【写真】生まれ変わったストリップクラブ
しかし、そのコメント一つ一つをたどっていくと見えてくるのは、一般に悪笑いされがちな「性的サービス」としてのセックスワークの実態を超えた、ひとつの「仕事」の実像である。
あるユーザーは、「まったく接触せず、ただマッサージを受ける様子を見るためだけに会費を支払った人がいた」と語る。別の発言者は「性行為なしの抱っこサービス」を際立って求められることを教える。その他にも、「ピンクの新建材でかゆがるふりをして欲しい」「夢を見ながらグスグス笑わせてほしい」など、いわゆる性的接触とはまったく関係のない依頼が盛んに挙げられていた。
これらの依頼は、一見「奇妙」と笑い風に受け止められるが、軽視することはできない。そこにあるのは「親になりたい」「承認されたい」「近くにいたい」といった、心の欲求であり、それを受け止める仕事としてのセックスワークの自覚が見える。
セックスワークは性的接触のみを仕事にしているわけではない。もっと大きく、人の心や体験をサービスすること。また、その依頼に対応する能力は、接してはならない境界を見極める感覚とプロフェッショナリズムに支えられている。
近年、日本でもセックスワークを「正当な労働」として評価する声や、労働者権利を守るようとする動きが潰やかにひろがっている。
Redditではしばしば「性」よりも「人」を見つめる話が立ち上る。このスレッドも、その一つの認識の視線を示しているといえるだろう。