今年も千葉・幕張メッセで2日間開催される、国内最大規模のヒップホップ・フェスティバル「POP YOURS 2025」。今年で4回目となるこのフェスは「2020年代のポップカルチャーとしてのヒップホップ」がテーマ。
開催まで1カ月を切った今、総勢43組の出演者の中からヒップホップ次世代スターをクローズアップ。今回はswettyにフォーカスする。

【画像】『POP YOURS 2024』ライブ写真(全87枚)

初の配信曲となった「junkie」(2023年12月)がバイラルヒットして、昨年のPOP YOURSの「NEW COMER SHOT LIVE」にも抜擢されたswetty。ミッドウェスト・エモなどのロック・テイストから、さらに音楽を自由に進化させていく彼は、初のアルバム・リリースも控えているという。

前(のPOP YOURS)は自分が嫌いでそれを変えたくて出たけど、
今年はそういう人でも行けるんだよっていうのを、
自分と同じような人に見せられるライブにしたいと思ってます。

ー音楽とかカルチャーの最初の入り口は?

swetty スケボーですね。大阪の西梅田公園で滑ってて。中学校1年の時に友達がXXXテンタシオンを流してて、カッコよと思って。USはその時はそこまでハマらなくて。最初はEVISBEATS、Nujabesとか、そこら辺を聴いてたんですよ。でも友達にLEXを教えてもらって。「ヤバ! こんなヒップホップ、あるんや」と思って。
電子音、ボーカロイドがスゴく好きやったんで衝撃を受けて。そこからUSも聴くようになったんです。

ーお父さんがロック好きらしいですが、そこの影響もありますか?

swetty けっこうあると思います。グリーン・デイ、ウィーザー、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインとか。幼稚園、小学生の時に聴いてました。

ー自分でも音楽をやろうと思ったのは?

swetty 自分の声は嫌やったから、最初はビートを作りたくて。歌い始めたのはここ1年半ぐらいで。その時に、無理してラップするんじゃなくて、自分が気持ちいいと思う感じでやってみたらいいんちゃうかなと思って。叫んでみたらけっこういい感じになって。これやったらロックをやってみようかなと思って。ミッドウェスト・エモのタイプビートとかあるんかな?と思って調べたら、カッコいいのがあって。それを2年前にSoundCloudに上げたのが、ロックで歌う系の最初です。


ー最初の配信曲である2023年12月4日配信の「junkie」が話題になりましたよね。ONE OK ROCKのTakaがインスタライブで紹介したのをきっかけにバズったと思うのですが、自分としてはどのように見ていました?

swetty 紹介された日は熱が出てて。普段は落ち着いてる先輩がいきなりテンション高くなってて。「おまえ、ワンオクのTakaに紹介されてるよ」って言われたんです。「何言ってんの?」って。想像の斜め上すぎて、最初はドッキリかなと思いました。

ー「junkie」はどのようにして生まれた曲ですか?

swetty 登場人物が薬物をやってる小説があって。依存について考えた時に、恋愛と薬って似てると思って。そこを自分なりに深く掘り下げた曲を作ろうと思って作りました。SoundCloudで一番伸びてた曲だったので、配信はこれでいいかと思ったのは正直あります。

ーSpotify国内バイラルチャートでは1位になりましたが、手応えはどうでした?

swetty 焦りの方が大きくて。知名度と実力が比例してないから。
もっとちゃんと音楽について学んで、自信がついてからそこで評価されたいっていうのもあって。でも今そんなん言ってるけど、曲を作ってた時は必死やったし、周りが上がってたから、上がりたくて必死やったし。結局、ないものねだりやなって思います。

ー「junkie」がバズった後に出した音源は2024年5月のEP『about me』になりますが、そういう思いは入っていますか?

swetty 「junkie」が伸びてからは曲を作れなくて。「I dont care anymore but how about you?」を1カ月ぐらいかけて頑張って作って。POP YOURSが終わって、自分の中で吹っ切れたものがあったので。そこからバーッて作った感じです。

ーPOP YOURS 2024のNEW COMER SHOT LIVEにはどういう気持ちで臨みました?

swetty もうやるしかない。

ーやってみてどうでした?

