2024年11月に全米規模で行方不明となり、そのわずか数週間前に父親が自死していたことが判明した30歳のハンナ・コバヤシが、先日、SNSに復帰した。

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ハンナ・コバヤシは、いまだに「何が起きたのか」をはっきりと語る準備ができていない。
2024年11月、ロサンゼルス国際空港からニューヨークへの乗り継ぎ便に姿を現さなかったことから、彼女の失踪が報じられた。ニューヨークでは家族の友人と会う予定だったという。

その後12月、彼女がメキシコに向かっていたことが確認され、事件は「自発的な失踪」と再分類される。だがその時点で、父親が数週間前に自死していたという事実が彼女に知らされた。以降、コバヤシはほとんど沈黙を守っていたが、最近になってSNSに戻り、自身の感情を少しずつ言葉にし始めている。

米メディアSFGateによれば、彼女は先週末にInstagramのストーリーズを更新し、全国的な捜索活動について触れた。「私を探すために時間とエネルギーを費やしてくれたすべての方に感謝します」と投稿。彼女自身は、その最中に大規模な捜索が行われていたことを知らなかったという。

そして彼女は、当時の過酷な経験をにじませるように、こう記した。「喪失と痛みと苦しみを経た今、毎日が本当にかけがえのない贈り物だと感じています。私たちは皆、もっとお互いに優しくあるべきです」。

事件後、初となるInstagramの投稿は5月3日に行われた。
そこでは森の木々をモノクロで写した写真とともに、詩的な長文が添えられていた。

「まだ言葉にできていないすべてのことを抱えながらも、私の心の中の愛は変わらずそこにあります。存在するすべての命、これから生まれる命のために……。深く自分の内面を見つめ、不屈の精神に気づくことこそが、本当の意味での『思い出す』ということ。それは、想像をはるかに超える力を持っています。専制に抗い、憎しみに抗い、恐れを乗り越えてくださいーーそうすれば、あなたが本来なるべき姿になることを、何者も妨げることはできません」

彼女の投稿のコメント欄は現在も公開されているが、中には”取り調べ室”のような様相を呈しているものもある。「なぜ父親の葬儀に出席しなかったのか」と詰め寄る声や、「助けを求めるべきだった」として、家族に与えたとされる苦しみを非難するコメントも寄せられている。一方で、より共感的なコメントもあり、自らの父親を亡くした体験を共有するユーザーも見られた。

そうした中で、葬儀について質問したコメントに対し、コバヤシはこう返信している。

「あなたは、すべての事情を知らないんです。この投稿の目的は、自分の経験を語り始めること、そして私に向けられた数々の憎しみに対して、立ち上がることです。あなたが人生で最も暗い時にいるときには、どうか憎しみや批判ではなく、思いやりと愛を与えられますように」

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from Rolling Stone US
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