。クーパー氏は調教師のピーター・ブルーム氏ともめた後、フレディに性的暴行を働いたとして刑事起訴され、タブロイド紙を賑わせた。ミリガン氏も認めるように荒唐無稽な話だが、これがクーパー氏の人生に大きな汚点を残したのだ。
野生のバンドウイルカのフレディはアンブルの住民から愛されていた。だが四六時中一緒にいたクーパー氏とは特別な関係だった。
当時学生ジャーナリストだったミリガン氏は、慢性うつとイルカ療法をテーマにした音声ドキュメンタリーを作ろうと、1987年アンブルへ向かった。20代前半だったミリガン氏はぶかぶかのドライスーツに身を包み、フレディが自分の方に突進してくるのを見て恐怖におののいた。「ヒレがはっきり見えて、『どうしよう、どうしよう、ここから離れたい』と本気で思いました」とミリガン氏は当時を振り返る。
フレディに運ばれて猛スピードで波間をかけ抜けながら、ミリガン氏は息も絶え絶えだったそうだ。船に戻ると、フレディはいったいどうやって自分を運んでいたのか、と救命ボートの整備士をしていたゴードン氏に尋ねた。ゴードン氏はお茶を濁しながら、君は好色なイルカと泳いでたのさ、と答えたそうだ。言い換えるなら、ミリガン氏はフレディの勃起したイチモツにつかまって波をかき分けていたのだ。
「何かがちらっと視界に入って、『ちょっと待って、なんか変だわ』と思ったら、頭から離れなくなってしまいました」とミリガン氏。「フレディはペニスをぴったり私に押し付けて、楽しく水中を飛び回っていたというわけです」。
町の住民を夢中にさせたのも、また『Hooked on Freddie(フレディに首ったけ)』というポッドキャストのタイトルのヒントになったのも、こうした行動だったとミリガン氏は説明する。大量のカセットテープを改めて聞き直したミリガン氏は、ポッドキャストのアイデアをBlanchard House社を創設したクリエイティブディレクターのロージー・パイ氏に持ちかけた。そして2021年からBlanchard House社で司会者を務めている。
「すぐにピンときました」とパイ氏。「それからこう思いました、水中での出来事をテーマにするのは面白いんじゃないかって」。

『Hooked on Freddie』の司会者、ベッキー・ミリガン氏(WONDERY)
全6話シリーズのポッドキャストでは、サウンドディレクターのヴォルカン・キジルタグ氏の計らいで、スペインにあるバンドウイルカ研究所の野生イルカの鳴き声が全編で流れている。
「たった1つの疑惑、ちょっとばかげた、少し変わった、なんとなく気持ち悪い疑惑だとしても、誰かを貶めることができるんです」とミリガン氏は言う。
クーパー氏がフレディと泳いでいるのを船から見ていた人々が、クーパー氏がイルカを手コキしていたと通報したところで、ポッドキャストの雰囲気も一変する。クーパー氏は1991年に性的暴行容疑で裁判所に出廷し、タブロイド紙で話題を集めた。裁判は1時間足らずで閉廷し、クーパー氏の無罪が確定した。
最終的に無罪放免となったものの、クーパー氏にとっては人生を台無しにされたも同然で、ミリガン氏も同情を禁じ得なかったそうだ。現在Wondery+、Amazon Musicなど各種プラットフォームで配信中の『Hooked on Freddie』はバカバカしく、下ネタ系の話であることはミリガン氏も認めている。だが同時に、リスナーが哺乳類動物の自然な行動を理解してくれたらとも願っている。「この話を最後まで聞いていただければ、とても面白いと思いますよ」。
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from Rolling Stone US