【画像】「SXSW 2025」ライブ写真(全19枚)
『TOKYO CALLING』と『INSPIRED BY TOKYO』はこれまでにもSXSWでそれぞれのショーケースを開催してきたが、2つのステージを有するライブハウス・Mohawkで同時開催するのは今年が初となる。本ショーケースのサポートは、日本の音楽業界の主要5団体である日本レコード協会、日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、日本音楽出版社協会、コンサートプロモーターズ協会により設立された「一般社団法⼈カルチャーアンドエンタテインメント産業振興会(CEIPA)」とTOYOTA GROUPによる「MUSIC WAY PROJECT」によって行われた。

北村蕗
本会場の屋内ステージで行われたのは、日本やアジアの次世代アーティストをフューチャーする『INSP IRED BY TOKYO』。トップバッターを飾ったのは北村蕗だ。海外でのパフォーマンスはこの日が初めてと話す北村は、その緊張感が少し伝わりながらも「amaranthus」をしっとりと歌い上げた。ピアノ弾き語り、アンビエント、エレクトロニックが融合された心地良い音色で会場を包み込んだ。

VivaOla
R&BシンガーソングライターのVivaOlaは、オルタナティブなR&Bの魅力が詰まったナンバーを披露し、メロウなムードを会場に届ける。「I'm still jetlagged, so my talking voice is very low, but I'm read y to go crush!(まだ時差ボケで話すと声が低いんだけど、騒ぐ準備はできてるから!)」と、オーディエンスと対話をするような自然なトークで会場との距離を縮めた。

luvis
ネオン輝く東京の街が目に浮かぶ大人な空間から一変、京都出身のシンガーソングライター・luvisのサウンドが、オースティンに春の訪れを知らせるかのように爽やかな風を吹かせた。未発表曲「gimme!(jugem)」では、サビの<gimme! gimme! gimme!>のパートでオーディエンスの声をその場でレコーディングした。(後日リリース予定)

XAMIYA
ドリーミーでエレクトロな楽曲が特徴のユニット・XAMIYAは、遊び心のある音作りで会場を楽しませる。東京のカワイイ文化を彷彿とさせるKAMIYAのドーリー系な衣装にカメラを向けるファンも多かった。

打首獄門同好会
屋外ステージでは、日本最大級のライブサーキットイベント『TOKYO CALLING』の参加アーティストがバンドサウンドを鳴らした。先陣を切ったのは、打首獄門同好会だ。昨年、惜しくも出演キャンセルとなった悔やむ想いを晴らすかのように「筋肉マイフレンド」でドスのきいた重低音を放つと、オーディエンスは拳を上げてヘッドバンギングを始めた。猫好きの気持ちを代弁した楽曲「猫の惑星」や「布団の中から出たくない」など、日常生活をコミカルに表現する打首獄門同好会のステージは、爆音のみならず爆笑を誘った。

眉村ちあき
二度目のSXSW出演となる眉村ちあきは、東京を舞台に今を精一杯生きる人々の葛藤や迷い、生き様をテーマにした「東京留守番電話ップ」や、ユニークなトラックメイクと彼女のハイトーンボイスが光る「インドのりんご屋さん 」、さらにSXSW2025のために作ったスペシャルメドレーなど、渾身の7曲を披露。屋外ステージのSXSWの夜空に響く力強い歌声と独自の世界観を貫くパフォーマンスが圧巻だった。フロアからは「Chiaki Daisuki!(チアキ、ダイスキ!)」の声援も飛び交った。

Enfants
オルタナティブロックバンド・EnfantsがサウンドチェックでRage Against the Machineの名曲をプレイすると、会場にいたロックファンたちが吸い寄せられるようにステージ近くへ。初めてのアメリカ公演にも関わらず、物怖じしない堂々とした佇まいで、全身全霊で歌うボーカル・松本大にカリスマ性を感じたファンも多いはずだ。

東京初期衝動
トリを務めたのは、昨年に続き2度目の出演となるガールズバンド・東京初期衝動だ。ギターボーカル・しーなちゃんが「Japanese famous!」と叫ぶと「メンチカツ」を披露。
本ショーケースについて、SXSWの音楽部門の総責任者を務めるジェームズ・マイナー(VP of Music Fe stival at SXSW)はこう話す。「日本の音楽シーンは成長していて、多様性にも富んでいますよね。アメリカのオーディエンスと日本のオーディエンスは異なります。何度もSXSWに出演するアーティストたちは年々その違いを理解して、自信を高めているのが見受けられます」。
『TOKYO CALLING』と『INSPIRED BY TOKYO』が、日本の音楽のダイバーシティを世界に届けている。「継続は力なり」ということわざがあるように、このショーケースが毎年SXSWで開催されることで、海外のオーディエンスが日本の音楽に触れる入り口となり、着実にファンが増えていることは確かだ。
Text by Megumi Hamura
All Photo credit : (c)森リョータ
<イベント情報>
"TOKYO CALLING × INSPIRED BY TOKYO showcase supported by MUSIC WAY PROJECT"
3月11日(火)アメリカ テキサス州オースティン Mohawk START 21:00(オースティン現地時間)
TOKYO CALLING stage:打首獄門同好会/GOKUMON(Uchikubi Gokumon Doukoukai)/ Enfants /
眉村ちあき / 東京初期衝動
INSPIRED BY TOKYO stage:北村 蕗 / XAMIYA / VivaOla / luvis
TOKYO CALLING × INSPIRED BY TOKYO showcase HP:https://tokyo-calling.jp/showcase/
SXSW HP:https://www.sxsw.com/