1960年代後半から70年代初頭にかけて、ロック、ポップ、ファンク、ソウルのジャンルの垣根を打ち破った最も影響力ある音楽家のひとり、スライ・ストーンが現地時間9日(月)に死去した。享年82歳。
家族によると、死因は「COPD(慢性閉塞性肺疾患)と他の基礎疾患による長期にわたる闘病」と発表された。

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スライの家族は声明で次のように述べた。「愛する父、スライ・ストーンの死去を深い悲しみとともにお知らせします。スライは、3人の子どもたち、最も親しい友人、そして拡大家族に囲まれ、安らかに息を引き取りました。彼の不在を悼む一方で、その比類なき音楽的遺産がこれからの世代にも鳴り響き、インスピレーションを与え続けてくれることを慰めとしています」

さらに家族は、スライが「最近、自伝映画の脚本を完成させた」とも明かし、「このプロジェクトを然るべき時に世に届けることを楽しみにしています」と語った。

自身のバンド、スライ&ザ・ファミリー・ストーンは1966年から67年にかけて結成された。実際に”ファミリー”的な構成で、兄妹のローズとフレディに加え、いとこのグレッグ・エリコとジェリー・マルティーニ、ラリー・グラハム(ベース)、シンシア・ロビンソン(トランペット)といった面々が参加。1968年の「Dance to the Music」でブレイクを果たし、男女混成・人種混成のバンドがロックとソウルを融合して演奏するという当時としては稀有な存在となった。

その後、「Life」「Stand!」「Everyday People」「Hot Fun in the Summertime」といった連帯と希望を歌うアンセムが続々とヒットし、1969年のウッドストックで披露された「I Want to Take You Higher」のパフォーマンスは伝説となった。同年の大ヒット「Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)」は、陽気なファンクの裏に不安と皮肉が潜んでいた。

from Rolling Stone US
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