swetty いやあ、気持ち良かった。

ー「大嫌いな自分にカッコいいところを見せるために来ました」というMCが印象的でした。

swetty 本音を言いたいなと思って。ボルテージが上がって、パッと出た言葉なんです。


ーそこからは音楽をどう追求していきました?

swetty ロックをずっと頑張ろうとしてたけど、自分が飽きたことに気がついて。気づいてからいろいろやってみて、最近はEDMっぽいのにスゴいハマってますね。自分でビートを作り始めたり。タイプビートだけど電子音が激しい系のヤツをやったり。ビートの上にどれだけ気持ちを乗せられるのかということしか考えてないですね。あと、ギターを勉強し始めて。音楽についてもっと深く知りたいなと思うようになりました。

ービートは変われど、歌の部分は変わりませんか?

swetty 「歌」というものに固執しすぎるのはやめたかもしれないです。無理やり全部歌にせんでいいなって思うし。音として気持ち良かったらいいやんと思ってて。

ーもうすぐアルバムも出ますよね。Xの投稿を見ると、遅れているみたいですが。


swetty 昔作った曲を入れて、もう出来たかなと思って聴いたら、昔の曲が良くないなと思って。今も2~3曲作ってますね。けっこう欲張りやから、あれもしたい、これもしたいってなるから。だから今のうちに、「こういうのやんねんで」というのを全部見せておけば、後々リスナーが固まってきた時に、「ああ、こいつやし、こういうことやるよな」ってなると思う。幅見せのアルバムになるかな。

ー今年のPOP YOURSではどのようなライブを見せるつもりですか?

swetty 前と違うのを見せれればいいかなと思ってて。前は自分が嫌いでそれを変えたくて出たけど、今年はそういう人でも行けるんだよっていうのを、自分と同じような人に見せられるライブにしたいと思ってます。

ー2025年はどのような活動を考えていますか?

swetty 音楽についてもっと深く精通できるようになりたい。数字を上げたいとかは割となくて。今の数字は自分にとってはありがたいけど、充分すぎるから。ちゃんと自分の身の丈に合うようになれるくらい、もっともっとちゃんと音楽を知って、頑張って、努力していけたらと思います。

ー長い目で見た時はどういうアーティストになりたいですか?

swetty 自分がもしスゴくなったら、若い人に受け入れられる人になりたい。
スゴくなくても、ちゃんと音楽を好きであり続けたいと思います。最終的に「こいつダサい」ってなってもいいから、もっともっと音楽を好きになってほしい。あと、最近は若い子の暗いニュースが多くて。自分を思い詰めすぎないでほしい。今だけの判断でしんどくならないでほしい。

swettyが語る、「junkie」のバズを越えて見つけた、音楽好きな“自分らしい音”

swetty, Elle Teresa - 「I JUST」

Lyrics by swetty, Elle Teresa
Produced by ZOT on the WAVE & dubby bunny
Mixed by Ryusei
Mastered by Nicolas De Porcel

Artwork Photo by Uran Sakaguchi

https://popyours.lnk.to/IJUST

POP YOURS 2025
日程:2025年5月24日(土)・5月25日(日)
時間:開場9:30 / 開演11:00
会場:幕張メッセ国際展示場9~11ホール

出演者:
DAY1:5月24日(土)
¥ellow Bucks
ANARCHY
Benjazzy
BIM
Charlu
eyden
Fuji Taito
IO
Jinmenusagi
JP THE WAVY
Kaneee
KM
kZm
LANA
7
SEEDA
3House
Watson

NEW COMER SHOT LIVE
STACK THE PINK
Tete
TOKYO世界
ziproom

OPENING DJ
DJ YUTO
(AtoZ)

DAY2:5月25日(日)
JJJ
Bonbero
DADA
Daichi Yamamoto
Elle Teresa
G-k.i.d
Jin Dogg
Kohjiya
Kvi Baba
lil soft tennisMIKADO
NENE
PUNPEE
STUTS on the WAVE
swetty
唾奇
Yo-Sea

NEW COMER SHOT LIVE
DAB
5Leaf
lilbesh ramko
Tade Dust

OPENING DJ
MARZY
(A to Z)

チケット:Sold Out

YouTube生配信
DAY 1 https://www.youtube.com/live/cnn17Qch2Iw
DAY 2 https://www.youtube.com/live/akuYSyDd0D8

オフィシャルサイト:https://popyours.jp/
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